テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― ブルーがよぎる ―

2018-01-30 22:14:58 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでスゥ!
 ぐむむゥ! まだァ、いちがつゥなのにィ~!」
「がるる!ぐるるるがるるぅ!」(←訳:虎です!ヤツらの襲来だぁ!)

 こんにちは、ネーさです。
 実は、あの大雪の前から薄々察知してたんですよね……
 眼が、なんだかムズムズひりひり。
 喉の奥も、ぴりぴり。これは……

 花粉だわ!!

「うわァ~んッ!」
「ぐるるる~!」(←訳:止めてえ~!)

 という次第で、
 花粉対策を進めながらの本日の読書タイムは、
 さあ、こちらを、どうぞ~♪
 
  



         ―― 映画監督、北野武。 ――



 著者は北野武さん、
 そして、いわゆる“北野組”のスタッフさん&出演俳優の皆さん、
 2017年10月に発行されました。
 映画『アウトレイジ最終章』公開にあわせての
 関連作品、といえる御本ですが……厚いわね。

「ぶあつくッてェ~、ずッしりィ!」
「がるるるぐる!」(←訳:内容濃いです!)

 内容がズシンと濃いのも当然、と申せましょうか。

 この御本で取り上げられているのは、
 北野武さんの最新作『アウトレイジ最終章』だけではありません。

 監督作品第一作『その男、凶暴につき』から
 『アウトレイジ最終章』までの作品解説と、
 映画のプロデューサーである森昌行さん、
 俳優の大杉漣さん、
 大森南朋さん、
 撮影監督の柳島克己さん、
 監督である北野武さんへのインタビュー、
 さらにはクセモノ、おっと失礼、
 手練れの映画評論家さんたちによる作品論……と
 《監督タケシ》を解剖してやろうかというような凄みと勢いが
 一冊の中に折りたたまれています。

「きちょうゥなのはァ、このォおかたッ!」
「ぐるるるがる!」(←訳:撮影監督さん!)

 俳優さんへのインタビューって、
 映画公開時の宣伝で割と見かけますけれど、
 スタッフさんへのインタビューが収録されているのは
 珍しいかもしれませんね。

 コメントじゃないんですよ。
 本文106ページ~129ページ、
 2段組で掲載されているロングインタビューは
 キタノ映画の技術がテーマです。

 ああ、出来れば衣装を担当するチーム、
 照明を担当するスタッフさんのお話も聞いてみたい……!

「あのォびみょうゥなァ、いろあいィ!」
「がるるぐるーるがる!」(←訳:キタノブルーの秘密!)

 北野さんが監督した映画のお話はもちろんのこと、
 私ネーさが惹きつけられたのは、
 役者として北野さんが出演した作品を論じた
 荻野洋一さんの文章でした。

   『ハラ軍曹は《おい、起きろ!》と言った』

 と題された論考の中で、荻野さんは
 大島渚さん監督作品『戦場のメリークリスマス』公開年の、
 或るエピソードを回想しています。

 その年のカンヌ映画祭、
 パルム・ドール受賞を期して南仏に乗り込んだ『戦メリ』一行は、
 思わぬ失望を味わう事態となりました。

 パルム・ドールを受賞したのは、
 今村昌平さん監督作品『楢山節考』……。

「あうゥ~…」
「ぐっるる~…」(←訳:がっかり~…)

 しかし、時間はフェアである、
 と荻野さんは書きます。

 確かに、賞は獲れなかった。
 獲れなかったが、
 いまもなお愛されているのはどちらだろうか。

 ビートたけしさん=北野武さんを
 映画の世界へ深く引き込んだこの作品の重要さは、
 他に類を見ないものだ――

「しあいィにはァ、まけたけれどォ~」
「がるるぐっる!」(←訳:勝負に勝った!)

 映画好きな方々に、
 映画論が好きな方々にもおすすめの
 “キタノ・ワールドの歩き方”、
 映画賞シーズンのいま、
 皆さま、ぜひ、一読を♪

コメント
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