こんにちは、ネーさです。
久しぶりに晴れたここ東京・八王子から、
ダイアモンド富士が見られるかしら♪とワクワクしましたが……う~ん?
西の方角は、ちょっと霞んでしまったようですね。
「こんにちわッ、テディちゃでス!
みてみたいでスよゥ! だいあもんどふじィッ!」
「がるる!がるるるがるぐるる!」(←訳:虎です!明日も晴れたらチャンス!)
天文写真マニアさんたちの幸運を祈りながら、
では、本日は活字マニアの本領に戻って読書タ~イム!
こちらを、どうぞ~!
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―― 邪馬台 ――
著者は北森鴻(きたもり・こう)さんと浅野里沙子さん、2011年10月に発行されました。
この御本は、『鏡連殺』の題で雑誌に連載されていた作品ですが、
著者・北森さんの急逝により中断していたものを、
公私に渡る北森さんのパートナー・浅野さんが書き継いで完成させた小説です。
刊行にあたって、題名が『邪馬台』と改められました。
北森鴻さん――
ミステリ好きの活字マニアさんでしたら、
よく御存知の作家さん、ですよね。
旗師と呼ばれる店舗を持たない骨董屋さんの『旗師・冬狐堂』シリーズ、
下北沢でアンティークショップを営む『雅蘭堂(がらんどう)』シリーズ、
ドラマ化もされた『蓮丈那智(れんじょう・なち)』シリーズ……
民俗学や骨董に関する知識を駆使して描き出された物語の数々は
稀なる魅力を放っていました。
また、北森さんの作品の特徴は、
なんといっても、ユーモア!
「ゆーもあァッ??」
「がるぐるるがるーがる?」(←訳:ミステリにユーモア?)
本格派でありつつ、トリッキーでもあり、
博識でもあって、
くすくすっ♪と笑ってしまう要素もあるのが、
北森さんのミステリ。
誤解を怖れずに言えば、
クラシカルで英国的な作風、とも申せましょうか。
しかし、この御本では非常に日本的な、
日本ならでは、な主題が取り上げられています。
それは……邪馬台国!
「むぽゥ!
テディちゃ、しッてるでスゥ!
こうこがくのォ、なぞッ!なのでスよッ」
「がるがるーぐるるがるるるぐるるる?」(←訳:うんうん!邪馬台国はどこにあったか?)
多くの作家さんが作品の中で論じている《邪馬台国の謎》に、
北森さんも殴り込みをかけ、
いえ失礼、北森さんらしい角度から斬りこんでいます。
主役は、東敬大学で民俗学を教える蓮丈那智(れんじょう・なち)さんと、
那智さんの研究室で助手を務める内藤三國(ないとう・みくに)くん。
現在、“異端の民俗学者”と呼ばれる那智先生の考察は、
《邪馬台国》に向かっているみたいだ……
新たに見出した研究テーマ『廃村の民俗学』の調査を進めながら、
三國くん、戦々兢々としています。
先生のことだ、
邪馬台国の研究、なんていっても
フツーの研究じゃないのに決まってる……!
「やまたいこくはァ、どこでスかッ?」
「ぐるるるがるがるるぐる?」(→訳:卑弥呼のお墓はどこですか?)
場所だとか、墓所だとか、
そんなありきたりな謎は、
那智先生の眼中にないんだ!
いったい、邪馬台国の何を、先生は調べ出そうとしているんだろう……?
『旗師・冬狐堂』『雅蘭堂』の主役さんたちも登場するこの御本は、
北森さんの作品の人気キャラクターさんたち総出演!といった趣きを見せ、
それだけにまた残念でなりません。
北森さんは、ここから、どのような《真の謎》をたぐり寄せる予定だったのでしょう?
蓮杖那智さんのライフワークとなる論文は?
三國くん自身の研究の行方は?
ああ、北森さん、
貴方にもっと書いていただきたかった!
「もッとォ、よみたいィのでス!」
「がるるぐるぐるぐるるがるー!」(←訳:もっと驚かせてほしかったー!)
この御本が、北森さんのラストメッセージ、ということになるのでしょうか……
惜しみつつ、
涙を堪えつつ、
ミステリを愛する活字マニアさんは、どうか、読み逃しなく!
