テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《神話》に、仕掛けあり。

2017-12-21 22:13:01 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 よォしッ! べすとォえいとゥ~しんしゅつゥ!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!行くぞ決勝!)

 こんにちは、ネーさです。
 イタリア杯(コッパ・イタリア)でユヴェントスはジェノアに勝利!
 BEST8へとコマを進めましたよ♪
 年明けに行われる準々決勝戦を楽しみにしながら、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



          ―― パーマネント神喜劇 ――



 著者は万城目学(まきめ・まなぶ)さん、2017年6月に発行されました。
 『神喜劇』には『しんきげき』とルビがふってありますから、
 うんうん、これはきっと、
 著者・万城目さん久々の笑えるお話なのね♪
 中川学さんによる御本の表紙の装画の、
 DNA二重らせん的な派手派手シャツのおじさんも――

「ふァいッ! これはァ、まるでッ」
「ぐるるるがるるるっる!」(←訳:ヨシモトみたいでっす!)

 そうよね、新喜劇なんでしょうね、
 と、油断していたら。

 あかん。泣いてもうた。

「えッ?」
「がるっ?」(←訳:ええっ?)

 ええ、号泣必至の大悲劇じゃないんですよ。
 たぶんね、ホントに新喜劇を意識しての
 “神”喜劇なんでしょうけれど、
 泣かせどころっていうのかしら、
 著者・万城目さんは心得ておられるのよねえ。

 何が、読み手のこころを動かすのかってことを。

「それでェ、ついついィ~?」
「ぐるがるるるぅるぐるるる?」(←訳:涙腺ゆるんじゃうのですか?)

 この御本は4つの作品から構成されていて、
 収録順に、

 『はじめの一歩』
 『当たり屋』
 『トシ&シュン』
 『パーマネント神喜劇』
 
 となっていますが、
 表題作品の『パーマネント神喜劇』に
 凄味が収斂しています。

 それは、
 ある地の、
 ある町におわす一柱の神さまのものがたり――

「かみさまァ、なんだけどォ~」
「がるるるぐるがるる!」(←訳:いろいろ大変なんだ!)

 その神さま、まさに御本の表紙の、
 “小太りの中年男性”ではありますが、
 千年の歴史を有する《縁結び》の神社の神さま、なんです。

   縁結び……恋の神さま?
   このおじ、いえ失礼、この御方が?

 その先入観は、半分当たり、半分ハズレます。

 『はじめの一歩』では、
 まあまあ、縁結びの神さまらしいところも
 見受けられたものの……

「どんどんッ、ずれてゆくゥ~??」
「ぐるるがるるぅ?」(←訳:どこが縁結びぃ?)

 そうして、
 ヒトの運命を操ってナンボの神さまをやがて襲うのは、
 神さまにも予想できない
 あれよあれよの展開。

 神さまの命運や如何に?

「かッ、かみさまもォ~」
「がるるるるぐるるる??」(←訳:こんな目に遭うんだ??)

 ミステリの要素も織り込まれているため、
 これ以上詳しくはお喋りできません。
 でも。

 あれよあれよののち、
 4作目『パーマネント神喜劇』で、
 パズルのピースがぴたっ!と嵌るのを
 この眼で見届けた瞬間の、
 なんという喜び!

「よろこばしくもォ~めでたいッ!」
「がるる!」(←訳:神喜劇!)

 また、どこにとは申しません、申しませんけどね、
 万城目さんの他の著作も読んでおられるファンの方々には
 嬉しい仕掛けというか細工が施されておりまして、
 たいそう笑わされ、泣かされてしまいました。

 さらにまた、
 物語と同様に、
 カバーにも仕掛けが織り込ま、いえ、
 折り込まれているこの御本、
 ミステリ好きさんに、
 歴史好きな活字マニアさんにも激おすすめですよ。
 どうかぜひ、一読を~♪
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする