テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《かわいい》チビっ仔たち。

2018-01-22 22:15:48 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 こッ、これはァもうゥ~!」
「がるる!ぐるるぅ!」(←訳:虎です!吹雪だぁ!)
「ほわいとォあうとォでスゥ!」

 こんにちは、ネーさです。
 はぁ~…ここ東京・八王子は午前中からひどい降りで、
 家の前を雪掻きしていた私ネーさ、
 本気で遭難するんじゃないかと思いましたよ。
 全身が筋肉痛の今は、
 さあ、気力回復のための読書タイム!
 本慈雨は、こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  



         ―― かわいいジャポニスム ――



 著者は沼田英子(ぬまた・ひでこ)さん、2017年10月に発行されました。
 『Kawaii!Japonisme』と英語題名が付されています。

 『かわいい絵巻』『かわいいルネサンス』
 『かわいい浮世絵』『かわいい印象派』などで人気の
 《Kawaii(かわいい)》シリーズから刊行されているこの御本、
 先日まで開催されていた
 『ゴッホ展 巡りゆく日本の夢』と
 今週末まで上野の国立西洋美術館で開催されている
 『北斎とジャポニスム』展の関連書でもありますが……

 きゃああぁ~♪
 可愛すぎるわぁこの仔たち~♪♪

「ふァ? どれどれッ?」
「ぐるるぅ??」(←訳:どれがぁ??)

 えーと、御本の前半部分はね、
 19世紀末から20世紀初頭にかけて
 西洋の画家さんたちが感じた日本への憧れ――

 序章では、日本からやってきた珍しいもの、
 美しくてかわいい日本のイメージ。

 第1章『暮らしの中の《かわいい》』では、
 日本美術との出会いをきっかけに
 見詰め直されることになった人間の姿、
 などが取り上げられています。

 それが、第2章の
 『身近な《かわいい》生きもの』では、
 可愛いヤツらが大集合!

「にゃほッ♪ もんくゥなしにィ~!」
「がるるー!」(←訳:可愛いー!)

 御本の表紙の、
 中央やや左寄りに写っているのは、
 フランソワ・ポンポンさん作の『白くま』
 (メトロポリタン美術館蔵)。

 有名な作品ですから、
 アート好きさんはきっと御存知のことでしょう。

 私ネーさも、写真等で拝見しては、
 なんてきゃわゆい白クマくんかしら♪と
 うっとりしていたのですが、
 これってジョポニスムの流れにある作品だったの?と
 驚かされました。

「でもォ、いわれてェみるとォ~」
「ぐるるがる!」(←訳:東洋的かも!)

 よくよく見直せば、
 この第2章に登場する可愛い生きものくんたちは皆、
 日本美術の影響なしには
 生まれ得なかったモチーフたちである、と
 言い換えることも出来ましょうか。

 ニャンコも、ウサギも、
 白鳥も、カラスやツバメたちも、
 蟹たち鯉たちも、
 日本美術という扉を通って、
 初めて欧州の画家さんたちのモデルになることが出来た……
 のだとしたら、
 なんだかちょっと嬉しいような気分ですね。

「わふッ♪ これもォ、きゃわゆいィ!」
「がるるるるぐるる!」(←訳:生きものの次は花!)

 第3章は
 『《かわいい》草花を愛でる』。

 ここでは、
 ゴッホさんが描いた『花咲くアーモンドの枝』、
 モネさんの『睡蓮』や、
 版画家ウォルター・クレインさんの壁紙『アーモンドの花とツバメ』、
 ティファニー・スタジオのガラス器『朝顔コンポート』など、
 文様として展開したジャポニスム作品も紹介されています。

「うゥ~んッ! あーもんどッてェ~」
「ぐるるるがるるるる!」(←訳:こんなに可愛いんだ!)

 現代の日本でいう“カワイイ!”とは、
 遠いような近いような、
 懐かしいような新しいような、
 優しくあたたかいジャポニスムの美、
 アート好きさん&近代史好きな御方は、
 ぜひ、一読してくださいね。
 ニャンコマニアさんには
 特におすすめです♪
 
 
 
コメント
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