テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《最強》に、ため息…。

2017-12-04 22:21:54 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 すーぱーむーんッ、すごかッたでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるるる……!」(←訳:虎です!背中がゾクゾク……!)

 こんにちは、ネーさです。
 通常の満月より大きくて明るい昨夜のスーパームーン、
 夜空の王様!っていう感じでしたね。
 本日の読書タイムでは、
 王様ならぬ女王様、
 いえ、女王様よりもおっそろしい女性たちを主題とする
 こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  



           ―― 最強の女 ――



 著者は鹿島茂(かしま・しげる)さん、2017年10月に発行されました。
 『LA FEMME LA PLUS FORTE』と仏語題名が、
 『ニーチェ、サン=テグジュペリ、ダリ…天才たちを虜にした五人の女神』
 と日本語副題が付されています。

「わんりょくゥがァ、さいきょうゥッ??」
「ぐるるるがるるぅるる?」(←訳:知力最強なんじゃない?)

 この御本で、著者・鹿島さんが取り上げているのは、
 五人の女性――

 はたして彼女たちは、
 腕力が最強だったのかというと、
 まさかそんなこと、あるはずもなく。

 では知力が最強であったのかというなら、
 それもどうかなぁ?と思われ。

 ただ、間違いないのは。

 胆力!

 この世でどんな困難に遭おうとも、
 自分を見捨てず、
 明日があることを決して諦めない
 胆力を備えていた、ということでしょうか。

「だからァ、さいきょうゥ、でスかッ?」
「がるるるぐるがる!」(←訳:影響力も最強だよ!)

 この御本には、5人の女性が登場します。

  作家サン=テグジュペリさんの婚約者であった
  ルイーズ・ド・ヴィルラモンさん。

  美術家マン・レイさんのミューズであった、
  リー・ミラーさん。

  医学者フロイトさんとニーチェさんの“恋人”、
  ルー・ザロメさん。

  世紀末の戯曲家さんや詩人さんたちの霊感の源?となった
  マリ・ド・エレディアさん。

  画家ダリさんの女神、
  エレーナ・ディアコノワさんこと、ガラさん。

 5人の顔触れの中で、
 いちばん有名なのは、ガラさん、かしらね?

「だりィさんがァ、えがいてまスよゥ!」
「ぐるるるがるる!」(←訳:幾つもの作品に!)

 写真好きさんは、
 マン・レイさんが撮影したリー・ミラーさんのポートレートを
 きっと御存知ですよね。

 ベルエポックの名花と謳われたマリ・ド・エレディアさんは、
 歴史好きさんならばその名を知っているでしょうか。

 ならば、“最も無名”なのは、
 ルイーズ・ド・ヴィルラモンさん、かもしれません、が。

 実は、“最も幅広い年代に知られている”点では、
 ルイーズさんが最強であるとも言えるのです。

「はばひろいィ~ねんだいィ?」
「がるるぐるるるっるがる?」(←訳:大人も子どももってこと?)

 児童書でありながら、
 多くの大人をも魅了する書物――『星の王子さま』。

 本国フランスはもとより、
 世界中で読まれている20世紀文学を代表する、
 あの作品のヒロインは、美しいバラの花でした……。

「じゃあッ! あのォおはなはッ?」
「ぐるーるがる?」(←訳:ルイーズさん?)

 相思相愛の若き恋人たちは、
 婚約し、明るい未来を思い描き。

 しかし、私たちは既に知っています。

 ルイーズさんは、
 サン=テグジュペリさんの永遠の伴侶にはならなかった事実を。

 では、サン=テグジュペリさんとの婚約破棄後、
 ッルイーズさんはどんな生涯を送ったのか?

「うむむゥ! れきしィどらまッ、なのでス!」
「がるるるるぐるるるるる!」(←訳:長編映画にしたいような!)

 20世紀最強の女(のひとり)、と
 著者・鹿島さんが讃えるルイーズさんの物語は
 第一章『ルイーズ・ド・ヴィルラモン』に著されています。

 もちろん、他の賞もおすすめですけれど、
 この第一章は、もう必読!!

 活字マニアの皆さま、
 どうか、読み逃がしなきよう♪

 
 
 
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