「ネーさッ、はれたでスよッ!」
はい、台風一過の晴天、ただし強風注意!な東京・多摩地方から
こんにちは、ネーさです。
「こんにちわゥ、テディちゃでス!」
気分もちょこっと晴れたところで、
さあ、本日はこちらのミステリを、どうぞ~♪
―― 千年の黙 ――
著者は森谷明子さん、単行本は’03年に、
画像の文庫版は’09年6月に発行されました。
副題に『異本源氏物語』とあります。
『黙』は『しじま』とお読み下さい。
「むッ?
ネーさ、このおなまえはァ、たしかッ?」
あら、憶えていたんですね、テディちゃ。
そうなんです、著者の森谷さんは、
先日ご紹介しましたミステリ作品『矢上教授の午後』の著者さんです。
もうひとつ、テディちゃ、憶えていますか?
『矢上教授』のご職業、いえ、専門分野は?
「えッ? えェ~とォ……
ふァいッ! にほんぶんがくゥでス!」
おお、よく出来ました!
その《日本文学》が、この御話の主人公さんなんです!
「ほぺッ? ぶんがくがァ、しゅじんこッ???」
その名は『源氏物語』――
日本が、平安文化が、世界に誇る文学作品が、
このミステリの主人公さんです。
とき、あたかも左大臣藤原道長さんが栄華を極めようとする某帝の御世、
都の片隅に、『式部』と呼ばれる女性がおりました。
後の世には知らぬ者とてない、
けれど、いまはまだ、知る人ぞ知る存在、なのでしたが。
式部さんを知るのは、
彼女の書く『ものがたり』の読者さんたちと、
縁者、お邸の使用人さんたち……
「ふむふむッ、
これからァ、ゆうめいィにィ、なるのでスねッ♪」
式部さん、時々は頭を抱えたりもいたします。
宮中! なんでこんな場所を物語の舞台にしちゃったのかしら!
作法だの言葉遣いだの、ややこしいったら!
物語に描いてるのは架空の人物だっていうのに、
モデルはあの大臣だとか、この大納言だとか、
その女御さまだとか、勝手な憶測がひとり歩きしちゃうし~。
が、『その女御さま』のお膝元で、ある事件が起きたことから、
式部さん、じっとしていられなくなりました。
「おォ~! だいじけんッ、はッせいィ!」
いえ、大事件といってよいのかどうか……
一匹の猫ちゃんが行方不明になった、んですけれども……。
「……にゃんこォ?」
にゃんこ、いえ失礼、猫さんの飼い主さんが
ただの御方ではなかったため、事件は複雑になりました。
猫ちゃん、帝さまの愛猫だったのです!
「みぴゃッ! そ、それはァ、おおごとォ、なのでスゥ!
さがさなくちゃッ! みつけなくッちゃッ!」
帝の愛猫『命婦(みょうぶ)』ちゃん捜索にまつわる第一部の
『上にさぶらふ御猫』、
第一級の歴史ミステリでもある第二部の『かかやく日の宮』、
源氏の君逝去の巻から生まれた第三部の『雲隠』――
三つの《謎》が見事に交叉する連作ミステリ、
古典文学好きな御方には楽しくてたまらない御話でしょう。
著者・森谷さんによる巻末の附記、
杉江松恋さんによる解説もすばらしいので
ミステリ好きさんに限らず、
活字マニアさんは、ぜひ~!
「ややこしくてもォ、おもしろさァ、ひるいなしィ!でスよッ」
年内には刊行予定だという続編が待たれます!
はい、台風一過の晴天、ただし強風注意!な東京・多摩地方から
こんにちは、ネーさです。
「こんにちわゥ、テディちゃでス!」
気分もちょこっと晴れたところで、
さあ、本日はこちらのミステリを、どうぞ~♪
―― 千年の黙 ――
著者は森谷明子さん、単行本は’03年に、
画像の文庫版は’09年6月に発行されました。
副題に『異本源氏物語』とあります。
『黙』は『しじま』とお読み下さい。
「むッ?
ネーさ、このおなまえはァ、たしかッ?」
あら、憶えていたんですね、テディちゃ。
そうなんです、著者の森谷さんは、
先日ご紹介しましたミステリ作品『矢上教授の午後』の著者さんです。
もうひとつ、テディちゃ、憶えていますか?
『矢上教授』のご職業、いえ、専門分野は?
「えッ? えェ~とォ……
ふァいッ! にほんぶんがくゥでス!」
おお、よく出来ました!
その《日本文学》が、この御話の主人公さんなんです!
「ほぺッ? ぶんがくがァ、しゅじんこッ???」
その名は『源氏物語』――
日本が、平安文化が、世界に誇る文学作品が、
このミステリの主人公さんです。
とき、あたかも左大臣藤原道長さんが栄華を極めようとする某帝の御世、
都の片隅に、『式部』と呼ばれる女性がおりました。
後の世には知らぬ者とてない、
けれど、いまはまだ、知る人ぞ知る存在、なのでしたが。
式部さんを知るのは、
彼女の書く『ものがたり』の読者さんたちと、
縁者、お邸の使用人さんたち……
「ふむふむッ、
これからァ、ゆうめいィにィ、なるのでスねッ♪」
式部さん、時々は頭を抱えたりもいたします。
宮中! なんでこんな場所を物語の舞台にしちゃったのかしら!
作法だの言葉遣いだの、ややこしいったら!
物語に描いてるのは架空の人物だっていうのに、
モデルはあの大臣だとか、この大納言だとか、
その女御さまだとか、勝手な憶測がひとり歩きしちゃうし~。
が、『その女御さま』のお膝元で、ある事件が起きたことから、
式部さん、じっとしていられなくなりました。
「おォ~! だいじけんッ、はッせいィ!」
いえ、大事件といってよいのかどうか……
一匹の猫ちゃんが行方不明になった、んですけれども……。
「……にゃんこォ?」
にゃんこ、いえ失礼、猫さんの飼い主さんが
ただの御方ではなかったため、事件は複雑になりました。
猫ちゃん、帝さまの愛猫だったのです!
「みぴゃッ! そ、それはァ、おおごとォ、なのでスゥ!
さがさなくちゃッ! みつけなくッちゃッ!」
帝の愛猫『命婦(みょうぶ)』ちゃん捜索にまつわる第一部の
『上にさぶらふ御猫』、
第一級の歴史ミステリでもある第二部の『かかやく日の宮』、
源氏の君逝去の巻から生まれた第三部の『雲隠』――
三つの《謎》が見事に交叉する連作ミステリ、
古典文学好きな御方には楽しくてたまらない御話でしょう。
著者・森谷さんによる巻末の附記、
杉江松恋さんによる解説もすばらしいので
ミステリ好きさんに限らず、
活字マニアさんは、ぜひ~!
「ややこしくてもォ、おもしろさァ、ひるいなしィ!でスよッ」
年内には刊行予定だという続編が待たれます!