テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

それは浜辺の、拾いもの。

2011-12-13 23:16:39 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 悩みに悩んだ末、今日は……インフルエンザの予防接種を受けてきましたよ~!
 2010年は接種後の副作用(副反応)にひどく苦しみましたが、
 今回は大丈夫! 寒気も吐き気もありませ~ん!

「こんにちわゥ、テディちゃでスッ!
 ちゅちゅちゅッ、ちゅうしゃァでスかッ、あわわッ!」
「がるる!ぐるがるぐるるがるるるー!」(←訳:虎です!痛くない注射があればー!)

 痛くない注射……
 風邪をソッコー治してくれる新薬……
 人間は、つい夢を見ちゃう生きもの、なんですね。
 では本日も、夢見がちな人間たちのドラマを、どうぞ~!

  


 
               ―― 女神のタクト ――


 
 著者は塩野武士(しおた・たけし)さん、2011年10月に発行されました。
 規格はずれ?な棋士さんたちを描いた『盤上のアルファ』で
 第五回小説現代長編新人賞、2011年の将棋ペンクラブ大賞を獲得した著者・塩野さんの、
 この御本が第二作となります。

「ふむふむゥ~、しょうぎのォ、おはなしィ、でスかァ?」
「がるぐるぐるるがる~!」(←訳:じゃないみたいだよ~!)

 風雲急を告げ、
 駒が乱れ飛ぶ舞台は、くるりと背景を変え、
 序章の幕が開けば……
 そこは明石海峡大橋を遠くに望む舞子海岸。
 輝く海。
 ボートの音。
 東の空にはカモメの群。
 のどかで平和な眺め、ですが……。

 でも、海岸に立って、主人公の矢吹明菜(やぶき・あきな)さんは
 自分の現状をこう表現するのです。

  《私は谷。谷底。》

「たッ? たにぞこォ??」
「ぐるるがるる~!」(←訳:なんか暗いよ~!)

 矢吹さんが少しばかり暗くなっちゃってるのも、無理はありません。
 現在、失業中。
 先日、彼氏と別れてしまいました。
 ここ舞子の海岸を歩いているのも、
 あてどない旅の途中、
 駅名に惹かれ、気まぐれに電車を降りたため。

 しかし。

 ぼんやり歩く砂浜で、
 矢吹さんは拾います。

「ひろいものォ?
 あはッ、わきゃッたでス! かいがらァ!」
「ぐるがるぐるっ?」(←訳:椰子の実とかっ?)

 いいえ、
 矢吹さんが拾ったのは、
 出会い、でした。

 和服姿で、イヤホンをつけ、砂の上にあぐらをかいて座っているおじいちゃん。
 さらなる気まぐれで、
 矢吹さんはそのおじいちゃんに
 話しかけてみます。

  何聴いてるんですか?

「えんかッ、かなァ~?」
「がるる?ぐる?」(←訳:都都逸?詩吟?)

 おじいちゃんが聴いていたのは、
 矢吹さんの心を揺さぶる“或るもの”でした。
 
 様々な記憶を呼び起こすそれを耳にした瞬間、
 気まぐれな出会いは運命的な出会いに変わります。
 眠っていた矢吹さんの、目を覚まさせる出会いに。

 ミステリ分野の作品ではありませんけれど(たぶん)、
 序章以降の展開は、どうぞ御本で!
 エンタ精神で突っ走る著者・塩田さんの、いえ、
 明日を見据える主人公・矢吹さんの、
 熱い右ストレートをビシバシ浴びてくださいな~♪

「じゃぶだッ、ふッくだッ!」
「がるるるぐるぐるがるるがるー!」(←訳:これボクシング漫画じゃないよー!)
 
 
コメント
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