テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 舞台は廻る ~

2017-06-02 22:01:42 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 さらだァちきんッ、ぱくりィ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(←訳:虎です!いいよねコレ!)

 こんにちは、ネーさです。
 いま流行中のサラダチキン、
 我が家でも愛食しておりますが、
 美味しくて高タンパク低カロリーって
 そりゃボクサーさんたちも食べる訳よね。
 今日はスモーク風味のチキンをパンに挟んでパクっとかじりながら、
 さあ、読書タイムと参りましょう~♪

  



       ―― Dの殺人事件、まことに恐ろしきは ――



 著者は歌野晶午(うたの・しょうご)さん、2016年10月に発行されました。
 2016年度のベストミステリランキングにも上位進出したこの御本は、
 題名からもお分かりのように、
 江戸川乱歩さんのパロディ、
 いえ、違うわね、
 パルティーシュ……でもないし、
 敢えて言うなら――

「りらいとォ?」
「ぐるるー?」(←訳:リカバー?)
「りふれッしゅゥ?」

 この御本に収録されているのは、七つの短編作品です。
 収録順に、

 『椅子? 人間!』
 『スマホと旅する男』
 『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』
 『《お勢登場》を読んだ男』
 『赤い部屋はいかにリフォームされたか?』
 『陰獣幻戯』
 『人でなしの恋からはじまる物語』。

 ↑これらの作品の“底本”ならぬ“底話”となっているのは、

 『人間椅子』
 『押絵と旅する男』
 『D坂の殺人事件』
 『お勢登場』
 『赤い部屋』
 『陰獣』
 『人でなしの恋』

 であることは申すまでもありません。
 
 乱歩さんの作品を、
 舞台を現代に移し、
 オリジナルストーリーをリスペクトしつつも、
 著者・歌野さんの筆遣いで描き直せば……

「けッこうゥ、こわいィ~でスよゥ!」
「がるるるぐるる!」(←訳:ミステリなのに!)

 乱歩さんの原作にも
 “恐怖”の気配は濃厚でしたが、
 歌野さんによるアレンジはホラー的な“恐怖”の味付けよりも
 映画監督A・ヒッチコックさんの
 タッチに近いものがあるかもしれません。
 例えば――

 『赤い部屋はいかにリフォームされたか』は、
 登場人物たちにも
 乱歩さんの原作『赤い部屋』を意識させながら、
 粛々と進行してゆく“舞台劇”です。

「かんきゃくゥせきはァ、まんいんッ!」
「ぐるるるるがるぐるるる!」(←訳:役者さんも名演してます!)

 東京・目黒にある小劇場では
 舞台版『赤い部屋』が上演されています。

 舞台、ですから、
 そこにはもちろん、台本があるわけで、
 何が起こるか、
 どの役者さんがどんな台詞を喋るのか、
 決まっている、のですけれど。

 幕が進むにつれ、
 台詞も、場面も、ズレてゆく……?

 台本にはない出来事が、次々と……?

「よていィがいィ??」
「がるぐるる?」(←訳:収束不可能?)

 主役さんたちがさんざん振り回されたりアタフタしたり、の
 映画『裏窓』や『泥棒成金』を想わせる
 サスペンスフルな物語の結末は――

 どうか皆さま、御自身の眼で!

「まことにィ~!」
「ぐるるがる!」(←訳:恐ろし怖し!)

 表題作品『Dの殺人事件、まことに恐ろしきは』や
 『椅子? 人間!』
 『人でなしの恋からはじめる物語』も
 ミステリ好きさんに、
 そしてヒッチコックさんのファンの方々に
 おすすめの怪柞です。
 ぜひ、一読してみてくださいな~♪
 

 
コメント
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