さてさて、前回よりの続き、でございます。
あかあかと燃える暖炉、
テーブルの上の御馳走と、
友人たちとの団欒と。
今年こそ!
ああ、今年こそは、穏やかに年を越せるものと思っていた、
ここベイカー街で――
名探偵テディちゃムズは、
大晦日の夜に訪れた依頼人を目にして、
まあ、びっくり!
「きらぴかッ、だねェッ!」
シロクマのユキノジョン・H・ワトソン博士も、
「すごっ!」
そして虎くんは、
「ぐるる~がるる~…?」(←訳:きみは~もしや~…?)
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「そう!
ぼく、ドラゴン!」
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「どらごんッ!」
「ひゃあ! ほんもの!」
「がるるぐるぐる!」(←訳:龍なんだよねっ!)
ええ、本物の龍。
ドラゴン。
名探偵テディちゃムズのもとへ、
やって来たのは、龍なのでした。
驚いたり、慌てたりしながらも、
テディちゃムズは龍に椅子と紅茶をすすめます。
それで、御用の向きは?
『ひとを探している』とのことでしたが……?
「はいっ!
ぼく、ダディを探してるんです!」
「だだッ? だでィッ??」
「それは、えーと、パパっ?」
「ぐるるぐるがるるる?」(←訳:お父さんドラゴン?)
「うん、実は……」
ぽわわ、と溜め息の代わりに小さな炎を吐いて、
ドラゴンくんは説明いたします。
半年も前の出来事だったでしょうか。
父ドラゴンは、
端役ではありましたけれど、
映画に出演するためロンドンへ行くと言って旅立ったきり、
音信不通になってしまいました。
ああ、ダディはどうしちゃったのだろう?
今どこに居るんだろう?
「ふんふんッ? それはァ、なんていうえいがァなのォ?」
ドラゴンくんいわく――
《魔法使いクマリー・ポッター》!
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おお!《クマリー・ポッター》!
世界的ヒット映画シリーズの最新作には、そういえば……
「あッたねッ、どらごんのォ、でてくるゥしーんがッ!」
「あのドラゴンさんが?」
「ぐるがるる?」(←訳:行方不明?)
人探しならぬ、ドラゴン探し?
名探偵テディちゃムズも、うう~む、と首を傾げます。
クマリー・ポッターの物語のように、
魔法の杖を一振りすればヒントが空から降ってくる、
という具合にはゆきません。
ドラゴンの習性は?
ドラゴンが隠れそうな場所は?
くまブリタニア百科事典“D”の項目に
そういった情報は掲載されているでしょうか?
重たい事典と格闘する名探偵テディちゃムズ!
と、ドラゴンくんは、
白い炎を、ぽふー!と噴いて
「ヒントなら、ぼく、持ってますー!」
~その3!に続く!~
あかあかと燃える暖炉、
テーブルの上の御馳走と、
友人たちとの団欒と。
今年こそ!
ああ、今年こそは、穏やかに年を越せるものと思っていた、
ここベイカー街で――
名探偵テディちゃムズは、
大晦日の夜に訪れた依頼人を目にして、
まあ、びっくり!

「きらぴかッ、だねェッ!」
シロクマのユキノジョン・H・ワトソン博士も、
「すごっ!」
そして虎くんは、
「ぐるる~がるる~…?」(←訳:きみは~もしや~…?)
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「そう!
ぼく、ドラゴン!」

「どらごんッ!」
「ひゃあ! ほんもの!」
「がるるぐるぐる!」(←訳:龍なんだよねっ!)
ええ、本物の龍。
ドラゴン。
名探偵テディちゃムズのもとへ、
やって来たのは、龍なのでした。
驚いたり、慌てたりしながらも、
テディちゃムズは龍に椅子と紅茶をすすめます。
それで、御用の向きは?
『ひとを探している』とのことでしたが……?
「はいっ!
ぼく、ダディを探してるんです!」
「だだッ? だでィッ??」
「それは、えーと、パパっ?」
「ぐるるぐるがるるる?」(←訳:お父さんドラゴン?)
「うん、実は……」
ぽわわ、と溜め息の代わりに小さな炎を吐いて、
ドラゴンくんは説明いたします。
半年も前の出来事だったでしょうか。
父ドラゴンは、
端役ではありましたけれど、
映画に出演するためロンドンへ行くと言って旅立ったきり、
音信不通になってしまいました。
ああ、ダディはどうしちゃったのだろう?
今どこに居るんだろう?
「ふんふんッ? それはァ、なんていうえいがァなのォ?」
ドラゴンくんいわく――
《魔法使いクマリー・ポッター》!
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おお!《クマリー・ポッター》!
世界的ヒット映画シリーズの最新作には、そういえば……
「あッたねッ、どらごんのォ、でてくるゥしーんがッ!」
「あのドラゴンさんが?」
「ぐるがるる?」(←訳:行方不明?)
人探しならぬ、ドラゴン探し?
名探偵テディちゃムズも、うう~む、と首を傾げます。
クマリー・ポッターの物語のように、
魔法の杖を一振りすればヒントが空から降ってくる、
という具合にはゆきません。
ドラゴンの習性は?
ドラゴンが隠れそうな場所は?
くまブリタニア百科事典“D”の項目に
そういった情報は掲載されているでしょうか?
重たい事典と格闘する名探偵テディちゃムズ!
と、ドラゴンくんは、
白い炎を、ぽふー!と噴いて
「ヒントなら、ぼく、持ってますー!」
~その3!に続く!~