テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

お江戸のプチマネーウォーズ?

2009-10-06 23:01:16 | ブックス
 秋晴れはどこに行っちゃったの~!と叫びたくなる東京・多摩地方から、
 こんにちは、ネーさです。

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 あめにはァ、あきちゃッたでスよッ」

 台風の被害がどこにも出ませんように……と祈りつつ、
 本日も読書タイムの始まり始まり~です!
 さあ、こちらを、どうぞ~!


 
               ―― 烏金 ――


 
 著者は西條奈加さん、’07年7月に発行されました。
 フジモトマサルさんによる表紙装画には、中央に小判がどーん!と。

「きんぴかッ!
 こばんがァ、ざッくざくゥなおはなしィ、でスねッ♪」

 いえ、それが……
 思うがままに大判小判を遣い倒す、なんて大金持ちさんは、
 題名の『烏金(からすがね)』とは縁がありません。

 『烏金』とは、失礼ながら本文を引用させていただきますと、

  《明烏のカァで借り、夕方のカァで返す》

 そんな超短期のお金の貸し借りのことなのです。
 朝方に借りたお金で品物を仕入れ、
 夕方に、一日の売り上げの中からお金と、
 一日分の利息をつけて返済する、といったシステムですね。

「ふわァ~、いそがしィでス!」

 忙しい、つまりは切羽詰まった状況下で
 お金を借りねばならないのは大商人ではなく、
 庶民さんたち。
 苦しい一日をなんとかしのぐために
 『烏金』を貸し出す『金貸しのお吟』さんを訪ねます。

 おや、しかし……あれは誰でしょう?
 見慣れぬお若い方が、お吟さんを手伝っているようですよ?

「むむッ?
 しんじんさんッ、かなァ?」

 彼の名は、浅吉さん。
 お吟さんの新しい使用人さんと見えますが……
 どうにもヘンテコ、ですねえ?
 
 金を返せ!と、声を荒げるでもなく、
 脅しをかけるのでもなく、
 むしろ、借金の整理や清算、返済するための知恵を授けたり、と
 まったく金貸しの手先らしくありません。

 浅吉さんには、何か心に秘めたものがあるのでしょうか……?

「みすてりあすゥ、でスねッ」

 ミステリアスだけれど、
 舞台はお江戸の時代なんですけど、
 岡っ引さん、同心さんや与力さんたち町役人さんが活躍する
 捕物帖とは一味違う、
 地に足がついた、
 でもどこかファンタジックな時代小説です。

 浅吉さんの目的は?
 『烏金』を命綱とするお江戸の庶民さんの明日は?

 時代もの好きな御方、
 ミステリ好きな御方に、
 おすすめしたい一冊です。
 ぜひ~!

「おえどのォしたまちにィ、
 ぴゅぴゅ~ッとォ、しょーととりッぷゥ!」
  
コメント
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