テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

いつまでも、瞼に。

2018-01-16 22:06:59 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 なんともォ~からふるゥ、なのでス!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!春の色だね!)

 こんにちは、ネーさです。
 花屋さんのウィンドウに、
 ピンク、オレンジ、紫、レモン……と並んでいたのは、
 フリージア&スイートピー♪
 明るい春の色から元気をわけてもらった今日は、
 さあ、またあの作家さんに御登場いただきましょう。
 こちらを、どうぞ~!

  



          ―― いちまいの絵 ――



 著者は原田マハさん、2017年6月に発行されました。
 『生きているうちに見るべき名画』と副題が付されています。

 前々回記事では、
 原田さんのフィクション作品『たゆたえど沈まず』を御紹介しましたが、
 こちらはアート評論ジャンルのノンフィクション作品、
 ということになりましょうか。

「こころにィ、ひめたァ~…」
「ぐるがる!」(←訳:我が一枚!)

 アート好きさんなら、こころのうちに
 持っているに違いありません。
 この絵が、もう好きで好きで。
 大好きで!という一枚を。

 いえ、ことさらアート好きと自認していない御方も、
 好きな絵っていえばこれだよな♪
 という一枚がおありでしょう。

「ありィまァ~ス!」
「がるぐるぅ!」(←訳:あるあるゥ!)

 そういった《アートあるある》に、
 かつては美術館に勤務した経験を持ち、
 現在はア-ト小説の名手として知られる
 著者・原田さんが挑んだなら。

 はたして、
 選ばれる“我が一枚”とは?

 誰もが知る名作なんでしょうか?

 玄人ごのみの隠れた逸品なんでしょうか?

「ここにはァ、えェ~とォ?」
「ぐるる~!」(←訳:26枚~!)

 原田さんのこころを打った、
 26の作品。

 御本の本文部分は文章のみ、挿絵もないのですけれど、
 冒頭にはカラー口絵が収録されていて、
 原田さんが選んだ作品の図版を見ることが出来ます。

 副題に『生きているうちに見るべき名画』とある通り、
 殆どの作品が
 美術館の公式カタログで最も目立つ場所に掲載されるような、
 あるいは美術の教科書に載っているような、
 メジャーな名作ではありますが。

 作品に向ける原田さんの目線は優しく、あたたかく、
 静かな、しかし、
 ずっしりと重い感動に満ちています。

 《この一枚》が、
 ここにある――自分の眼の前にある、という奇跡。

 この絵がここにくるまでの、長い長い道のり。

 そしてまた、
 自分がここで、こうして
 絵と相対していることも、
 奇跡としかいいようがない。

「しょうせつゥ、みたいィでスねッ!」
「がるぐぅるるぅるがるるるる!」(←訳:ノンフィクションなんだけど!)

 『一枚目』として取り上げられているのは、
 パブロ・ピカソさん作
 『アヴィニヨンの女たち』。

 20世紀の“節目の一枚”であった『アヴィニヨンの女たち』から、
 さて、原田さんの眼はどこへ向かうのでしょう?

 二枚目、三枚目と続く『見るべき名画』は
 いったい誰の、なんという作品か?

「なるほどォ~だッたりィ?」
「ぐるがっるる!」(←訳:意外だったり!)

 瞼を閉じれば、
 そこに浮び上がる、私の一枚。

 アート好きさんも
 歴史好きさんをも共感させる快作、
 ぜひのおすすめです♪
   
 
コメント
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