テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

古代を、読む。

2017-05-04 22:17:13 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 てきちでェ、しょうりィ~!」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!完封です!)

 こんにちは、ネーさです。
 いただきました、アウェーゴール!
 確実に1勝を挙げた我らがユヴェントス、
 見えてきましたよ決勝の大舞台が!
 おっと、今から浮かれてはならじと自分を戒めつつ、
 さあ、GW只中の本日も、読書タイムを、どうぞ~♪

  



        ―― ギリシア人の物語Ⅱ ――



 著者は塩野七生(しおの・ななみ)さん、2017年1月に発行されました。
 《ギリシア人の物語》シリーズの二作目となるこの御本には、
 『民主政の成熟と崩壊』と巻題名が付されています。

「ふむふむッ! だいいッかんはァ、たたかいィでしたッ!」
「ぐるる!」(←訳:300!)

 そうですね、
 『Ⅰ』の《民主政のはじまり》では、
 映画『300(スリーハンドレッド)』でも描かれた
 ギリシア連合軍がアケメネス朝ペルシアと闘うペルシア戦役が
 《物語》の根幹となっていました。

 そして、この『Ⅱ』では、
 ひとりの政治家が《物語》の柱となっています。

 御本の表紙にもなっている、
 その人の名は――ペリクレスさん(紀元前495?~紀元前429年)。

「はなすじィ、まッすぐゥ!」
「がるぐるる!」(←訳:目元キリリ!)

 著者・塩野さんによれば、
 古代で三大美男とされていたのは、
 このアテネ生まれのペリクレスさんと、
 ソクラテスさんの弟子で政治家のアルキビアデスさん、
 そしてローマ帝国初代皇帝のアウグストゥスさん。

「ほほゥ? はんさむゥ?」
「ぐぅるがるるる!」(←訳:じゃあ人気者だ!)

 現代には、
 見た目が良くて女性に人気大、という政治家さんも
 おられるようですが、
 古代ギリシャもその点では似ています。

 容姿の美しさ。
 それこそがギリシア世界のアイドルになる条件!

「ふァ? ほんとにィ??」
「がるるぐるるぅ?」(←訳:それでいいのぉ?)

 周辺には都市国家がひしめき、
 ただし、“十人よればすぐさま二派に分れて争う”
 というギリシア人たち。

 ことに、アテナイの民衆は《理》を重んじます。
 
 美男政治家ペリクレスさんは
 そんな彼らを
 どうやって動かし、
 率いてゆくか。

「うむゥ! それはァ、きッとォ~」
「ぐる!」(←訳:演説!)

 ええ、演説の名手とは、まさに
 ペリクレスさんを指すものでしょう。

 言葉の力で、人々をまとめる。
 誘導させ、賛同させる――

 御本の第一部『ペリクレス時代』では、
 ペリクレスさんの驚異的な政治手腕が
 緻密に語られます。

「みんしゅゥしゅぎィ、はつどうゥしたのでス!」
「がるぐるるぐる!」(←訳:その影響は今も!)

 2000年を超えて世界に爪痕を残す大政治家、
 ペリクレスさん。

 しかし、その演説は現代でも政治家に手本とされるほどの
 偉人さんであろうとも、
 永遠の生命は持ち得ません。

 ペリクレスさんが没した後、
 都市アテネが進むのは?
 アテネのライバル都市たちが選ぶ道は?

「ううッ! あやしィかぜがッ?」
「ぐるるる!」(←訳:風雲急だ!)

 著者・塩野さんは古代ギリシアの政治、
 都市国家を俎上に乗せ、
 また、古代ギリシアの文化のありようも追いかけます。

 女性の社会進出なんて気配すらない、
 完全に男性が仕切る社会。

 だからこそ、ペリクレスさん以後のギリシア世界は
 より苛烈な政争・戦争へと染まってゆくのか……?

「びッくりのォ、せんそうつづきィ?」
「がるぐるるる!」(←訳:背筋冷えます!)

 歴史好きな御方は必読の力作です。
 時間をかけて、
 ゆっくり、じっくり、お読みくださいね!

 

 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする