テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

雷鳴雷撃ミステリ!

2009-10-20 23:14:32 | ブックス
 今日の夕焼けはきれいでしたよ~♪
 あかあかと染まる高尾山の上のお空に見惚れたネーさです。こんにちは~♪

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!
 おさるのォおしりはァ、まッかッかァ~♪」

 …………。(←あらっ、ネーさの額に青筋が?)
 えー、本日ご紹介いたしますのは、
 夕焼けどころではない気象状況に見舞われる正統派ミステリです。
 さあ、ミステリ好きさん、こちらを、どうぞ~!


 
            ―― 矢上教授の午後 ――


 
 著者は森谷明子さん、’09年7月に発行されました。
 『Professor Yagami’s Afternoon』と英題が付されれています。

「ふむむゥ~、きょうじゅさんッでスかァ~?
 うむッ!
 ごほんのォ、ひょうしィでざいんはァ、そのためでスねッ!」

 大学ノート風の装丁デザインの表紙は、
 象牙の塔の住人さんである教授さんにふさわしいと申せましょう。
 しかも、舞台となっているのは
  ・中央線沿線の、
  ・東京の西のはずれで、
  ・周囲は緑豊か
 とありますから……
 この八王子市内かしら? それとも日野市内?

「ごきんじょさんッ、なのでスゥ~♪」

 大学の名前は明記されておりませんけれど、
 生物総合学部日本古典文学担当非常勤講師さんを勤めるその御方を、

「かたがきィ、ながィッ!」

 ひとは『矢上教授』と呼びます。
 『講師』と呼ぶべきなのかもしれませんが、
 教授たるもののイメージにぴったりの
 七十年配の白髪、白髯、という矢上氏の御姿に、
 みな、教授!と呼んでしまうのでした。

 広大なキャンパスの片隅、
 オンボロ研究棟の最上階に、
 矢上教授の研究室はあります。
 部屋の書棚を占めるのは、専門分野の日本文学関連の書物と
 ……古今東西の、ミステリ!

「みすてりィ!
 このきょうじゅさんとはァ、おともだちにィなれそゥでス!」

 矢上教授にとって、ミステリとは
 あくまで書物の世界の中の出来事……のはず、でした。
 或る夏の午後、強烈な雷雨が大学周辺を襲うまでは。

 豪雨と落雷による停電で
 外部との通信が不通になり、
 PCはダウンし、
 携帯電話の基地局にトラブルが起きたのか、
 通話もメールも出来ません。
 エアコンは止まり、エレベーターも動かず、
 さらには……研究棟のドアが、開かない~??

「わォ! りくのォことうゥでスッ!」

 ミステリファンさんならば《吹雪の山荘》的状況というような
 孤立&隔絶したシチュエーションで、
 ええ、そうです、事件が!

「おォ~!」(←なぜかガッツポーズ?)

 マスコミにもてはやされる有名教授や、
 著作がベストセラーになってしまった教授さん、
 単位取得が危うい院生さんや、
 教授と不仲らしき助手さんたち――
 矢上教授以外はみーんなあやしい人ばかり?
 同僚の中に、事件の犯人が?
 
 ユーモラスな展開の奥には
 堅牢な本格派のロジックが組まれているようです。
 ミステリ好きな御方は、もうぜひ~!

「かみなりィ、にがてなァおかたもォ、ぜひィ!」

 おへそを隠して、お読みください! 
 
  
コメント
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