(訪米したモディ首相(左)を歓迎するトランプ大統領【2017年6月27日 CNN】)
【インド政界を揺るがすアメリカ発のスキャンダル】
インドでは賄賂なんて当たり前・・・のようにも思ったりもするのですが、財閥トップの贈賄事件がインド国内ではなくアメリカ発で表面化しています。
****インド新興財閥会長が390億円の賄賂に同意か、米検察当局が証券詐欺罪などで起訴…財閥側は否定****
米司法省は20日、インド新興財閥アダニ・グループの創業者ゴータム・アダニ会長(62)らが贈賄事件に関与して不正な資金調達を行ったなどとして、ニューヨーク州の連邦大陪審に証券詐欺などの罪で起訴されたと発表した。
起訴状などによると、アダニ氏とグループ企業の幹部らは2020年から今年にかけて、印政府から太陽光発電事業の受注を獲得するため、同政府高官に2億5000万ドル(約390億円)以上の賄賂を支払うことに同意したとされる。
資金調達の際に、汚職防止の取り組みなどで虚偽の説明を行い、米国の投資家らを欺いたなどとしている。米メディアによると、米国の法律では、国内の投資家や市場と関連がある場合、検察当局が国外の汚職事件を捜査することを認めている。
アダニ氏は資産が850億ドルを超えるアジア有数の大富豪で、モディ首相との親密な関係で知られる。アダニ・グループは21日の声明で「米司法省の主張は根拠がない」と強調した。【11月21日 読売】
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なぜインド企業のインド国内での贈賄事件がアメリカで起訴されるのか・・・わかりにく話ですが、今回の起訴は賄賂を贈ったかどうかだけではなく、資金調達の際に汚職防止の取り組みなどで米国内の投資家に虚偽の説明を行い、賄賂の問題で米当局に捜査を受けていたにもかかわらず、そのことに関する報道を否定し、贈賄疑惑を隠して米国内で資金調達していた虚偽報告も問題視されており、従って米当局がインドにおける贈賄事件を起訴するという話になっているようです
問題は、財閥トップのアダニ氏がモディ首相と同郷で親密な関係にあり、モディ首相の庇護を受ける形で急成長したのではないかとも見られていることで、そのモディ首相との関係をめぐってインド議会は大荒れとなっているようです。
“主要野党・国民会議派の指導者ラフル・ガンジー氏は記者団に対し、「野党のリーダーとしてこの問題を提起するのは私の責任だ」と述べた。同党のカルゲ総裁は「アダニ・グループの活動のあらゆる側面」について包括的な議会調査を求めた。”【11月22日 ロイター】
***インド野党、アダニ問題追及姿勢強める 議会は機能不全****
インド財閥アダニ・グループの創業者らが贈賄罪などで米国で起訴された問題を巡り、野党が追及姿勢を強めている。今週開会した議会は、野党が連日アダニ・グループ問題の審議を要求して議事進行を阻止し機能不全に陥っている。
野党は、モディ首相と首相率いるインド人民党(BJP)がアダニをかばい、インドでの調査を妨害していると非難している。主要野党の国民会議派のラフル・ガンジー氏は記者団にゴータム・アダニ会長は逮捕されるべきだと述べた。
今回の問題の中心にあるアダニ・グリーンは27日、ゴータム・アダニ氏が証券法違反で米国で起訴され、罰金を科せられる可能性があるとした上で、米海外腐敗行為防止法(FCPA)では起訴されていないと説明。米証券取引委員会(SEC)が起こした民事訴訟については、ゴータム・アダニ氏らへの罰金支払いを求めているが金額は示していないとした。
米国での起訴を受け、アダニ・グループ傘下の10社の株は急落したが、27日はアダニ・グリーンが9%上昇するなど、持ち直しの動きを見せている。【11月27日 ロイター】
野党は、モディ首相と首相率いるインド人民党(BJP)がアダニをかばい、インドでの調査を妨害していると非難している。主要野党の国民会議派のラフル・ガンジー氏は記者団にゴータム・アダニ会長は逮捕されるべきだと述べた。
