テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

これぞ《フィクションの華》。

2017-05-23 22:12:00 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 にほんでもォ、はしッてまスよゥ~♪」
「がるる!ぐーるるーるがるる!」(←訳:虎です!ロードレース花盛り!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、現在イタリアではジロ・ディ・イタリアが、
 米国ではツアー・オブ・カリフォルニアが、
 そして日本でもツアー・オブ・ジャパンが開催中です。
 ああ、画像を眺めるだけでも溜め息しちゃうカッコよさ……
 自転車競技&ロードレースに興味をお持ちの御方は
 各ツアーのHP等をチェックしてくださいね。
 では、ここからは読書タイムを、どうぞ~♪
 
  



             ―― 花嫁首 ――



 著者は柴田錬三郎(しばた・れんざぶろう)さん、
 編者は末國善己(すえくに・よしみ)さん、2017年3月に発行されました。
 『眠狂四郎ミステリ傑作選』と副題が付されているこの御本は、
 剣士・眠狂四郎が推理のナタを振るう異色のミステリ短編集です。

「みすてりィなのはァ~」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:狂四郎さんの方かも)

 昭和のエンタ分野を代表する小説家
 柴田錬三郎さん(1917~1978)。

 その柴田さんが、一話ごとに工夫に工夫を重ねて発表し、
 大人気を博したのが
 《眠狂四郎》シリーズです。

「くふぅゥ?」
「がるるぐるる?」(←訳:例えばどんな?)

 1話の長さは、だいたい原稿用紙にして20枚。

 初めて読む人にとっても、
 設定やキャラが分かりやすい読み切り連載。

 内容は、政争ものあり、
 庶民の暮らしに題材をとったもの、怪異譚、
 剣豪や忍者との死闘、
 そうして本格ミステリもの、と
 バラエティに富んでいます。

 その中から、編者・末國さんが選り抜いたのが、
 この御本に収録されている21作品。

「たんていィやくはァ、もッちろんッ!」
「ぐるがるるぅる!」(←訳:眠のおじちゃん!)

 眠りのナントカなんていうと
 『名探偵コナン』くんみたいですけど、
 こちらの名探偵=眠狂四郎さんは
 コナンくんに眠らされる探偵さんとは違い、
 本物です。

 その凄味は、21作品のいずれからも
 月光のように冴え冴えと漂い来るものですが、
 柴田さんの作品も
 眠狂四郎さんの名も初めて聞いたわ!という
 ビギナーさんには、
 やはり表題作品『花嫁の首』がおすすめ、でしょうか。

「おめでたいィおしょうがつゥ、なのにィ~」
「がるぐる!」(←訳:緊急事態!)

 婚礼が行われたばかりの武家屋敷で、
 尋常ならざる異変が!

 花嫁さんの首が刎ねられ、
 代わりに置かれていたのは……罪人の首?!?

「ぎょえええェッ?」
「ぐるるるるる!」(←訳:めでたくない!)

 真相究明へ、
 敢然と挑む眠狂四郎さん。

 中編か長編にしてもいいほどに
 内容濃密な《謎》物語の結末は……?

「さすぺんすゥ!」
「がるるぅる!」(←訳:アクション!)

 フィクションの華ともいえる
 《眠狂四郎》シリーズ、
 しかし実は、確かな時代考証に裏打ちされた
 極上の時代小説でもあります。

 ノンフィクションより小説が好き!な活字マニアさんは
 ぜひ、一読を!
 柴田さんのファンの方々も、
 新たな視点で編まれたこの御本、
 書店さんで探してみてくださいな♪
 巻末の解説も必読です!



 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする