テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 幸福なラジオデイズ ―

2017-06-29 21:54:09 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうすぐゥ? もうすぐゥ!」
「がるる!ぐるるるがる!」(↓訳:虎です!もうすぐ開幕!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、今週末から開幕するのは、
 ロードレースの華、グランツールの中のグランツール、
 《ツール・ド・フランス2017》!!
 きっと今頃は前日イベントの準備真っ最中ね~♪
 などと想像したりしながら、
 読書タイムも幕開けいたしますよ。
 本日は、こちらのエッセイ作品を、どうぞ~!
 
  



           ―― 幸せな裏方 ――



 著者は藤井青銅(ふじい・せいどう)さん、2017年3月に発行されました。
 23歳の時、第一回『星新一ショートショート・コンテスト』に入賞し、
 以降は作家・脚本家・放送作家として、
 また新作落語の作者さんとしても大活躍している著者・藤井さんの、
 “お仕事の裏側”を活写したエッセイ集です。

「ひょうしィのォ、いらすとはァ~…」
「ぐるるるがるるる?」(←訳:ラジオのスタジオ??)

 ええ、そうなんです。
 藤井さん、ラジオドラマの脚本家さんとしても
 輝かしい経歴をお持ちなのよ!

 特に、読み手の方々に
 えええっ?と驚いて欲しいのは御本の第二章、
 『ちょっとだけ、はみ出して ――大瀧さんの想い出』。

 私ネーさ、心底仰天しました。
 手も震えました。
 だってね、
 藤井さんたら↓こんなラジオドラマ作ってたって言うのよ!

  《マイケルジャクソン出世太閤記》

   原案・小林信彦さん
   脚本・藤井青銅さん
   演出・大瀧詠一さん
   出演・片岡鶴太郎さん、谷啓さん、
   1984年、ニッポン放送にてオンエア――

「きゃッほゥ!」
「がるるっ!」(←訳:すごいっ!)

 聴きたい。聴きたいです、このドラマ!
 音源は販売してるのかしら? 配信とかあるの?
 おっとと、脱線せずに先へ進みましょう。
 
 ラジオ史に於いて“伝説”となっているこのドラマをはじめ、
 藤井さんと大瀧詠一さんは
 幾つものお仕事でタッグを組んでいます。

 アメリカでヒットした『ロックを踊る宇宙人』の替え歌を
 大瀧さんと作る!(不採用になりましたが)

 『はっぴいえんど再結成特番』の脚本を書く。

 『さらばシベリア鉄道』制作の背景を
 大瀧さんからこっそり打ち明けられる……

「なんてェ、うらやましィ!」
「ぐるるがるぅる!」(←訳:溜め息しちゃう!)

 ぼくの作詞の先生は、大瀧詠一さんだ――

 敬愛と思慕をこめて断言する藤井さんの、
 携帯電話がまだ無い時代の、
 混沌としつつも、どこかおおらかで、
 のびしろたっぷりのラジオの世界。
 
 他の章でもまた、
 藤井さんが語るお仕事の裏側話は、
 萩本欽一さんの特番を担当した時の緊張、
 『風の谷のナウシカ』公開に際してラジオ特番を書き、
 ライトノベルの走りともいえるジュブナイル小説を著し、 
 『マモー・ミモー 野望のテーマ』を作詞し、
 『全国ゆるパイ展』のキュレーターを務め、
 プレステのゲームのシナリオを作り……

「ふわわッ! はちめんッろッぴィ!」
「がるぐるっる!」(←訳:ゆるパイって!)

 目立たない、
 アーティストさんのスタッフの一員として。

 しかし、なくてはならない存在として。

 スターさんたちをいっそう輝かせる裏方としての日々。

 それは、やっぱり『幸せ』に他ならない――

「だれもォ、かわりにィなれませんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:最良の裏方!)

 大瀧詠一さんのファンの方々は必読の御本です。
 『さらばシベリア鉄道』を聴きながら、
 皆さま、ぜひぜひ、一読を♪
 
 
 
コメント
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