今回の問題の中心にあるアダニ・グリーンは27日、ゴータム・アダニ氏が証券法違反で米国で起訴され、罰金を科せられる可能性があるとした上で、米海外腐敗行為防止法(FCPA)では起訴されていないと説明。米証券取引委員会(SEC)が起こした民事訴訟については、ゴータム・アダニ氏らへの罰金支払いを求めているが金額は示していないとした。
米国での起訴を受け、アダニ・グループ傘下の10社の株は急落したが、27日はアダニ・グリーンが9%上昇するなど、持ち直しの動きを見せている。【11月27日 ロイター】
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【与党サイドにはアメリカの「上から目線での介入」といった不満も】
与党インド人民党(BJP)には米国発の今回スキャンダルについて、「上から目線での介入」といった不満もあるようです。
****米国で新興財閥トップが起訴…インド政治と経済を揺るがす「大スキャンダル」発生 西側諸国との対立を深める「上から目線での介入」****
贈収賄と不当な手段での資金調達
破竹の勢いだったインド経済の雲行きがあやしくなっている。
(中略)ここに来てインドを揺るがすスキャンダルが発生している。
米連邦裁判所ニューヨーク東部地区検察は11月20日、インド政府への贈収賄などに関与したとして、インドの新興財閥アダニ・グループのゴータム・アダニ会長らを起訴した。加えて米証券取引委員会(SEC)も、米国内外の投資家から不当な手段で資金調達した疑いで起訴した。
訴状によれば、アダニ氏らは再生可能エネルギーを手がけるグループ企業のアダニ・グリーンなど2社に利益をもたらすよう、インド政府高官に計2億5000万ドル(約390億円)の賄賂を贈ったという。インド政府とアダニ・グリーンは、市場価値を上回る価格で太陽光エネルギーを購入する契約を締結している。(中略)
インド議会は機能不全
アダニ・ショックはインド政界にも波紋を呼んでいる。
アダニ氏とモディ首相は同じ西部グジャラート州の出身で、密接な関係があると指摘されてきた。アダニ・グループの事業急拡大が、モディ氏の政治的成功と軌を一にするかのようだったことから、野党はモディ政権の保護があるとして非難している。対してインド政府はこうした主張を否定しており、今回の疑惑についても見解を示していない。
この問題が災いして、インド議会は機能不全に陥っている。11月21日、野党はインド議会としてもアダニ・グループの疑惑を調査するよう求めたが、与党はこれを拒否した。そのため、議事進行の目途は立っていない。
気になるのは、与党インド人民党(BJP)幹部の間で「議会の会期直前、トランプ次期大統領就任が迫っているこのタイミングでの起訴発表にはいくつかの疑問がある」という不満(11月21日付ロイター)が生まれていることだ。
西側諸国では近年、民主主義の伝統を根拠に「インドとは共通の価値観を共有している」との見方が広まっているが、専門家は「インドと西側諸国はお互いの世界観を共有していない」と反論する。インド人が植民地支配時代に負った心の深い傷がいまだに癒えていないことが大本の原因だ(11月23日付日本経済新聞)。
上から目線で介入してくることへの苛立ち
昨年1月、インド政府が開催した「グローバルサウスの声サミット」でジャイシャンカル外相は、「(グローバルサウスの国々は)植民地時代の過去の重荷を背負い、現在も世界秩序の不公平さに直面している」と述べた。
この発言はルサンチマン(弱者が強者に対して抱く恨み)的な感情に裏打ちされていると筆者は思う。西側諸国には植民地支配に対する反省がないばかりか、今も「西側基準の行動様式から逸脱している」と上から目線で介入してくることへの苛立ちだ。パワーを身につけ、自信を深めつつあるインドにとって、これほど不愉快なことはないだろう。
アダニ・ショックを引き起こした米司法当局の起訴について、前述のBJP幹部がこのような不快な思いをした可能性は十分にある。
2000年代に一連のテロ攻撃に苦しんだインド政府にとって、国内の治安維持は最優先課題だ。このため、インド政府は現在、米国やカナダ在住のシーク教徒殺害を巡って西側諸国と対立を深めている。
