テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

過去から、そして?

2017-06-15 22:01:20 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 ふおォ? これはァ、あさもやァ?」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!お山もぼんやり!)

 こんにちは、ネーさです。
 今朝の関東地方は靄が発生した地域も多かったようですね。
 水墨画のような白い薄靄はすぐ消えてしまいましたが、
 本日の読書タイムで御紹介いたしすのは、
 儚く、しかし強靱な、《古典》の美!
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  



            ―― 茶の湯 ――



 『別冊太陽 日本のこころ251』は、2017年6月に発行されました。
 『時代とともに生きた美』と副題が付された創刊45周年を記念する今号は、
 つい先日(6月4日)まで上野の東京国立博物館で開催されていた
 『特別展示 茶の湯』の関連本でもありますね。

「だいきぼなァてんらんかいィ、でしたでス!」
「ぐるがるる!」(←訳:国宝だらけ!)

 そうね、
 御本の表紙になっている志野茶碗も国宝ですし、
 他にも国宝の曜変天目、
 国宝の青磁花入、
 国宝の大井戸茶碗、と
 日本の茶文化の極みと言えるお道具たちがつどった展覧会は
 美術界の話題となりました。

   その展覧会を紙上で再現してしまおう!

 というような意気込みが感じられるのが、
 まさにこの別冊太陽版『茶の湯』です。

「おしゃしんッ、きれいィでス!」
「がるるぐる!」(←訳:資料も多数!)

 精度の高い写真資料の魅力をいっそう引き立てるのが、
 充実した解説の文章とコラムです。

 御本冒頭の、

 《茶の心をたずねる――茶の湯名言により》

 に始まり、

 第一章《茶の湯の歴史》

 第二章《わび茶の大成》

 第三章《武家の茶》

 第四章《茶道への展開と利休の道統》

 第五章《近代の茶道》

 と続く本文、
 林家晴三さんと千宗屋さんの対談を順に読んでゆけば、
 中世~近代の日本史と《茶》の係わりが
 遠望できる――かもしれません。

「おちゃのォ、せかいィはァ~」
「ぐるがる!」(←訳:広大です!)

 私ネーさの個人的な好みではありますけれど、
 巻末近くに収録されているエッセイ作品も
 ひどく考えさせられるものでしたよ。

 作家の葉室麟さん著『お茶の作法』、
 建築家の藤森輝信さん著『茶室の外観はなぜ印象に残らないのか』、
 大徳寺第五百三十世・泉田玉堂さん著『《茶禅一味》の心』――

 正面から、そして核心から、
 《茶とは?》と問う、
 深遠な文章です。

「こたえはァ、どこにィ?」
「がるるぐるる!」(←訳:近くて遠くに!)

 それにしても、
 《茶の湯》って不思議です。

   未来永劫、なくならない――

 もし、そんなものがあるとすれば、
 それは《茶》の世界なのではないか。

 AIだの量子コンピューターだの、
 最新&最先端の技術がどうなろうと、
 ヒトが生存し続ける限り、
 いえ、ヒトが消え去ったとしても、
 《茶》が滅びることはないのでは……?

「ひゃくねんッ、にひゃくねんッ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:未来で生きる!)

 読み物としても
 茶道具の写真集としても楽しめるこの一冊、
 皆さま、ぜひ、手に取ってみてくださいな♪
 
 

 
コメント
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