テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 《観光の世紀》を開く ~

2017-06-23 22:03:05 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 せんしゅけんッ、かいさいちゅゥ~!」
「がるる!ぐぅるるるがるる!」(←訳:虎です!チャンプを目指せ!)

 こんにちは、ネーさです。
 もうじきツール・ド・フランス!というこのシーズンは
 各国で自転車競技の選手権が催行される時期でもありますよ。
 日本では、今年は青森県で全日本選手権の各競技が激闘中です。
 これからの一年間、栄えあるナショナルジャージをまとうのは誰なのか?
 速報を待ちながら、
 さあ、読書タイムも頑張りましょう!
 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  



      ―― アガサ・クリスティーの大英帝国 ――



 著者は東秀紀(あずま・ひでき)さん、2017年5月に発行されました。
 『名作ミステリと《観光》の時代』と副題が付されています。

「ふァいッ! くりすてィさんとォ、いえばァ~」
「ぐるるがる!」(←訳:ポアロさん!)

 ええ、そうですね、
 私たちが何かにつけ、リスペクトしつつも
 申し訳ないことにネタにしちゃってるシャーロック・ホームズさんが
 コナン・ドイルさんの作品を代表する名探偵であるのなら、
 エルキュール・ポアロさんは
 作家アガサ・クリスティーさんの代名詞ともいうべき
 偉大なる探偵さんです。

 評論家さんによっては、
 ポアロさんの方がホームズさんより優れている、と
 称賛される名探偵ポアロさん――

 彼はまた、いえ、ポアロさんのみならず、
 クリスティーさんの作品に登場する探偵さんたちは、
 大の旅行愛好家でもありました。

「おりえんとォ~きゅうこうゥでッ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:トルコやイラクへ!)

 20世紀前半、つまり第二次世界大戦が勃発するまでは、
 ポアロさんは様々な国、都市へ出かけたものでした。

 特に、考古学好きな著者クリスティーさんが興味を抱いた
 中東の都市へ、遺跡発掘の現場へ、と
 ポアロさんは旅をします。

「みすてりィとォ、りょこうゥ!」
「ぐるがるる~!」(←訳:良い組合せ~!)

 著者・東さんは
 現代の日本でも大人気の《旅行ミステリ》のルーツを、
 というか、ひとつの起点を、
 クリスティーさんの作品に見出します。

 そして、世界大戦が終わった後、
 20世紀後半を背景とする作品では、
 《旅行ミステリ》の主人公は、
 ポアロさんからミス・マープルへと
 変化してゆくことも。

「かしこいィ、ろうふじんさんッ!」
「がるるるるるる!(←訳:目敏いんだよね!)

 ミス・マープルの旅先は、
 ポアロさんとは違って、国内が殆ど。

 カリブ海へも行ったりしたんですけど、
 老婦人が編み物をしながら、
 人間観察をしながら、の旅行は、
 やはり、国内がしっくりきます。

「こくないィりょこうゥはァ、きがるゥだしィ!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:観察力も冴えるし!)

 旅から、ヒトは何を汲み上げるのか。
 自宅では見られない風景を前にして、
 そんな“異郷”で犯罪事件と出会ったら、
 何を思うのか。

 旅という、
 “もの想う”ことの多い特別な出来事の中では、
 《謎(=ミステリ)》は
 人をどう動かすのか。

 ポアロさんが、マープルさんが、
 旅を好んだ理由とは。

「しらないィくにへッ!」
「がるるるる!」(←訳:知らない町へ!)

 旅好きさん、
 探偵小説好きな活字マニアさんにおすすめの
 ミステリ評論を、
 皆さまも、ぜひ♪
 
 
コメント
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