テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

お江戸小公女(小公子?)ストーリー!

2009-10-07 23:01:47 | ブックス
「むんッ! むむむんッ!
 たいふゥよッ、あッちいけェ! こッちくるなァ!」

 えー、おてんとさまに念を送り中のテディちゃと、
 ビビリを隠せないネーさです、こんにちは。
 皆さま、お気をつけてくださいね!

「むむゥ~んッ! あッちにいッちゃえェ!」

 では、台風払い&厄払いの気持ちもこめて、
 本日もめげずに読書タイム!と参りましょう。こちらを、どうぞ~!



             ―― はむ・はたる ――


 
 著者は西條奈加さん、’09年8月に発行されました。
 前回の記事で御紹介しました『烏金』の、続編にあたる作品です。

「ふむふむッ!
 おえどのォ、おはなしィでスねッ」

 『烏金』の主人公は、浅吉さん――
 金貸しのお吟さんを手伝う青年でしたが、
 この御本で主人公の座を担うのは、
 勝平(かっぺい)くん、テンくん、三治くん、登美ちゃん、
 ハチくんに花ちゃん……といった子どもたちです。

「えッ? こどもたちィ?
 おとうさんやァ、おかあさんじゃなくてェ?」

 彼らに、両親はないのです。
 ものごころつかない頃にかどわかされ、
 或いは人買いに売られ、
 ひどい目に遭ってきました……
 人買いの手から逃れはしても、帰る家もなく、
 勝平くんを中心に、かっぱらいをしたり、
 スリをしたりでどうにか食べつないできた彼らを説得し、
 まともな生活に引き戻そうとしたのが、浅吉さん、だったのです。

 浅吉さん、金貸しのお吟さん、
 お吟さんを通じて知り合った武家の長谷部(はせべ)さまの助けを得、
 勝平くんたちは長屋を借りました!
 稲荷鮨を売り歩く、という真っ当な職を見つけました!
 長谷部の家のおばあさまは怖いけれど、
 帰る家がある、
 家には食べるものもあって、
 仲間=家族も待っていてくれるのだということは、
 なんと幸せなことでしょう……

「ふァいッ!
 よかッたでスねッ♪」

 しかし、そんな彼らに災難が降りかかります。
 同じ長屋に住む男の子が、いなくなった……?
 日頃からその子と口喧嘩が絶えなかった勝平くんと玄太(げんた)くん、
 疑いをかけられ、番屋にしょっぴかれてしまいました。

「ええェッ!ひどいィ!
 ぬれぎぬゥでスよゥ!」

 長谷部のおばあさまの尽力もあり、放免された勝平くんたち、
 いなくなった男の子の捜索を始めます。
 癪にさわるけど、
 このまんまじゃ俺たちにかけられた疑いは晴れないし、
 ……俺たちみたいに人買いにさらわれたんだとしたら、
 あいつが可哀相だもんなぁ。

「ははァ!
 たんていィでスねッ!
 べいかー・すとりーと・いれぎゅらーずゥみたいィでスよッ!」

 ディケンズさんが描いた大都市ロンドンをさまよう少年たちのように、
 お江戸の町で勝平くんたちは手掛かりを探し、
 やっとヒントをつかみます、が……。

「くもゆきィ、あやしッ!」

 『烏金』はミステリアスな御話、と言えましたが、
 この御本では、物語ははっきりとミステリの要素が強まりました。
 さあさ、右や左の旦那さまがた奥さまがた、
 お江戸版イレギュラーズたちの首尾をごろうじろ!
 みなしごたちの、意気や天晴れ!

「よッ、せんりょうやくしゃ~ッ!」
コメント
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