テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

まじめな顔で、歴史!

2017-05-11 22:16:53 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 きょうからァはァ、じてんしゃッ?」
「がるる!ぐるがる!」(←訳:虎です!ジロだね!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、ユーヴェのCL決勝進出が決まったので、
 ジロ・ディ・イタリア観戦にも本気を出さなくては。
 第100回を記念する今大会は、
 サルデーニャ→シチリア→今日11日からイタリア半島へ!
 初夏のイタリアの美しさに期待する一方で
 読書タイムも抜かりなく、
 本日はこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪

  



        ―― 中世英国人の仕事と生活 ――



 著者はテリー・ジョーンズさん、アラン・エレイラさん、
 原著は2004年に、画像の日本語版は2017年3月に発行されました。
 英語原題は『Terry Jones' Medieval Lives』……
 と聞いて、あれ?と思った御方!
 そう、そこの貴方! わかってらっしゃいますわね!

「ふァ?? わきゃるゥ?」
「がるぐるるる?」(←訳:何を分かるの?)

 実はね、著者のテリー・ジョーンズさん、
 執筆家としてよりも、
 もっともっと有名な、“或る顔”を持っています。

 その“顔”とは……

 モンティ・パイソン!

「ええッ? ぱいそんずゥ!?!」
「ぐるがるるるるる!》(←訳:あのパイソンズの!)

 もともとね、
 英国のコメデイー・グループ《モンティ・パイソン》のメンバーさんたちは
 オックスフォードやケンブリッジ出身の頭脳優秀&明晰な方ばかりで、
 ジョーンズさんは《モンティ・パイソン》の制作においても
 歴史をパロディ化した作品で役を演じたり、
 監督したりもしていたんです。

「じゃあァ、このォごほんもォ?」
「がるるぅ?」(←訳:コメディ?)

 いーえ、コメディではありません。
 真面目で、真剣な、歴史書です。

 この御本が英国で出版されたのは、
 同名のTVシリーズがBBCで放送された2004年のことで、
 共著者のアラン・エレイラさんは
 TVやラジオの歴史番組のプロデューサーさんでもあって、
 つまり、著者のお二人ともが
 立派な“歴史の専門家”さんです。

「ふむふむゥ! ふたりィしてェ~」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:歴史の真実を暴く!)

 暴く、というと大袈裟なような気がしますけど、
 ジョーンズさん、それに近いことをやっています。

 私たちが持つ中世のイメージ――

 それは、本当に正しいのか?

「……そうゥいわれるゥとォ~…」
「がるぐる~…」(←訳:自信ない~…)

 まず、英国の中世を、
 イングランドがノルマン人に征服された1066年から
 ヘンリー八世がローマ教会と袂を分かち
 国内の修道院を解散させた1536年までの、
 470年間を、中世、と考える。

 その時代、
 農民は、吟遊詩人は、無法者は、修道士は、
 哲学者は、騎士は、乙女は、王は、
 何を考え、どんな生活を送っていたのか?

「ほんとのォ、くらしィはァ?」
「ぐるるるがるる!」(←訳:予想外の想像外!)

 例えば、乙女――
 中世のうら若きお姫さまたちは、
 どこかに閉じ込められていたり、
 呪いをかけられて行動を制限されていたり、
 無力で、弱い者、なイメージで
 文学や絵画に登場します、が。

 そんなのはおとぎ話だと
 ジョーンズさんは言います。

 実際の乙女たちは、
 行動力あり、決断力あり、
 恋愛にも積極的!

「もふふゥ! あんしんッしましたでス!」
「がるるぐるがるぐる!」(←訳:中世の人も人間です!)

 映画や小説で描かれてきた中世観を、
 真面目な顔をしながら
 すとん!と引っくり返す
 ジョーンズさんの“技あり!”な筆に
 モンティ・パイソン好きな方々は
 きっとニヤリ♪とさせられることでしょう。

 歴史好きさん&ノンフィクション作品好きな方々にも
 もちろんおすすめのこの御本、
 どうかぜひ、一読を~♪

 
 
コメント
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