テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

謎の怪獣よ、いずこに…?

2009-10-17 23:14:18 | ブックス
 散り始めた金木犀のお花は地面に描かれた星図のようです……
 こんにちは、ネーさです。散っちゃうなんて、さみしいぃ~!

「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ……むッ? くんくんッ!
 においィまスよッ!
 おはなのォかおりィ、ではなくてェ、これはァ……
 あやしきィにおいィ!」

 あら、わかります?
 妖しき香りの源は、きっと、この御本!
 さあ、ご一緒に! こちらを、どうぞ~!


 
    ―― アジア未知動物紀行 ベトナム・奄美・アフガニスタン ――



 著者は高野秀行さん、’09年9月に発行されました。
 『Asia UMA Mystery Tour/vietnam/amami/afghanistan』
 と英題が付されています。
 UMAとは……言わずと知れた『未確認不思議動物』。

「あはッ!
 かいじゅうでス! ねッしーくんでス! つちのこでスゥ!」

 デビュー作『幻獣ムベンベを追え』ではアフリカの、
 『怪獣記』ではトルコに棲むという怪獣の探索に全力を傾け、
 自称《辺境作家》となった高野さん。
 今度もまた、怪獣探しの冒険に出発です!

「ふむふむッ!
 こんどはァ、どんなァかいじゅゥ~?」

 えーと、それが……はっきりしない、んですね。
 詳細な資料が少なくて…… 
 猿みたい、という人もいれば、
 動物、というあやふやそのものの証言や、
 普通の人間には見えないと言い出す人もいて、
 UMA探しの強者・高野さんも面食らうほどです。

 ベトナムの猿人フイハイ……いったいどんな奴なんだ~??

「ふゥ~むッ、なぞォでス!」

 奄美のケンモンも……なんなんでしょう???
 妖怪? 妖獣? 怪物? 精霊?

「うゥ~むッ、なぞなぞォのようでスゥ?」

 めげない高野さんの旅は続きます。
 アフガニスタンの凶獣『ペシャクパラング』を探しに
 パキスタン経由でアフガニスタンへ……
 え? アフガニスタン? 
 それって危ないんじゃないですか!?!
 内戦とかっ、ゲリラとかっ、誘拐とかっ???!

「あわわわッ、きけんでスよゥ!」

 生命の危険と隣り合わせの怪獣探しは、しかし、
 高野さんの筆にかかると街道珍道中のよう……
 何度も冷や汗をかきながら、
 現地の人々の話を聞き、徐々に浮かび上がってきた
 未確認生物の特徴・特性とは……?

 UMA本? 怪獣探し?
 いいえ、先入観にとらわれてはいけません!
 あとがきで言及される『遠野物語』への考察が
 ぞくぞくっ!とさせてくれます。
 《怪》なる《何か》の本質に迫る名文です!

「なにかがァ、みえてくるのでスよッ!」

 怪獣を信じる御方も、信じられない御方にも、
 いえいえ、すべての活字マニアさんに、ぜひ~!

「なぞなぞのォ、こたえはァ……まだまだァ、なぞッ!?」
 
コメント
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