テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

新春特別企画《怪傑!テディちゃ頭巾》第五巻

2008-01-02 22:49:05 | 新春特別編!
 おいでいただきありがたや。
 テディちゃ頭巾のものがたり、
 どうやら佳境に入ったか。
 語りましょうや、
 綴りましょうや、
 テディくま魂ここにあり――


  **  **  **  **  **  **  **  **
 

「うしろだ! あぶないッ!」
「あたまをォさげろッ!」

 叫びあい、庇い合うのはテディくま一同。
 襲い来たった黒い影、
 尋常に勝負!勝負!!
 我こそ北クマ一刀流の遣い手なり!
 さあ!と剣に手をかけて、

「いや、ならんッ!」

 ゆきのジョーは制していわく、
 ここは聖なる修験のお山、
 刀を抜くのは憚りあり。
 最後の最後の最後まで、
 剣を用いず闘おう!

「よゥしッ!」
「てやァッ!」

 空手ちょっぷに、拳固に、頭突き、
 噛み付き、引っ掻き、ふっく&きっく、
 黒い影への、わんつーぱんち!
 奮闘に次ぐ大奮闘!

 とはいえしかし、ああしかし、
 黒い影ども湧いてくる、倒せど倒せど湧いてくる。
 テディくまたちも疲れたか、
 肩で息する有り様よ。

         ――その意気や よし!――

 突如ひびくは誰の声、
 山をもどよもす太い声、
 木立の間より、届き来る。

        ――ちびくまたちよ、力を貸そう!――

 音がするする、音がする。
 がらがら、どしん!あの音は、
 つい先程も聞いた音。
 上空高く、天高く、
 何かが降って来やる音。
 見よやクマたち、この小箱、
 さらなる新たな小箱の紋を。

「あッ! えんぜるゥッ!」
「いつつめの、えんぜるだッ!」

 五つの箱が集まった!
 銀のえんぜる、集まった!
 天下の大事が顕れる!
 杉葉も枝もおののけば、
 五色の雲と妙なる楽の音、
 怪異なりや、
 瑞兆なりや?
 高尾の山に光が走る!

「あッ、あれはッ!」
「おおッ、あれはァ!」

 さあさ、時間となりました。
 五段の語りは、ここに了。
 お山に何が来たったか、
 テディくまたちはどうなるか、
 次の巻まで待たれませ。
 ゆるり、ゆる~りとお待ちくだされ――
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新春特別企画《怪傑!テディちゃ頭巾》第四巻

2008-01-02 15:52:51 | 新春特別編!
 はいはい、またも始まりまする、
 テディちゃ頭巾のものがたり。
 ここな四段目にて、起こるはいったい何事か――

 
  **  **  **  **  **  **  **  **


 初春の雲たなびくは高尾山、
 やってきましたテディたち。
 ところがそこへ、飛脚便、
 急な報せがあるという。
 お山の道のとば口で、手紙を囲む一同に、
 もたらされたは、はて何ぞ――

「あッ、ネーさししょうからァ、おてがみだッ!」

 テディちゃ頭巾は封を切る。
 お江戸の町からネーさ師匠、
 書いてきやるは、

     ――いにしえの、
     伝承にある『えんぜる』紋、
     その秘密をば知らせおくりそうろ
     げにおそろしきひみつなり!――

「うう~ん? どういうことだいッ?」
「それはね、ゆきのジョー、え~と、だねェ」

 ネーさ師匠は文に説く、
 《えんぜる》紋つき《ちょこぼおる》の秘密。
 銀で描かれた異国の紋、
 ひとつだけなら何ともないが、
 ふたつだけでも何ともないが、
 いつつ揃ったその時は、
 天下に大事が出来(しゅったい)す!

「てんかのだいじィ?」
「いッたい、なにがァ、おこるのかなァ?」
「うん、それはネーさししょうにもォ、
 わからないィ、んだッてさ」

 不思議の小箱をよっこらせ、
 テディくまたち背負いあげ
 今度こそはと向かいます。
 高尾のお山のいただきへ、
 うねって登る道の先。
 《えんぜる》紋つき箱みっつ、
 奉納しよう、天狗さまに。

 高尾参りだ、お参りだ、
 謡いながらも上ってゆけば、
 杉の木立はぞわぞわと、
 不意に大きく揺れ動く。
 おおッと仰ぐ頭上から、

「わッ、あぶないィッ!」
「なにかッ、ふッてきたァッ!」

 どっすん、がらがら。
 降ってきたのは、
 舞い降りたのは、
 なんと、びっくり、

「ちょこぼおるのッ、はこッ!」
「ああ、これも!
 えんぜるがァッ?」

 テディくまたち、驚き畏れ、
 新たな小箱を眺めやる。
 《えんぜる》紋がきらりと光る、
 ひぃ、ふう、みぃ、の

「よ、よッつめの、えんぜる、だッ!」

 震え上がって一同は、
 小箱四つを遠巻きに。
 どうしたものか、この異変。
 まかり間違い、あとひとつ、
 もしも小箱が来たるなら、

「てんかのだいじがァ、おきちゃうぞッ!」
「どうしよおッ!」
「こわいよおッ!」

 さすがの剣の達者にも、
 不穏な心地むくむくと
 きざして周囲を見回せば
 折りから暮れる山の宵。
 もうじき闇が地に満ちる。

「ゆきのジョー、あれはッ」
「ややッ! あやしのかげ!」

 襲い来るのは、黒い影。
 テディちゃ頭巾を狙う影。
 さあ、どうするテディくまたち。
 向かい討つのか逃げるのか。
 お山に危機が迫り来る!

 続きましょうか、第五巻。
 この先どうなる第五巻。
 あいや、しばらく、
 暫く待たれよ次巻まで!
 
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