テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

手に汗握るは、潜入の日々。

2011-07-26 23:21:10 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 今年の東京&近郊、ゲリラ豪雨がなくてホッとしておりますよ。
 ……お? 何やらゴロゴロと鳴っているのは、まさか、カミナリさまっ?

「ごろごろォ、すぴィー……はッ?
 こッ、こんにちわッ、テディちゃでスゥ!」
「がるる~ぐるる~…がるるっがるるー!」(←訳:ぐーすかぐ~…あわわっ、虎です!)

 テディちゃ、虎くんも、お昼寝中だったんですね。
 良かったわ、ホントのカミナリさまじゃなくて。
 でも……よーく耳を澄ましてみれば、
 ほら、聞こえませんか?
 天の神さまによる怒りの太鼓の轟きが?
 神さまがお怒りの理由とは……この御本が教えてくださいます!

  


 
              ―― FBI美術捜査官 ――


 
 著者はロバート・K・ウィットマンさん、2011年7月に発行されました。
 『奪われた名画を追え!』と副題が付されています。
 英原題は『PRICELESS How I Undercover to Rescue the World's Stolen Treasures』、
 プライスレス――値段などつけようもない至宝って、何なのでしょう?

「ふァいッ! (←でっかく挙手!)
 テディちゃ、もな=りざさんだとォ、おもいまスゥ!」
「がるぐるがるるるがるるるーぐる!」(←訳:ボクはミケランジェロのピエタ像に一票!)
「かんがえるひとォもッ!」

 そうですね、レオナルドさん、ミケランジェロさん、ロダンさん……
 巨匠さんの名作は、容易く金銭に換算できない宝物のようなものでしょう。
 けれど、この御本の著者・ウィットマンさんは言うのです。
 
 『美術館強盗というのは大きな見出しになるけれど、
  これは美術犯罪全体の十分の一に過ぎない』。

 個人宅や会社組織からの盗難、
 ギャラリーからの盗難、
 教会からの盗難、
 そして遺跡の発掘現場からの盗難……。

 また、ウィットマンさんは組織犯罪に関する国際会議で痛感します。
 美術犯罪の取り締まりに
 熱心な国と、そうでない国がある。
 イタリアの水準が最も高く、
 フランス、英国も真剣に取り組んでいる。
 それに較べて、我が合衆国は……。

「ゆるしちゃだめでスッ、はんざいッ!」
「がるるーぐるがるがる!」(←訳:泥棒を捕まえろー!)

 FBIに入局してすぐ、
 ウィットマンさんは美術品盗難事件を担当することとなりました。
 犯人は捕まって、盗まれた美術品は無傷で回収されたものの、
 美術犯罪への理解がない米国の捜査方式に
 ウィットマンさん、密かに不満と不安を抱きます。
 麻薬捜査も大事だけれど、
 それだけが犯罪じゃないだろう……?

 やがてウイットマンさんは
 盗難美術品を追う潜入捜査官となりました。
 そこに到るまでの山あり谷ありの道のりときたら……!
 潜入捜査を開始して以後も
 障害はそこらじゅうに転がっています。
 巨大になりすぎた組織・FBIは、
 政治的野心に燃える各地の幹部が足を引っ張りあい、
 手柄を争い合うあまり、
 捜査に支障を来たすほどに
 変質していたのでした……。

「えェ~、そんなァ!」
「がるがるるるぐるー!」(←訳:犯罪摘発を優先してー!)

 不協和音のもと、
 ウィットマンさんが試みる潜入捜査の顛末は?
 美術品の行方は?
 
 日米ハーフのウィットマンさん、
 巻末で、今回の震災による被災者さんへの温かい言葉を
 寄せて下さっています。
 そうです、この御本は、ノンフィクション!
 ウィットマンさんが味わった苦難と冒険は、すべて事実!
 その迫力を、存分に御堪能あれ~!

「めざそうッ、はんざいィ、ぜろッ!」
「がる~!」(←訳:お~っ!)
 
コメント
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