テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

壺中天の、別“岩”世界。

2011-07-15 23:05:32 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 先ほど(7月15日21時過ぎ)関東地方で地震がありましたが、
 皆さま、御無事でしょうか?
 ここ多摩地域はけっこう揺れました……怖かったです!

「こんにちわッ、テディちゃでス! こわいィ~!」
「ぐるる!がるがるぐるるるが~る!」(←訳:虎です!ナマズ神さま鎮まり給え~!)

 猛暑に地震……心の休まる暇がありませんね。
 でも、たとえ5分でも、1分でも、ちょこっと休憩時間をひねりだしたら、
 さあ、読書タ~イム!
 揺れの恐怖を忘れるためにも、本日もスッ飛びましょう、書物の世界へ!

  


 
              ―― ふしぎ盆栽ホンノンボ ――


 
 著者は宮田珠己(みやた・たまき)さん、2011年2月に発行されました。
 2007年刊の単行本に加筆訂正を加えたものが、↑画像の文庫版です。

「ほんのんぼゥッ?? なにでスかッ、それはァ??」
「ぐるるるがるがるがる?」(←訳:ほのぼの、の書き間違い?)

 いーえ、
 ホンノンボ、なのですよ、ほのぼの、じゃなくて。
 で、ホンノンボが何なのか、と申しますと……
 著者の宮田さんも当初は大いに戸惑われたようですわ。
 
 それはベトナムの、ハノイのホテルでのこと――
 
 夏休みを利用しての、初めてのベトナム旅行で、
 宮田さん、何の予定もない自由な時間の合間に
 ふらふらとテラスへ歩み出たのでした。

  ふうん?

 退屈していた宮田さんの眼に、
 或る“もの”が留まります。
 テラスの一部が、タイル貼りの流しのようになっていて、
 その流しいっぱいに
 大きな岩が置いてある……

「いわッ?」
「がるる??」(←訳:岩ねえ?)

 そう、岩。
 しかし、ヘンな岩、なのです。
 岩のあちこちに、ミニチュアがのっている……?
 陶器製の家、五重塔のようなミニチュアが、あっちに、こっちに……?
 これ、何だろう?
 箱庭のつもり、なのかなあ?

 単なる岩とも、
 想像力を働かせれば山とも島とも見ることが出来る、
 これはいったい何なのか――

 その場では面白いと思ったものの、
 日本に帰国して後はヘンな岩のことなど忘れていた宮田さん、
 やがて一冊の書物に出逢い、
 ヘンな岩の正体を知ります。

 フランス人のロルフ・スタンさん著『盆栽の宇宙誌』によれば、
 あの不思議な岩は、
 道教的宇宙観に基づいて作られたもので、
 ホンノンボ、もしくは、ヌイノンボ、と呼ばれる――

「うゥ~ちゅゥ~うゥ~??」
「ぐるがるぐる~?」(←訳:盆栽なのお~?)

 いやいやいや、これだけでは、何が何だか。
 宮田さん、東南アジア旅行の日程に『ホンノンボ探索』を組み入れ、
 再びハノイを訪問します。
 よーし、見に行こう、ホンノンボ!
 どこにあるのか、分からないけど。

「わほほッ、らくてんてきィ~♪」
「ぐるるるがるがるがる!」(←訳:やっぱり、ほのぼの、かも!)

 『ジェットコースターにもほどがある』では、
 恐怖と絶叫のジェットコースター乗りまくり体験記で
 読み手を感動と笑いの渦に逆さ落とししてくれた宮田さん、
 この御本では、
 ほのぼの、のんびり、
 それでいて哲学&東洋思想の奥深さを感じさせる小さな岩の宇宙へと
 踏み込んでゆきます。
 ホンノンボ――
 その作り手は?
 ルールや、伝統は?

 多数の写真が掲載され、
 とりわけ、ミニチュアの人形や動物の口絵は
 可愛らしさにうっとりしてしまいます♪
 フィギュア収集家さん、
 ミニチュア製作を趣味にしている方々、
 マン盆栽マニアさんたちに
 おすすめの一冊、ですよ!

「すてきなァ、ほんのんぼゥ!」
「がるがるぐるるがるる!」(←訳:ぜひぜひ御覧下さいな!)
コメント
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