西側諸国との蜜月時代は短期間で終わってしまうのかもしれない。インドの動向については今後も細心の注意を払うべきだろう。【12月5日 藤和彦氏 デイリー新潮】
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ただ、“2000年代に一連のテロ攻撃に苦しんだインド政府にとって、国内の治安維持は最優先課題だ。このため、インド政府は現在、米国やカナダ在住のシーク教徒殺害を巡って西側諸国と対立を深めている。”という件に関して言えば、昨年6月にバンクーバー近郊でシーク教徒指導者が殺害された事件について、インド政府職員が関与していたとするカナダとインドが互いに外交官を追放し、双方首脳が相手国を批難するなど“ガチンコ勝負”的な対立になっているのに対し、アメリカ国内でも同様の殺害計画があったにもかかわらず、アメリカはあまりこれを問題視せず、対中国で重要なプレーヤーであるインドを刺激しないようにしているようにも見られます。
****シーク教徒殺害計画巡るインドとの会談、米政府「生産的」と評価****
米国務省の報道官は16日、米国内で計画されていたシーク教徒独立活動家の暗殺に関するインドとの協議について、生産的だったと評価し、インド側の協力に満足していると語った。
米政府は、昨年ニューヨークで起きたシーク教分離主義指導者の暗殺計画にインドの工作員が関与していたと主張し、インド政府高官の指示で活動していたインド人を起訴した。
国務省報道官は、暗殺計画への関与を調査しているインド政府委員会が15日にワシントンで米当局者と会談したとし、会談は「生産的」なものだったと指摘。「我々は(彼らの)協力に満足している。これは継続中のプロセスだ」と説明した。
カナダ政府は14日、インド外交官6人の国外追放を決定した。インド側もカナダの外交官6人の追放を発表。カナダでインドでのシーク教徒独立運動に関わった男性が殺害された事件を巡り、両国の対立は激化している。【10月17日 ロイター】
米政府は、昨年ニューヨークで起きたシーク教分離主義指導者の暗殺計画にインドの工作員が関与していたと主張し、インド政府高官の指示で活動していたインド人を起訴した。
国務省報道官は、暗殺計画への関与を調査しているインド政府委員会が15日にワシントンで米当局者と会談したとし、会談は「生産的」なものだったと指摘。「我々は(彼らの)協力に満足している。これは継続中のプロセスだ」と説明した。
カナダ政府は14日、インド外交官6人の国外追放を決定した。インド側もカナダの外交官6人の追放を発表。カナダでインドでのシーク教徒独立運動に関わった男性が殺害された事件を巡り、両国の対立は激化している。【10月17日 ロイター】
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インド側には“「西側基準の行動様式から逸脱している」と上から目線で介入してくることへの苛立ち”あるとのことですが、客観的に見ると原子力関係でのインド優遇(NPT(核拡散防止条約)非加盟国のインドに対しアメリカの核輸出解禁を国際的に認めさせ、米印原子力協定を締結)でもそうですが、アメリカはインドをつなぎとめておくために、インドに対して非常に甘いと言えます。
【“つい最近まで山賊が出るほどの国”に民主主義のルールとか、国際社会のルールを説いても効果がない】
そのインドでは「西側基準の行動様式」を押し付ける印象もあった「「弱い」指導者バイデン大統領よりも、ルールや価値観ではなく実益を重視する「強い」トランプ大統領の方が人気があるとか。
****〈インドはトランプが好き〉米国・インド関係黄金時代か、新政権を歓迎する本音とは****
今年のアメリカ大統領選挙ではインドの存在感が目立った。民主党の候補者となったカマラ・ハリス副大統領がインド系とアフリカ系の両方のルーツをもっていただけではない。共和党の候補者としてニッキー・ヘイリー氏、ヴィヴェック・ラマスワミ氏という2人のインド系の候補者が出た上、最終的に副大統領候補となったJ・D・バンス氏の妻ウィーシャ・バンス氏もまたインド系だったからだ。
