テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

いかなる宝玉も…?

2018-01-12 22:04:24 | ブックス
「こんにちわァ、テディちゃでス!
 さくらさくよッきッとかッとォ!」
「がるる!ぐっる!」(←訳:虎です!トッパ!)

 こんにちは、ネーさです。
 合格を祈願するお菓子を目にする機会が増えてますね。
 コーヒーチェーン店の『ドトール』さんでは
 『ド通る』というスペシャルブレンドも発売されたとか♪
 受験生さんへ今日もエールを送りながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



    ―― 名画で読み解く イギリス王家 12の物語 ――



 著者は中野京子(なかの・きょうこ)さん、2017年10月に発行されました。
 2017年後半の美術界で話題をさらった
 《怖い絵展》――
 上野の森にできた長い行列は
 TVのニュースなどでも盛んに報道されていましたよね。

「そうぞうをォこえてェ、だいにんきィ!」
「ぐるるがるるぐる!」(←訳:寒波に負けぬ熱気!)

 そんな《怖い絵展》の
 “看板作”ともいえる作品が、
 この御本の第2章で論じられています。

 表紙にもなっている、
 ポール・ドラローシュさん作
 『レディ・ジェーン・グレイの処刑』。

 たった16歳と4ヵ月で。

 その若さで、
 ロンドン塔に送られ、
 命を失わなければならなかったのは、
 何故なのか。

「りゆうゥはァ……はんぎゃくゥざいィ!」
「がるるるるるぐる!」(←訳:信じられないけど!)

 16際の女の子に
 王座を簒奪(さんだつ)できるほどの知略があるでしょうか?

 おそらくは、なかった。

 なのに、気が付けば、いつの間にか、
 隣に処刑執行人が立っている。

 こんな“怖い”状況が生まれた、
 その背景とは?

「いりくんでェまスよゥ!」
「ぐるるるるっるるぅ!」(←訳:こんがらがってるぅ!)

 日本史でも、
 権力の代替わりや移行がものすごーく入り組んで複雑で、
 という時代がありますね。
 鎌倉、南北朝、室町期に似た混乱を
 英国に探すとすれば、それはこの、
 レディ・ジェーンが生きたチューダー朝とその前後、
 かもしれません。

 著者・中野さんは、
 シェイクスピアさんの戯曲で有名なリチャード三世の時代から、
 20世紀のウィンザー家の時代まで、
 王冠と権力の変遷を緻密に辿り、描写します。

 権力者たちの肖像を足がかりに。

「ごうかなァ、いしょうがァ~…」
「がぅっるぐるるぅ!」(←訳:かえって怖いよぅ!)

 収録されている図版は、
 サイズは小さいのですけれど、
 すべてカラーで、
 ドレスの豪奢なこと、
 宝石の見事なことも
 読み手の私たちに伝わってきます。

 そして、
 どんな高価な宝石も衣装も、
 彼ら/彼女らに
 幸福な王座を約束してはくれなかったことも。

「それがァ、れきしィ!」
「ぐるがるる!」(←訳:万国共通の!)

 肖像画好きなアート好きさんに、
 歴史好きな御方に、
 《怖い絵展》の思い出に浸りたい方々にも
 おすすめの新書ノンフィクション、
 皆さま、ぜひ、一読を♪
 
コメント
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