テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

流れる曲は、やさしく、なつかしく?

2011-12-15 23:36:48 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 片付けものをしていましたら……何年か前に愛用していた服が出てきました。
 サイズ的に、きっともう着られないわよね~と思いつつ、
 トライしてみると……おおおっ!
 着れます! 問題なく着れちゃいましたよ~!(←喜びの舞!)

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 いッつァ、みらくるゥ~ッ!」
「がるる!がるるるぐる~る!」(←訳:虎です!信じられないよ~!)

 は~い、冷たい言葉は気にしませんことよ。
 上機嫌のまま、今日も読書タイ~ム!
 本日は、こちらを、どうぞ~!

  


 
              ―― メロディ・フェア ――


 
 著者は宮下奈都(みやした・なつ)さん、2011年1月に発行されました。
 前々回の記事で御紹介いたしました『女神のタクト』と共通しているのは、
 女性を主人公とした小説、という点ですね。

 主人公の、小宮山結乃(こみやま・よしの)さん。
 職業は、ビューティパートナーです。

「びゅーてぃぱーとなッ??」
「がるるぅる~?」(←訳:それなぁに~?)

 昔風の言い方をすれば、
 ああ、それ!と分かる御方もおられるでしょうか。
 美容部員さん、と。

 デパートや化粧品専門店のコスメ売り場などのカウンターで、
 接客を担当しているおねえさま方。
 化粧品会社の美容部員さんのことを、
 小宮山さんが勤務する会社では、
 ビューティパートナーと呼ぶようですよ。

「うむうむッ、きれいなァおねえさんッ、いッぱいィ、いまスッ!」
「がるるぐるるぐるる!」(←訳:皆さんカッコいいよね!)

 小宮山さんも、化粧品フロアの、カウンター内に立っています。
 場所は、東京、ではなくて、
 デパート、でもなくて。

 小宮山さんの故郷の、
 ショッピングモール。
 田園の中の、巨大なショッピングモールの化粧品コーナーが
 彼女の担当でした。

 配属先を聞かされたときは、
 小宮山さん、ずいぶんと憤ったものです。
 なぜデパートじゃないの?
 なぜショッピングセンター?
 花形は、なんといってもデパートの売り場なのに~!

「ふァ~、そういうものォでスかッ」
「がるぐる!」(←訳:複雑だね!)

 ワガママはいけない、
 背伸びもいけない、
 小宮山さんも、そう考えてはいるのです。
 そう、接客業って難しい。
 ショッピングモールへやって来るお客さまは、
 本当に百人百様、年代も好みも買い物の仕方もさまざま。
 先輩の美容部員さんを指名するお客さんの方が、断然多いし……。
 それにまた、化粧品を売るというこのお仕事にも、
 時々、いえ、いつも、
 迷いを感じざるを得ない……。

 よそおう。
 紅をさす。

 それは、ひとにとって、特別なことなのだ――

「まゆげをォ、かいてッ」
「ぐるぐるがるがる!」(←訳:睫毛もくるりん!)

 ショッピングモールに流れるのは『メロディ・フェア』。
 映画のテーマ音楽としてよく知られ、
 今も愛されている名曲に乗せて、
 小宮山さんの迷いは深まってゆくようですが――

 何百年も前には、こんな職業はなかったよね、
 こういうお仕事や、技術、職種も、
 昔むかしには無かったもの、だろうなあ。
 それが現在は……
 
 そんな風に《職業》を、
 また、日々の暮らしのあれこれを、
 新たに見つめ直させてくれる物語です。
 美容部員?
 オトコのオレには関係ないって~とは言わず、
 男性活字マニアさんも、一読を!

「めろでぃふぇあッ、よいィうたでス!」
「がるるぐるがるるるる~♪」(←訳:想い出しながら読んでね~♪)
 
 
コメント
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