テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

2018!新春特別企画♪《時間泥棒を逮捕せよ》その3!

2018-01-02 22:00:06 | 2018!新春特別企画♪
 おめで……あれっ?
 新年おめで……あれれっ?

 ロンドンの街角のそこここで、
 クマたちは互いの時計を覗き合い、
 教会から響くはずの時を告げる鐘の音を待ちますが、
 新春特別企画その3!に到っても、
 カウントダウンが始まる気配はありません。

「しょくんッ!
 われわれのォ、でばんだッ!」

 名探偵テディちゃムズ、
 友人の虎くん、盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士、
 2018年の干支・戌(いぬ)くんとともに、
 ベイカー街221Bの下宿を走り出ました。

「じかんどろぼうゥをォ、つかまえなくちゃッ!」
 
  

「それでェ、テディちゃムズ、
 どこにいるんだい、その――」
「がるぐるる?」(←訳:時間泥棒は?)
「近くにいるの?」

 ユキノジョン・H・ワトソン博士、虎君、戌くんは
 走りながら訊いてみましたよ。

「うんッ!
 こうほちィはァ、にかしょッ!」

 テディちゃムズが申しますに。

 時をつかさどる“聖地”は、
 ロンドン市内に2ヶ所ある、とか。

 まずは、長い歴史を持つ
 ロンドンシティの古刹、
 セント・ポール寺院のささやきの回廊。

 囁き声ひとつとて拾い上げる名高い回廊と寺院の鐘は、
 シティエリアの“時の聖地”。

 そして、シティより歴史は浅いものの、
 議事堂を足元に従える
 大時計ビッグ・ベンはロンドン全体の“時報の聖地”。

 そのビツグ・ベンは、ただいま補修工事中で
 見学が中止されており、観光客もいない――

「そうか! そっちだね!」

 名探偵一行、ぱたぱたぱたと向かいます。
 テムズ河畔の、国会議事堂の方角へ。
 
「おっ! ほっとわいん!」
「焼きリンゴ!」
「ぐるるる!」(←訳:苺大福だ!)

 大通りや広場には
 カウントダウン客目当ての屋台が出ていて、
 ああ、空きっ腹がグーと鳴ります。
 どうでしょう、ここらで温かい飲み物など?

「じけんかいけつゥがァ、さきだァ!」

 はい、ごもっとも(ため息……)。

 美味しそうな屋台フードへの渇望を抑え、
 ビック・ベンの入り口に到着した一行、
 名探偵の顔パスで入館を許され、
 時計台の上層への長い長~い階段を、
 ふぅふぅ息を切らして登りに登り、
 ようやく鐘の管理室に踏み入ってみれば。

  

「あんっ?
 なんじゃ、おまえらぁ?」

 鐘の横には、怪しいモノ影!

  

「がるっ!ぐるるぅ!」(←訳:ああっ!お前はぁ!)

 真っ先にモノ影の正体を見分けたのは、
 なんと、虎くん?
 
「ぐるるるがるるるぐる!」(←訳:詐欺師のモラワン大佐!)

 そうだったのか!とユキノジョン・H・ワトソン博士は
 膝を打ちました。

 犯罪界のナポレオンクマ、
 悪の権化と恐れられるクマリアティ教授。
 その教授の右腕にして、
 “ロンドンで2番目に危険なヤツ”と
 かつて名探偵テディちゃムズに言わしめた悪漢が、
 この事件の黒幕……なのですね?


  ~ その4!に続く ~


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