テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― いずこぞ、春 ―

2017-12-24 22:13:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 きたさんぶらッくゥ、やりましたでス!」
「がるる!ぐるがるるー!」(←訳:虎です!花道でしたー!)

 こんにちは、ネーさです。
 ユヴェントスがローマに勝利し、
 キタサンブラックくんが見事に花道を飾ったクリスマス・イヴは、
 例年でしたら聖夜っぽいお写真をUPしているんですけど、
 本日はスペシャルな読書タイムとお送りいたしましょう。
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
          ―― この世の春 上 ――



 著者は宮部みゆきさん、2017年8月に発行されました。
 宮部さんの作家生活30周年を記念する大作ミステリの、
 こちらは上巻になりますね。

「みすてりィ、でスかァ?」
「ぐるるがるるるぐる?」(←訳:表紙は時代モノだよ?)

 そうね、表紙の装画と本文中の挿絵は、
 こよりさんによる美しい和調の作品で、
 人物像の衣服から、
 ああ江戸時代のお話なのだなぁと
 ページを捲る前から分かりますが。

 時代小説の体裁を採りながら、
 これはやはり、
 宮部さんらし~い重厚なミステリ作品!

「ふむふむゥ、それでェ~?」
「がるるるぐる?」(←訳:お江戸のいつ?)

 ええ、江戸時代って長いんですものね、
 初期と中期と末期では
 政治も文化も人の暮らしの在り様も
 大きく違ってきます。

 御本の冒頭で、
 はっきり記されているのは、
 この物語は宝永七年(1710年)の
 皐月(5月)夜半の出来事――

 この時、江戸のお城で将軍の座に就いているのは、
 第六代の家宣(いえのぶ)さんです。

「いえのぶさんッでスかァ~…」
「ぐるるるるがるぐる!」(←訳:綱吉さんの次代だね!)

 戦国時代はもはや遠く、記憶も薄れ、
 平和が行き渡っている時代です。

 しかし、行き渡っている平和に、
 裏も表もないのかというと、
 そうとも限らないのでした。

 表立って戦争が無くなったとしても、
 生活の裏側で争いが、
 笑顔の陰で暗闘が、
 なくなったとは、限らない――

「いくさァ、でスかッ?」
「がるるぐるるっ?」(←訳:どこでどこでっ?)

 下野(しもつけ)の
 北見(きたみ)藩、
 禄高は2万石。

 この北見家で、
 或る日、藩主が替わります。

 六代藩主・重興(しげおき)さんから、
 七代藩主・尚正(なおまさ)さんへ。

「だいがわりィ?」
「ぐるるるるがる?」(←訳:珍しくないよね?)

 そう、大名家では様々な事情で
 代替わりが行われます。

 藩主さんの急逝や、
 老齢のため子や孫に大名位を譲る、など
 まさに“家それぞれ”ですが。

 病気を理由にしての、
 藩主押込(おしこめ)というのは、
 非常に稀なことです。

 押込を、現代風に言うなら
 軟禁……なんですから。

「ええッ? そんなのォ、いいのッ?」
「がるるるぐぅっるる?」(←訳:閉じ込めちゃったの?)

 家臣によって
 君主が強制的に隠居させられ、軟禁される。

 それはもちろん、
 家臣さんたちが事前に幕府上部に根回しした上で
 一気呵成に為された
 “英断”であり
 “暴挙”でもあったのでしょうけれど。

 なぜ?
 
「ううゥ~むゥ?」
「ぐるがるる?」(←訳:何故だろう?)

 その疑問を、謎を、
 ふりほどきにかかる上下2巻、
 今回はさわりをちょこっとだけ御紹介いたしました。

 次回は、もうちょっと踏み込んで
 粗筋をお喋りしたしますので、
 待っててくださいね~♪



 
コメント
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