台風ですか……今ごろですか……ふー、
秋晴れが恋しいネーさです、こんにちは。
「こんにちわッ、テディちゃもォ、おさんぽいけなくてェ、つまんないィ!」
テディちゃ、ちょいっと情緒不安定かも~と思ったら、
必要なのは《笑い》です。
あはは♪と笑えば寒さも吹っ飛ぶ!
笑いたい時には、さあ、本日ご紹介いたしますこちらを、どうぞ~!
―― 悪魔の下回り ――
著者は小林信彦さん、単行本は1981年に、
画像の文庫版は1984年に発行されました。
悪魔!なーんてハロウィンシーズンにはぴったりの御題ですよね♪
「あくまァ……?
こわいィおはなしィ、なのでスかッ?」 (←ぶるるッ!)
いえいえ、ホラーではございませんよ。
主人公さんは、砧一平(きぬた・いっぺい)さんという、会社員さん。
あ、失礼、もと会社員さん、ですね。
砧さん、いま、ものすごーくブルーです。
いえ、ブルーを超えた暗黒圏におられます。
失業してしまって、
奥さんには駆け落ちされてしまって、
借金を背負わされてしまって、
もうあれやこれやで……いやになっちゃいました。
終わりにしよう、何もかも。
亡き父が復員の折に密かに持ち帰ったリボルバーを、
砧さんは自分に向けて――
「ひィィィッ! だめでスよゥゥッ!」
と、そこへ。
「ふァ~、よかッたァ~!
てんしさまがァ、すくいにきてくれたのでスねッ!」
いえ、現れたのは、悪魔です。
「……ふァ?」
尻尾は焼けちゃって無いんですけど、
ツノも見当たらないんですけど、
身分証明書もありませんけど、
本人いわく、
《私は、飽くまで、悪魔です!》。
「…………えェ~とォ??」
テディちゃと同様、砧さんも疑いの眼差しです。
悪魔、って……ねえ?
なんだかなぁ~?
お疑いもごもっとも、と悪魔氏、プレゼンを始めます。
わたくし、正真正銘、本物の悪魔なんです。
1480年生まれの満500歳、
これでも悪魔の世界ではヤングアダルトの部類でして、
徳川幕府がキリシタン弾圧を盛んにやっていたころ、
このジパングに参りました。
あっ、ちょっと待って、
話を最後まで聞いて下さいっ!
私の得意技は、若返り~っ!
「むゥ?
わかがえりィ?」
若返りと耳にして、
砧さんの目がキラリ!
……若返り? 若返り!!!
「わァッ、だめでスゥ!
ゆうわくにィ、のッてはァ、だめだめでスよゥ!」
ああ、時すでに遅し。
『若返り』の一言に心動かされた砧さん、
悪魔の契約書にサインしてしまいました。
しかし、いいんでしょうか……?
この悪魔さん、自ら『松竹梅の梅』ランクとカミングアウトしちゃう
最下級の下回り悪魔さんなのです。
そんな半端な『梅』悪魔と砧さんの、
二人ならぬ一匹と一人が見果てぬ野望へ走る珍道中は
第一章から脱線の連続~!
「うわうゥ~、だからァいッたのにィ~」
雑俳あり、替え歌あり、パロディあり、
笑いたい!突拍子もない御話を読みたいぞ!という方々に、
おすすめの快作です。
残念ながら、現在は入手困難な状況にあるようですが、
古書店さんや図書館で、ぜひ!
「あくまでェ、あくまをォ、げきたいィしようッ!」
秋晴れが恋しいネーさです、こんにちは。
「こんにちわッ、テディちゃもォ、おさんぽいけなくてェ、つまんないィ!」
テディちゃ、ちょいっと情緒不安定かも~と思ったら、
必要なのは《笑い》です。
あはは♪と笑えば寒さも吹っ飛ぶ!
笑いたい時には、さあ、本日ご紹介いたしますこちらを、どうぞ~!
―― 悪魔の下回り ――
著者は小林信彦さん、単行本は1981年に、
画像の文庫版は1984年に発行されました。
悪魔!なーんてハロウィンシーズンにはぴったりの御題ですよね♪
「あくまァ……?
こわいィおはなしィ、なのでスかッ?」 (←ぶるるッ!)
いえいえ、ホラーではございませんよ。
主人公さんは、砧一平(きぬた・いっぺい)さんという、会社員さん。
あ、失礼、もと会社員さん、ですね。
砧さん、いま、ものすごーくブルーです。
いえ、ブルーを超えた暗黒圏におられます。
失業してしまって、
奥さんには駆け落ちされてしまって、
借金を背負わされてしまって、
もうあれやこれやで……いやになっちゃいました。
終わりにしよう、何もかも。
亡き父が復員の折に密かに持ち帰ったリボルバーを、
砧さんは自分に向けて――
「ひィィィッ! だめでスよゥゥッ!」
と、そこへ。
「ふァ~、よかッたァ~!
てんしさまがァ、すくいにきてくれたのでスねッ!」
いえ、現れたのは、悪魔です。
「……ふァ?」
尻尾は焼けちゃって無いんですけど、
ツノも見当たらないんですけど、
身分証明書もありませんけど、
本人いわく、
《私は、飽くまで、悪魔です!》。
「…………えェ~とォ??」
テディちゃと同様、砧さんも疑いの眼差しです。
悪魔、って……ねえ?
なんだかなぁ~?
お疑いもごもっとも、と悪魔氏、プレゼンを始めます。
わたくし、正真正銘、本物の悪魔なんです。
1480年生まれの満500歳、
これでも悪魔の世界ではヤングアダルトの部類でして、
徳川幕府がキリシタン弾圧を盛んにやっていたころ、
このジパングに参りました。
あっ、ちょっと待って、
話を最後まで聞いて下さいっ!
私の得意技は、若返り~っ!
「むゥ?
わかがえりィ?」
若返りと耳にして、
砧さんの目がキラリ!
……若返り? 若返り!!!
「わァッ、だめでスゥ!
ゆうわくにィ、のッてはァ、だめだめでスよゥ!」
ああ、時すでに遅し。
『若返り』の一言に心動かされた砧さん、
悪魔の契約書にサインしてしまいました。
しかし、いいんでしょうか……?
この悪魔さん、自ら『松竹梅の梅』ランクとカミングアウトしちゃう
最下級の下回り悪魔さんなのです。
そんな半端な『梅』悪魔と砧さんの、
二人ならぬ一匹と一人が見果てぬ野望へ走る珍道中は
第一章から脱線の連続~!
「うわうゥ~、だからァいッたのにィ~」
雑俳あり、替え歌あり、パロディあり、
笑いたい!突拍子もない御話を読みたいぞ!という方々に、
おすすめの快作です。
残念ながら、現在は入手困難な状況にあるようですが、
古書店さんや図書館で、ぜひ!
「あくまでェ、あくまをォ、げきたいィしようッ!」