ここはロンドン、ベーカー街。
大晦日の夜も更けてゆき、
さあ、毎年恒例の新春特別企画が始まろうとしている、
この瞬間に。
ベーカー街221Bの下宿では、
名探偵テディちゃムズと
友人の虎くんが
年越しパーティー!……の仕度をちょうど整えたところ、でございます。
「ろーすとォびーふゥ、おッけいィ!」
「がるるるぐるるる!」(←訳:ベイクドポテトも!)
「あついィこうちゃもッ!」
「ぐるがーるる!」(←訳:蜂蜜ケーキも!)
テーブルに御馳走が並んで、
客人たちはまだだろうかと待っているそこへ。
おお、足音が響きます。
ドスンドスンと、階段を登ってくるあのリズムは――
「はっはっはっ♪
やあっ、しょくん! 2じかんも、はやくついちゃったよ~」
おお、名探偵テディちゃムズの盟友、
ユキノジョン・H・ワトソン博士ではありませんか!
……ん?
2時間も早く着いた、ですって?
それに、ユキノジョン・H・ワトソン博士の後ろに
ちょろっと姿が見えているのは?
「皆さん、お招きありがとう!」
ああ、はいはい、
テディちゃムズと虎くんは招待状を送っておいたんですよね、
2018年の干支の、戌(いぬ)くんに。
「ごめんね、ボク遅刻しちゃった」
戌くん、申し訳なさそうにしておりますが、
あれれ?と
テディちゃムズと虎くん、
顔を見合わせました。
午前零時に開始予定の年越しパーティに、
ユキノジョン・H・ワトソン博士は
2時間も早く着いたと言い、
片や、同時に到着した戌くんは
遅刻してしまったと言うなんて?
「むむむゥ! これはァ!」
名探偵テディちゃムズ、
ハッカパイプ(駄菓子屋さんにて購入)をサッとくわえ、
おもむろに頷きます。
「じけんのォ、においィだッ!」
かくして、またしても幕が上がりました。
お気楽クマ探偵と友人たちによる
新春ミニストーリー、
今回はどんなおバカをやらかし、いえ、
どんな難事件を解決してくれるのでしょうか?
~その2!に続く~