今年のアメリカ大統領選挙ではインドの存在感が目立った。民主党の候補者となったカマラ・ハリス副大統領がインド系とアフリカ系の両方のルーツをもっていただけではない。共和党の候補者としてニッキー・ヘイリー氏、ヴィヴェック・ラマスワミ氏という2人のインド系の候補者が出た上、最終的に副大統領候補となったJ・D・バンス氏の妻ウィーシャ・バンス氏もまたインド系だったからだ。
アメリカでは不法移民は問題視されており選挙の争点になったが、合法移民は問題視されていない。合法移民の代表であるインド系は、その勢力を見せつける状態になりつつある。
インド系アメリカ人の勢力拡大が続くと、その親族などを通じてつながり、アメリカ政治がインドへも影響する。インドでも、民主党支持、共和党支持両方の動きがみられた。
ハリス副大統領の母の出身地ではハリス氏勝利の祈願も行われる一方で、トランプ前大統領勝利を祈願するヒンドゥー寺院もあったのである。
インドにおける米大統領選挙への関心は非常に高く、TVでは特集があり、筆者も、米大統領選挙の2日前から選挙当日まで、インドのテレビで、米大統領選挙について解説する状態であった。
興味深かったのは、インドでは、ハリス氏よりもはるかに、トランプ氏が人気を集めているようにみえたことだ。インドの有識者の中には、トランプ氏の方が「far far better(はるかに、はるかに、いい)」とはっきり述べる有識者が少なくなかったからだ。
しかも、トランプ氏とモディ氏の個人的な友人関係もクローズアップされることが多かった。大統領選挙投票日である11月5日より前の11月1日、トランプ氏は、X(旧ツイッター)にコメントをだし、モディ首相への支持を表明している。そしてトランプ氏勝利が濃厚になると、かなり早い段階で、モディ首相も、トランプ大統領に祝意を伝えたのである。
なぜ、インドでは、トランプ氏が人気なのだろうか。米印関係はトランプ氏の下で黄金時代を迎えるのだろうか。本稿で分析することにした。
表面上蜜月に見えて悪化しかかっていた米印関係
一見すると、バイデン大統領の下で、米印関係は、何もかもうまくいっているように見えた。インドが求めていた戦闘機のエンジンの技術供与なども含め、防衛協力は明らかに進展しつつあり、経済面でも進展がみられていたからだ。
アメリカに逃げたインドのシーク教徒過激派指導者の暗殺未遂事案についても、外交官の国外追放合戦になっているインドとカナダとは違い、米印間では大きな問題になることなく、静かな交渉が行われているようにみえる。米印関係は安定して進展している。(中略)
だから、これらの状態から見れば、本来、バイデン政権は、インドにとっていい政権のはずである。しかし、インドではあまり人気がない。なぜか。
「弱い」と思われたバイデン政権
インドでの議論を聞いていると、インドでは、バイデン政権の評価が低い。それは、まず、ロシアのウクライナ侵略を受けて、米印間でロシアに対する立場の違いが出たこと。そして、バイデン政権が、安全保障に弱いにもかかわらず、お小言だけ多い政権だとみられていたことに起因するものとみられる。
バイデン政権が「弱い」というイメージは、アフガニスタンから撤退する際、総崩れの様相を示してしまったことが、始まりであった。それはロシアのウクライナ侵略につながったが、その際も、バイデン氏は、ロシアが侵略してもウクライナのために戦わないことを明確に表明し、むしろロシアの侵略を黙認するかのようにすら見えた。
その後、ウクライナが反転攻勢に出る際も、射程の長い武器や戦闘機の供与を行わなかったから、ウクライナは領土を奪還できなかった。
そして、中東では、イスラエルに「怒りに身を任せてはならない」などと軍事作戦の制限ばかり要求しているが、イスラエルに無視され続けているように見える状態が続いた。こういった姿勢は、アメリアが影響力を失っている印象を強め、「弱い」というイメージを強めたのである。
それにもかかわらず、バイデン政権は、お小言だけは多かった。中国やロシアに対する対決を、民主主義対権威主義の対決として、イデオロギーを重視した。
