テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

2018!新春特別企画♪《時間泥棒を逮捕せよ》その4!

2018-01-03 22:10:35 | 2018!新春特別企画♪
 新年のカウントダウンは、まだか。
 なぜ、時計も鐘も沈黙したままなのか。

 ロンドン市民の心の叫びを
 ひしひしと感じる名探偵テディちゃムズ一行は、
 さあ、新春特別企画を賭けた勝負に出ますよ♪

「がるる!ぐるるるるー!」(←訳:悪漢め!果し合いだー!)

 犯罪界のナポレオンクマ、クマリアティ教授の右腕であり、
 猛獣狩りの名人でもあるというモラワン大佐へ、
 えいやっと飛びかかったのは、
 おお、虎くんです。

「ぐるるっがるぐるるがるー!」(←訳:喰らえっトラ一族の恨みー!)

 と、その時。
 
  

 時計塔の上層がぐらりと揺れ、
 モラワン大佐はスッ転びました。

 いえ、時計塔が揺れたのじゃありませんね、
 鐘です、
 ビッグ・ベンの大鐘が、ぐらり、ぐらりん。

 それも道理です、
 鐘にはロープが二重三重に巻きつけられていて、
 ロープの端を握っているのはモラワン大佐。

 大佐が不用意に体勢を変えたせいで、
 ロープが波を打ち、ぐらりん、と鐘が動き……?

「わぁッ! きけんだッ、にげようゥ!」
 
  

 名探偵テディちゃムズの一声に、
 盟友ユキノジョン・H・ワトソン博士も、
 虎くんも、干支の戌(いぬ)くんも、
 鐘の管理室を大急ぎで後にいたします。

 は? 冗談だろう?臆したのか?
 逃げてないで闘えよ、ですって?

 いえいえ、冗談事ではないのです。
 ビッグ・ベン級の巨鐘の音を
 あまりにも近くで聴いてしまうと、
 耳がキーンとするどころではすみません。
 失神しちゃうんですよ、マジで。

「みんなァ、みみをォふさぐんだァ~!」

 時計塔の階段を駆け下りた一行と、
 国会議事堂の警備員さんたちは
 塔上部の異様な振動音が止むのを待って、
 再び鐘の管理室へ。

「がるる!」(←訳:いたぞ!)
「絡まってる!」
「じぶんのロープに!」

 鐘に巻きつけられていたロープは、
 どうしたことか、
 モラワン大佐の胴体をぐるぐる雁字搦めにしています。

「くそぉぉ!
 この鐘、1億ユーロで売り払うつもりだったのに!
 高品質な金属の需要は世界中で高まってるのにぃ!」
 
  

 時間泥棒、あらため。

 鐘泥棒のモラワン大佐。

 速やかにスコットランドヤードへと
 引っ立てられてゆきますれば。

「あっ! 時鐘だ!」

 ロンドン中の教会の鐘が、鳴り、歌います。
 新年の到来を。
 2018年の始まりを。

「やあッ! あけましてェおめでとうゥ!」
「おめでとう~!」

 カウントダウンの歓声と、
 電飾と花火の光りが、
 時間が正常に復したことを
 テディちゃムズたちに教えます。

 これで、心置きなく――

「パーティーだぁ!」

 屋台のホットワインを買い、
 ホカホカ気分で、ベーカー街へ。
 愉しき我が家へ。

 2018年が、どうか皆々さまにとって
 良い一年になりますように、と願いながら、
 家路を辿るのでした。
 
 

 ……その頃、マイクマフトお兄ちゃんは。

  

「くっそぉ!
 なんでワシだけ苦情電話の受付係なのっ?
 パーチーに行きたいようぅぅ!」


 ~ その5!(えっ?あるの?)に続く ~


 
コメント
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