テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

トリッキーな密室ミステリ!

2009-10-31 22:47:05 | ブックス
 ハロウイン本番day、いかがお過ごしでしょうか?
 こんにちは、カボチャは天麩羅もスープもパイも好きなネーさです。

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ!
 かぼちゃさらだもォ、おいしィでスよッ♪」

 カボチャ飛び交うハロウィン月の最後に御紹介いたしますのは……
 はい、こちらです! どうぞ~!



             ―― 密室の如き籠るもの ――



 著者は三津田信三さん、’09年4月に発行されました。
 『密室』は『ひめむろ』とお読み下さいな。

「あうゥッ! 
 こわいィ! ひょうしがァ、こわいィでスよゥ!」

 そぅおですねぇ……おどろ~なカバーイラストは村田修さんの、
 カバーデザインは坂野公一さんによるものです。
 中身の御話も、表紙の雰囲気を移植したかのような、
 おどろ~な展開が――

「ひィッ! むぎゃぽッ!」 (←後ろにでんぐり返し?)

 収録されているのは短編3作品と、
 ほぼ長編に匹敵する分量の中編1作品ですが、
 注目すべきは、4編いずれも
 『密室』をテーマにしたミステリ、
 もしくは変型『密室』ミステリといえる作品であることでしょうか。

 冒頭の『首切の如き裂くもの』では袋小路が、
 次の『迷家の如き動くもの』では人里から隔絶した土地が、
 『隙魔の如き覗くもの』では視覚の中の閉鎖空間が、
 そして表題作の『密室の如き籠るもの』では
 ずばりロックド・ルームが、
 事件の舞台となっています。

 事件に挑むのは、
 東城雅哉(とうじょう・まさや)の名で
 怪奇小説・探偵小説を執筆している
 刀城言耶(とうじょう・げんや)さん。

「ふァ~、
 さッかさんでスかァ~?
 ものずきィなァ~」

 怪異譚大好き!な言耶さん、
 理屈で解明できるおはなし、理屈では解明できないおはなし、
 両方とも大好物なんですよ。
 
 『密室の如き籠るもの』では、
 旧家に伝わる魔性?の箱の噂を聞きつけてやって来た言耶さんの目前で
 難解きわまる事件が起きました……
 《密室》のウンチクを語りつつ、
 言耶さんは真相に一歩、また一歩と迫ってゆきますが……

「こ、こわいィからァ、
 はやくゥ、かッ、かいけつゥしてくださいィッ!」

 怖いと言えば、いちばん怖さがにじみ出ているのは
 『首切の如き裂くもの』かもしれませんね。
 この御話では、え~と、ミステリですから詳しくは申せませんが、
 《謎》が《謎》のまま残される、というような
 傾向があって……これが、さりげなく怖いです!

「ひィッ! こここ、こわッ」

 ミステリ好きさん、
 とりわけ、密室大好き!な御方はぜひ!な一冊です。
 トリック・アーンド・トリックな意欲作、
 ハロウィンにはぴったりでしょう♪

「……テディちゃはァ、
 とりーつ・あんどォ・とりーつゥがァ、いいでスゥ~ッ!」
  
コメント
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