めでたやの、風が舞います江戸の春。
テディちゃ頭巾の行く先へ
福は吹くのか、
吹雪が舞うか?
さあさ、語りは三段目、
続けましょうぞ、続けましょう――
** ** ** ** ** ** ** **
「たかおまいりだァ、おまいりだァ!」
「おまいりいこうッ、おやまへいこうッ!」
掛け声高く、足取り軽く、
進みますのはテディ猛者。
ゆきのジョーを先頭に、
おのおの抱え持ったるは
『えんぜる』紋入り不思議の小箱。
高尾の尊き天狗さまへ、
奉納しようこの小箱。
「たかお、たかおだッ!」
「おまいりだーいッ!」
のっしのっしと道を往く
テディくまたち一行に、
さぞや人々眉ひそめ?
いえいえ、それが、そうでもない。
高尾参りと叫ぶ間に、
交わす言葉というたなら、
「ねえ、ゆきのジョー、
さッきのおそば、おいしかッたねッ♪」
ははあ、深大寺名物お蕎麦のことでございましょう。
「うんッ。
でも、いまたべた、きびの、おもちも、おいしかッたァ」
どうやら、
府中は大国魂神社、
その門前市で黍餅を食したので。
「みたらしだんごも、よかッたね♪」
立川の諏訪神社でも、はあ、
お団子を食べましたか。
「かえりはァ、おふどうさまで、おまんじゅうッ!」
「ほかほかの、おまんじゅうは、いいなッ♪」
帰路には日野の高幡不動、
蒸かしたてのお饅頭を食べようなァと、
万事が万事この調子。
行き逢う人もくすくす、ぷふふ、
笑わせておりますテディたち。
「たかおまいりだァ! もぐもぐもぐッ」
西へ西への甲州街道、
お江戸と甲府をつなぐ道。
美味しいものに誘われて、
四谷にあります《北クマ一刀流》道場より、
とんとことんの、とんとことッと
歩み到った山の裾。
さあ、テディたち、御覧あれ!
お江戸日本橋より十里がほど、
やってきました高尾の里。
あれに見ゆるは、登りの小道。
胴震いしてテディたち、
踏み出そうとした、ちょうどその時。
「おおいッ!
テディちゃ頭巾へ、早飛脚!
江戸から文が、参っておるぞ!」
急ぎの文とは何であろ?
はてな、とテディくまたち首傾げ、
お山を前に足止める。
続きまするは第四巻、
いよいよ高尾のお山にて、
いかなる椿事が待ち受ける?
どうか、ゆるりんしゃんしゃんと、
お待ちくだされ、お待ちあれ――
テディちゃ頭巾の行く先へ
福は吹くのか、
吹雪が舞うか?
さあさ、語りは三段目、
続けましょうぞ、続けましょう――
** ** ** ** ** ** ** **
「たかおまいりだァ、おまいりだァ!」
「おまいりいこうッ、おやまへいこうッ!」
掛け声高く、足取り軽く、
進みますのはテディ猛者。
ゆきのジョーを先頭に、
おのおの抱え持ったるは
『えんぜる』紋入り不思議の小箱。
高尾の尊き天狗さまへ、
奉納しようこの小箱。
「たかお、たかおだッ!」
「おまいりだーいッ!」
のっしのっしと道を往く
テディくまたち一行に、
さぞや人々眉ひそめ?
いえいえ、それが、そうでもない。
高尾参りと叫ぶ間に、
交わす言葉というたなら、
「ねえ、ゆきのジョー、
さッきのおそば、おいしかッたねッ♪」
ははあ、深大寺名物お蕎麦のことでございましょう。
「うんッ。
でも、いまたべた、きびの、おもちも、おいしかッたァ」
どうやら、
府中は大国魂神社、
その門前市で黍餅を食したので。
「みたらしだんごも、よかッたね♪」
立川の諏訪神社でも、はあ、
お団子を食べましたか。
「かえりはァ、おふどうさまで、おまんじゅうッ!」
「ほかほかの、おまんじゅうは、いいなッ♪」
帰路には日野の高幡不動、
蒸かしたてのお饅頭を食べようなァと、
万事が万事この調子。
行き逢う人もくすくす、ぷふふ、
笑わせておりますテディたち。
「たかおまいりだァ! もぐもぐもぐッ」
西へ西への甲州街道、
お江戸と甲府をつなぐ道。
美味しいものに誘われて、
四谷にあります《北クマ一刀流》道場より、
とんとことんの、とんとことッと
歩み到った山の裾。
さあ、テディたち、御覧あれ!
お江戸日本橋より十里がほど、
やってきました高尾の里。
あれに見ゆるは、登りの小道。
胴震いしてテディたち、
踏み出そうとした、ちょうどその時。
「おおいッ!
テディちゃ頭巾へ、早飛脚!
江戸から文が、参っておるぞ!」
急ぎの文とは何であろ?
はてな、とテディくまたち首傾げ、
お山を前に足止める。
続きまするは第四巻、
いよいよ高尾のお山にて、
いかなる椿事が待ち受ける?
どうか、ゆるりんしゃんしゃんと、
お待ちくだされ、お待ちあれ――