そして、民主主義国としての成績評価を行い、インドのモディ政権が民主主義国としてのルールを守っていない、まるで権威主義国であるかのような態度をとった。
モディ首相が訪米した際には、モディ首相が好まない記者会見を要求し、その場では、インドの民主主義の関して厳しい質問が出ることになった。
アメリカは、以前から、記者会見を利用して間接的にメッセージを送るやり方を好み、中国の指導者に対しても、記者会見の際に、活動家がプラカードを掲げたりした事例がある。同じ手法をインドに適応した可能性がある。
実際には、2024年にインドで行われた選挙は、与党が議席を減らしたが、インドが民主主義国としてきちんとした選挙行ったことを示している。問題があるとしても、インドを権威主義国として非難するようなバイデン政権とその支持者の姿勢は行き過ぎで、インドでは反感を買っていたのである。
これらの部分は、トランプ政権時代と比較すると、歴然とした差があった。トランプ政権は、「予測できない」として、怖がられていたから、弱い政権だとは思われていなかった。
実際、トランプ氏は、習近平氏を夕食会に招き、チョコレートケーキを進めている最中に、シリアにミサイルを撃ち込むことを伝えた政権だ。「今はシリアだが、次はお前だ」と言わんばかりの脅しを、油断したタイミングでかけてくる点で、怖い政権だった。
しかも、トランプ大統領の外交は、イデオロギーを気にしなかった。最初の外国訪問はサウジアラビアだったし、東南アジアではベトナムを優先して訪問、友好関係を結んだ。サウジアラビアもベトナムも民主主義国ではない。利益になれば、イデオロギーは気にしないのである。
そして、トランプ大統領はインドを重視しており、20年の大統領選挙前にトランプ大統領は、選挙活動で忙しい中でも、インドへ訪問した。
インドのような国では、まだまだ社会のルールが守られていないことがよくある。だから、ルールを守っているかどうかよりも、力が強くて、自分を守ってくれる人をリーダーに選ぶ傾向がある。
つい最近まで山賊が出るほどの国だったが、これは、自分を守ってくれるなら、政府ではなく山賊についていく人々がいることを示している。
そのような国に、民主主義のルールとか、国際社会のルール、といったお小言を言って説得するのは、効果が弱い。バイデン政権は、まず力を示し、強い、と印象付ける必要があり、過去4年間、それに失敗し続けたのである。
激しい交渉の幕開け
だから、インドでは、バイデン政権よりもトランプ政権の方が人気だ。ただ、それで、米印関係が全く問題のない、黄金関係、ということにならないだろう。トランプ大統領の外交の特徴は、2国間ベースで、脅しをかけて取引を狙う。
安全保障問題であれば、北大西洋条約機構(NATO)加盟各国に「十分国防費を負担しないなら、ロシアに好きなようにするよう促す」といったかなり激しい脅し文句がくる。経済であれば、関税を大幅に上げてくる。インドだけ例外とは言えない。
さらに、トランプ政権第1期で問題になったのは、合法移民になるためのビザの発給数だ。それも再び交渉課題になるだろう。
トランプ政権としては、アメリカ人の雇用を守る観点から、優秀なインドからの合法移民があまり無制限に来ると、困るからである。イデオロギーなどが関係してこないシンプルな外交だとしても、米印間で激しいやり取りが起きることは必至だ。
インドではトランプ歓迎のムードが高まっている。それは同時に、新しい駆け引きと交渉の時代の幕開けと、いえよう。【11月9日 WEDGE】
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非常に興味深い記事です。
インドの民主主義が充分に機能しているかどうかについては個人的にはやや疑念があり、“バイデン政権とその支持者の姿勢は行き過ぎ”云々には必ずしも賛同しませんが、“つい最近まで山賊が出るほどの国”に民主主義のルールとか、国際社会のルールを説いても効果がない・・・と言われると「そんなものかも」という感も。
ただ、それはインドを“その程度の国”と下に見るようなふうにも思えますが。