テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《誕生》の、一歩一歩。

2018-01-18 22:15:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふわわァ~! ぜんぽうゥちゅういィでスゥ!」
「がるる!ぐるがる~!」(←訳:虎です!濃霧だよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 今朝の東京・多摩地域は濃い霧に包まれ、思わず、
 19世紀のロンドンってこんな感じ?と
 目を凝らしてしまいましたよ。
 そして、本日の読書タイムも……
 霧の中からゆっくり姿を現す巨象のような、
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



            ―― The Pen ――



 著者は池田学(いけだ・まなぶ)さん、2017年1月に発行されました。
 2017年、佐賀県立美術館・金沢21世紀美術館・日本橋高島屋を巡回した
 『池田学展 The Pen ――凝縮の宇宙――』の
 公式図録でもある画集です。

「ふわゥッ! おおものォでス!」
「ぐるる~!」(←訳:四角い~!)

 ↑上の画像からもお分かりでしょうけれど、
 縦横ともにほぼ30㎝、
 と一般的な展覧会図録よりも
 ひとまわり大きめサイズの御本は、
 まず、印刷がガンバってます。

 大判の絵画を撮影して図版に、というのは
 簡単そうでいて、実はとても難しい……
 
 なんてことを微塵も思わせず、
 展覧会の目玉でもあった著者・池田さんの最新作
 『誕生│Rebirth』(2013~2016)、
 その美しさ、
 画面から放たれる底知れぬチカラ、
 光と闇を写し取りました。

「なんというゥせかいィ!」
「がるるぐるるがるぐるるる!」(←訳:二次元なのに立体みたいだ!)

 御本の冒頭部分には、
 『誕生│Ribirth』の全景(全図というべきでしょうか)、
 そして部分図が掲げられ、
 巻末近くでは
 《『誕生』制作過程│The Making of Rebirth》
 と題された
 “生まれつつある『誕生』”の記録が収録されています。

「びじゅつかんッでのォ~!」
「ぐるがる!」(←訳:公開制作!)

 自室を出て、外へ。
 しかも、そこは
 米国ウィスコンシン州・チェゼン美術館のスタジオ。

 毎日、午後の一時間、一般に公開されるスタジオで、
 池田さんは描くのです。

 300.0×400.0㎝の紙に、
 ペン、インク、透明水彩。

「きのォとおくなるゥような~…」
「がるるぐる……!」(←訳:遠大な道程……!)

 池田さん御自身による制作の記録
 『マディソン日記』から抜粋された文章も添えられたこのパートは
 見応えも、読み応えも、ずっしり、ずしん!

「ながいィたびィでしたでス!」
「ぐるがるるるぐるる!」(←訳:実り豊かな旅でした!)

 また、この図録には、
 『誕生│Rebirth』以外の池田さんの作品も
 収録されています。

 大型の作品、小型の作品、
 どれも素晴らしい中で、
 私ネーさが大々好きなのは
 『ブッダ Buddha』(2000年)、
 『存在 Existence』(2004年)……
 いえ、『方舟 Ark』(2005年)も、
 『興亡史』や
 動物を描いた連作もステキなのよね~♪

「つまりィ~…」
「がるぐる!」(←訳:全部好き!)

 書店さんのアートブックコーナーでは
 おそらく一際目を惹いているに違いないこの御本、
 どうか皆さま、
 手に取ってページをめくり、
 池田さんのペンの息吹を、
 その宇宙を、
 感じ取り、読み取ってみてくださいね。
 アート好きさんに限らず、
 全活字マニアさんに、おすすめです!
 
 
   
コメント
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