テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

それは大事な、大事な。

2011-12-05 23:24:24 | ブックス
 こんにちは、ネーさです。
 ついにドラマ『坂の上の雲』第三部の放送が始まりましたね!

「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うたがァ、よいィのでスゥ~♪」
「がるる!ぐるがるぐるがるるるる!」(←訳:虎です!エンディングの歌だよ!)

 久石譲さん作曲、小山薫堂さん作詞の『Stand Alone』、
 ドラマのエンディングに流れるこの楽曲に、ぜひ耳を澄ませてくださいな~!
 では、ここからは本日の読書タイムの、始まり始まり~♪

  


 
                ―― 本を愛しなさい ――


 
 著者は長田弘さん、2007年4月に発行されました。
 表紙を飾るエドワード・ホッパーさんの画『Room in Brocklyn』が印象的なこちらの御本を、
 はて、どうジャンル分けしたらよいのでしょうか?
 私ネーさ、大いに迷っております。

「しょうせつゥ、でスかッ?」
「がるーぐるる?」(←訳:随筆ですかー?)

 ジャンル分け、なんて気にしてはいないのですが、
 書店さんで目当ての一冊を探し出そう!というときには、
 ある程度は把握していないと困る場合もあります。
 この御本について、
 著者の長田さんは巻末の『あとがき』に
 このように書いておられます。

   ―― わが愛する本とその書き手たちの肖像画を書きたい ――

 それが、この御本の十篇を書き継いだときの動機であった、と。
 また、
 
   ―― 肖像画は、小伝である。――

 とも述べておられます。
 ならば、
 『小伝記集』として御紹介するのが最適、かもしれませんね。

「ふむふむゥ、でんきィ~?」
「ぐるがるるがるるぐる~」(←訳:ノンフィクションかあ~)

 長田さんが愛する《本》の書き手さん、とは
 W・H・オーデンさん、
 ガートルード・スタインさん、
 コンラッド・エイキンさん、
 ベルトルト・ブレヒトさん、
 オルダス・ハックスリーさん……

 書き手さんたちの、
 一瞬を、一分を、一時間を、あるいは一生を切りとった『小伝』は、
 長田さんの眼差しの優しさに包まれていて、
 読んでいるうち、ふっと疑いたくなります。

 これは伝記なのだろうか?
 現実でありながら、
 本当の出来事というにはあまりに儚く、脆く、ぼんやりとやわらかく、
 8ミリフィルムのショートムービーを観ているかのような、
 現実離れした感覚が湧きあがる……?
 
「ふしぎなァ、よみごこちィッ!」
「がるるぐる!」(←訳:幻想的だね!)

 20世紀の文学史に名を刻み、
 いまもその言葉、その著作をもって世界を静かに動かす書き手――作家さんたち。

 私ネーさが惹かれたのは
 『ラニアンさん』という章です。
 ミュージカル『野郎どもと女たち』原作者のデイモン・ラニアンさんは、
 ニューヨークの街をこよなく愛した文筆家さんでした。
 日本ではラニアンさんはあまり知られておらず、
 邦訳作品はごく僅か……
 資料もないし……
 ラニアンさんてどんな人だったのかしら?と、
 常々もどかしい思いをしてきたのですが、
 この御本の『ラニアンさん』に出会えて、
 初めて作家デイモン・ラニアン氏の背中が見えてきたような気がします。
 そうだったんですか、
 ラニアンさんて、こういう御方だったんですか……。

「なぞがァ、ちょッぴりィ、とけましたでスゥ!」
「がるるるーぐるがるるぐるがる!」(←訳:解けたけど、まだまだ、奥は深いよ!)

 すべての活字マニアさんにおすすめしたいこの御本、
 『あとがき』の最後に著者・長田さんが記したこの言葉を掲げて、
 締め括ることといたしましょう。


   ―― 本を愛する人なしにこの本はなかった ――

 
コメント
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