おめで……あれっ?
新年おめで……あれれっ?
ロンドンの街角のそこここで、
クマたちは互いの時計を覗き合い、
教会から響くはずの時を告げる鐘の音を待ちますが、
新春特別企画その3!に到っても、
カウントダウンが始まる気配はありません。
「しょくんッ!
われわれのォ、でばんだッ!」
名探偵テディちゃムズ、
友人の虎くん、盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士、
2018年の干支・戌(いぬ)くんとともに、
ベイカー街221Bの下宿を走り出ました。
「じかんどろぼうゥをォ、つかまえなくちゃッ!」
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「それでェ、テディちゃムズ、
どこにいるんだい、その――」
「がるぐるる?」(←訳:時間泥棒は?)
「近くにいるの?」
ユキノジョン・H・ワトソン博士、虎君、戌くんは
走りながら訊いてみましたよ。
「うんッ!
こうほちィはァ、にかしょッ!」
テディちゃムズが申しますに。
時をつかさどる“聖地”は、
ロンドン市内に2ヶ所ある、とか。
まずは、長い歴史を持つ
ロンドンシティの古刹、
セント・ポール寺院のささやきの回廊。
囁き声ひとつとて拾い上げる名高い回廊と寺院の鐘は、
シティエリアの“時の聖地”。
そして、シティより歴史は浅いものの、
議事堂を足元に従える
大時計ビッグ・ベンはロンドン全体の“時報の聖地”。
そのビツグ・ベンは、ただいま補修工事中で
見学が中止されており、観光客もいない――
「そうか! そっちだね!」
名探偵一行、ぱたぱたぱたと向かいます。
テムズ河畔の、国会議事堂の方角へ。
「おっ! ほっとわいん!」
「焼きリンゴ!」
「ぐるるる!」(←訳:苺大福だ!)
大通りや広場には
カウントダウン客目当ての屋台が出ていて、
ああ、空きっ腹がグーと鳴ります。
どうでしょう、ここらで温かい飲み物など?
「じけんかいけつゥがァ、さきだァ!」
はい、ごもっとも(ため息……)。
美味しそうな屋台フードへの渇望を抑え、
ビック・ベンの入り口に到着した一行、
名探偵の顔パスで入館を許され、
時計台の上層への長い長~い階段を、
ふぅふぅ息を切らして登りに登り、
ようやく鐘の管理室に踏み入ってみれば。
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「あんっ?
なんじゃ、おまえらぁ?」
鐘の横には、怪しいモノ影!
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「がるっ!ぐるるぅ!」(←訳:ああっ!お前はぁ!)
真っ先にモノ影の正体を見分けたのは、
なんと、虎くん?
「ぐるるるがるるるぐる!」(←訳:詐欺師のモラワン大佐!)
そうだったのか!とユキノジョン・H・ワトソン博士は
膝を打ちました。
犯罪界のナポレオンクマ、
悪の権化と恐れられるクマリアティ教授。
その教授の右腕にして、
“ロンドンで2番目に危険なヤツ”と
かつて名探偵テディちゃムズに言わしめた悪漢が、
この事件の黒幕……なのですね?
~ その4!に続く ~
新年おめで……あれれっ?
ロンドンの街角のそこここで、
クマたちは互いの時計を覗き合い、
教会から響くはずの時を告げる鐘の音を待ちますが、
新春特別企画その3!に到っても、
カウントダウンが始まる気配はありません。
「しょくんッ!
われわれのォ、でばんだッ!」
名探偵テディちゃムズ、
友人の虎くん、盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士、
2018年の干支・戌(いぬ)くんとともに、
ベイカー街221Bの下宿を走り出ました。
「じかんどろぼうゥをォ、つかまえなくちゃッ!」
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「それでェ、テディちゃムズ、
どこにいるんだい、その――」
「がるぐるる?」(←訳:時間泥棒は?)
「近くにいるの?」
ユキノジョン・H・ワトソン博士、虎君、戌くんは
走りながら訊いてみましたよ。
「うんッ!
こうほちィはァ、にかしょッ!」
テディちゃムズが申しますに。
時をつかさどる“聖地”は、
ロンドン市内に2ヶ所ある、とか。
まずは、長い歴史を持つ
ロンドンシティの古刹、
セント・ポール寺院のささやきの回廊。
囁き声ひとつとて拾い上げる名高い回廊と寺院の鐘は、
シティエリアの“時の聖地”。
そして、シティより歴史は浅いものの、
議事堂を足元に従える
大時計ビッグ・ベンはロンドン全体の“時報の聖地”。
そのビツグ・ベンは、ただいま補修工事中で
見学が中止されており、観光客もいない――
「そうか! そっちだね!」
名探偵一行、ぱたぱたぱたと向かいます。
テムズ河畔の、国会議事堂の方角へ。
「おっ! ほっとわいん!」
「焼きリンゴ!」
「ぐるるる!」(←訳:苺大福だ!)
大通りや広場には
カウントダウン客目当ての屋台が出ていて、
ああ、空きっ腹がグーと鳴ります。
どうでしょう、ここらで温かい飲み物など?
「じけんかいけつゥがァ、さきだァ!」
はい、ごもっとも(ため息……)。
美味しそうな屋台フードへの渇望を抑え、
ビック・ベンの入り口に到着した一行、
名探偵の顔パスで入館を許され、
時計台の上層への長い長~い階段を、
ふぅふぅ息を切らして登りに登り、
ようやく鐘の管理室に踏み入ってみれば。
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「あんっ?
なんじゃ、おまえらぁ?」
鐘の横には、怪しいモノ影!
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「がるっ!ぐるるぅ!」(←訳:ああっ!お前はぁ!)
真っ先にモノ影の正体を見分けたのは、
なんと、虎くん?
「ぐるるるがるるるぐる!」(←訳:詐欺師のモラワン大佐!)
そうだったのか!とユキノジョン・H・ワトソン博士は
膝を打ちました。
犯罪界のナポレオンクマ、
悪の権化と恐れられるクマリアティ教授。
その教授の右腕にして、
“ロンドンで2番目に危険なヤツ”と
かつて名探偵テディちゃムズに言わしめた悪漢が、
この事件の黒幕……なのですね?
~ その4!に続く ~