テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

昔むかしも、白黒はっきり?

2011-07-25 23:23:44 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今日は真っ黒なトンボちゃんを見かけましたよ♪
 たぶん、オハグロトンボくんね。

「こんにちわッ、テディちゃでス! とんぼッ、どこでスかッ?」
「がるるー!ぐるがるぐるぐる!」(←訳:虎ですー!トンボは勝ち虫!)

 古くより、勝負事に強くラッキーカムカムな虫とされるトンボちゃん、
 武将さんたち、お武家さんたちに好まれ、
 武具の飾りや、着物の模様にもデザイン化されてまいりました。
 では本日ご紹介いたします一冊の象徴となっているこの生物は……
 ラッキー? アンラッキー?
 はたして、どちらなのでしょう……?

  


 
               ―― 蜘蛛の巣 ――


 
 著者はピーター・トレメインさん、2006年10月に発行されました。
 原題は『THE SPIDER’S WEB』、
 日本語版は画像のように上下巻2冊の文庫から成る構成となっています。
 以前に御紹介しました《修道女フィデルマ》シリーズの
 第5作目にあたる作品です。

「あはァ、あいるらんどォのォ!」
「がるぐる!」(←訳:7世紀の!)
「おねーさんがァ、だいかつやくゥ!」

 はい、そうですね。
 時代は7世紀のアイルランド、
 主人公の若い修道女フィデルマさんは、
 王さまの妹さんにして、
 高位の弁護士さんであり、
 時には裁判官の役も務める、という
 働き者さんです。
 修道女さんとはいえば、
 静かな修道院内でひたすら瞑想&お祈り……ってことはなくて、
 あっちへ出張、こっちでお手伝い、と
 とっても行動的な御方です。

 今回も、また――

「おはようッ、ふぇるぷすくんッ!」
「がるるぐるがるるッ!」(←訳:不可能大作戦だ!)
「なおォ、このてーぷはァ、じどうてきにィ、しょうめつするゥ~!」

 違いますっ!
 7世紀のアイルランドに極秘スパイ作戦はないわ!
 ……でもまあ、そうね、指令が、じゃなかった、使者さんが来たのです。
 
 或る集落で事件が起きました。
 既に犯行の経緯は判明しており、
 犯人も捕縛済み、
 しかしその土地には法的権威を持つ者がいないので、
 修道女フィデルマさんに現地へ行ってもらい、
 正義が行われたことを確認して欲しい――

 聞いただけでは、そう難しいケースとも思えません。
 サクソン人の修道士エイダルフさんとともに、
 フィデルマさん、
 馬を駆って出立いたしますが。

「むむゥ~、においィまス!」
「ぐるるるがるがるる!」(←訳:キナ臭い匂いがプンプン!)

 簡単な事件は、
 出向いて調査を始めてみれば、
 複雑な紋様を織りなす蜘蛛の巣のよう……。
 いったいどこからどう解きほぐしてゆけばよいのか……?

 法廷劇、
 推理劇、
 追跡に襲撃、
 法律談義に慣習・文化と、
 めまぐるしく変転する物語は
 エンタでスペクタクル!
 多くの言語に翻訳される人気作品だというのも
 納得のミステリです。

「わるいィやつをォ、にがしちゃァだめだよゥ!」
「がるるるーがるるる!」(←訳:絶対捕まえちゃうもんね!)

 2冊分の異国の歴史と謎、
 ミステリ好きさん、
 歴史好きさん、
 そして法律家さんにも読んでいただきたい御本です。
 ぜひ!

 
コメント
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