久しぶりに晴れたここ東京・八王子から、
ダイアモンド富士が見られるかしら♪とワクワクしましたが……う~ん?
西の方角は、ちょっと霞んでしまったようですね。
「こんにちわッ、テディちゃでス!
みてみたいでスよゥ! だいあもんどふじィッ!」
「がるる!がるるるがるぐるる!」(←訳:虎です!明日も晴れたらチャンス!)
天文写真マニアさんたちの幸運を祈りながら、
では、本日は活字マニアの本領に戻って読書タ~イム!
こちらを、どうぞ~!
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―― 邪馬台 ――
著者は北森鴻(きたもり・こう)さんと浅野里沙子さん、2011年10月に発行されました。
この御本は、『鏡連殺』の題で雑誌に連載されていた作品ですが、
著者・北森さんの急逝により中断していたものを、
公私に渡る北森さんのパートナー・浅野さんが書き継いで完成させた小説です。
刊行にあたって、題名が『邪馬台』と改められました。
北森鴻さん――
ミステリ好きの活字マニアさんでしたら、
よく御存知の作家さん、ですよね。
旗師と呼ばれる店舗を持たない骨董屋さんの『旗師・冬狐堂』シリーズ、
下北沢でアンティークショップを営む『雅蘭堂(がらんどう)』シリーズ、
ドラマ化もされた『蓮丈那智(れんじょう・なち)』シリーズ……
民俗学や骨董に関する知識を駆使して描き出された物語の数々は
稀なる魅力を放っていました。
また、北森さんの作品の特徴は、
なんといっても、ユーモア!
「ゆーもあァッ??」
「がるぐるるがるーがる?」(←訳:ミステリにユーモア?)
本格派でありつつ、トリッキーでもあり、
博識でもあって、
くすくすっ♪と笑ってしまう要素もあるのが、
北森さんのミステリ。
誤解を怖れずに言えば、
クラシカルで英国的な作風、とも申せましょうか。
しかし、この御本では非常に日本的な、
日本ならでは、な主題が取り上げられています。
それは……邪馬台国!
「むぽゥ!
テディちゃ、しッてるでスゥ!
こうこがくのォ、なぞッ!なのでスよッ」
「がるがるーぐるるがるるるぐるるる?」(←訳:うんうん!邪馬台国はどこにあったか?)
多くの作家さんが作品の中で論じている《邪馬台国の謎》に、
北森さんも殴り込みをかけ、
いえ失礼、北森さんらしい角度から斬りこんでいます。
主役は、東敬大学で民俗学を教える蓮丈那智(れんじょう・なち)さんと、
那智さんの研究室で助手を務める内藤三國(ないとう・みくに)くん。
現在、“異端の民俗学者”と呼ばれる那智先生の考察は、
《邪馬台国》に向かっているみたいだ……
新たに見出した研究テーマ『廃村の民俗学』の調査を進めながら、
三國くん、戦々兢々としています。
先生のことだ、
邪馬台国の研究、なんていっても
フツーの研究じゃないのに決まってる……!
「やまたいこくはァ、どこでスかッ?」
「ぐるるるがるがるるぐる?」(→訳:卑弥呼のお墓はどこですか?)
場所だとか、墓所だとか、
そんなありきたりな謎は、
那智先生の眼中にないんだ!
いったい、邪馬台国の何を、先生は調べ出そうとしているんだろう……?
『旗師・冬狐堂』『雅蘭堂』の主役さんたちも登場するこの御本は、
北森さんの作品の人気キャラクターさんたち総出演!といった趣きを見せ、
それだけにまた残念でなりません。
北森さんは、ここから、どのような《真の謎》をたぐり寄せる予定だったのでしょう?
蓮杖那智さんのライフワークとなる論文は?
三國くん自身の研究の行方は?
ああ、北森さん、
貴方にもっと書いていただきたかった!
「もッとォ、よみたいィのでス!」
「がるるぐるぐるぐるるがるー!」(←訳:もっと驚かせてほしかったー!)
この御本が、北森さんのラストメッセージ、ということになるのでしょうか……
惜しみつつ、
涙を堪えつつ、
ミステリを愛する活字マニアさんは、どうか、読み逃しなく!