罠――!
これは、ケンケン大佐の罠だというのでしょうか!
名探偵テディちゃムズ、
親友のユキノジョン・H・ワトソンに教えます。
「やつのォ、ねらいはァ、べーかーがいィだッ!
えきにィきたのはァ、ようどうさくせんッ、なんだよッ!」
ああ、テディちゃムズの分析の鋭さよ!
よ~く考え合わせてみれば、そうです、
ベーカー街221Bの下宿はいま、だぁれもいません。
そういやドアに鍵かけてきたっけ?と
ユキノジョン・H・ワトソン、俄かに不安をおぼえました。
いえいえ、鍵どころの騒ぎではありません。
ベーカー街221Bの部屋は、
貴重な品々でいっぱいです。
・『犯罪紳士録』(犯罪者たちの悪辣な手口実例が満載!)
・『冒険の記録』『事件簿』他、書類多数
(ユキノジョン・H・ワトソン筆、被害者実名入り/無修正版)
・ヴィクトリア女王さまからいただいた勲章&記念品あれこれ
・アドラー嬢とボヘミア国王の署名入り写真(ほんもの!)
・ペルシャ絨毯(これもほんもの!高級品!)
「うむむゥ!
ユキノジョン・H・ワトソンくんッ、すぐもどろうッ!」
「テディちゃムズ、ハドソン夫人はッ?」
「はどそんさんはァ、おでかけちゅうッ!」
大家のハドソン夫人、
テディちゃムズが長い留守から帰ってくるや、
ちょうど良ござんした、
わたくしハロッズの初売福袋の行列に参ります、
そう言って出掛けてしまったのでした。
またしても、急げや急げ。
フクロウのトビィをロンドン警視庁に向かわせ、
探偵クマ二匹組はベーカー街へ走ります。
大晦日で浮かれる町を、北へ、北へ。
「ふゥ、ひィ、はふゥ~」
おっ! ベーカー街が見えてきました!
「けふけふッ、ごほほッ」
221Bの窓が! 開け放しになった玄関が!
「いたぞォ!」
階段を駆け上がれば、
テディちゃムズのヴァイオリン(ストラディバリ作)を手にした
ケンケン大佐が暖炉の前に!
「むぎゃぽッ!」
「がるるるゥ!」
さあ大変、格闘が始まりました!
「テディちゃムズ、ここはぼくに任せるんだ!
えいやッ、受けてみろ!
聖バーソロミュー病院で開発した外科用縫合糸攻撃~ッ!」
極細ながら堅牢な、手術用の最新型糸をぐるぐると、
さらにぐるりん、ぐるぐるりんと、
ケンケン大佐に巻きつけるユキノジョン・H・ワトソン!
「ぐひゅうッ!」
「おてがらだァ、ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!」
「やったね、テディちゃムズ!」
凱歌を上げたその時に、
到着したのはロンドン警視庁のレストレード警部と警官隊。
そしてまた、
彼らに悪漢ケンケン大佐を引き渡したその瞬間。
「わッ、おひさまだァ!」
「初日の出だね、テディちゃムズ!」
新年を寿ぐ鐘がロンドンの、いえ、世界の上に響きゆきます。
良き年よ来たれ!
佳き年であれ!
テディちゃムズとユキノジョン・H・ワトソンは
昇る陽光に大きく手を振って、さあ、合唱!
「はッぴィー にゅゥー いやァーッ!!」
《おしまい》
これは、ケンケン大佐の罠だというのでしょうか!
名探偵テディちゃムズ、
親友のユキノジョン・H・ワトソンに教えます。
「やつのォ、ねらいはァ、べーかーがいィだッ!
えきにィきたのはァ、ようどうさくせんッ、なんだよッ!」
ああ、テディちゃムズの分析の鋭さよ!
よ~く考え合わせてみれば、そうです、
ベーカー街221Bの下宿はいま、だぁれもいません。
そういやドアに鍵かけてきたっけ?と
ユキノジョン・H・ワトソン、俄かに不安をおぼえました。
いえいえ、鍵どころの騒ぎではありません。
ベーカー街221Bの部屋は、
貴重な品々でいっぱいです。
・『犯罪紳士録』(犯罪者たちの悪辣な手口実例が満載!)
・『冒険の記録』『事件簿』他、書類多数
(ユキノジョン・H・ワトソン筆、被害者実名入り/無修正版)
・ヴィクトリア女王さまからいただいた勲章&記念品あれこれ
・アドラー嬢とボヘミア国王の署名入り写真(ほんもの!)
・ペルシャ絨毯(これもほんもの!高級品!)
「うむむゥ!
ユキノジョン・H・ワトソンくんッ、すぐもどろうッ!」
「テディちゃムズ、ハドソン夫人はッ?」
「はどそんさんはァ、おでかけちゅうッ!」
大家のハドソン夫人、
テディちゃムズが長い留守から帰ってくるや、
ちょうど良ござんした、
わたくしハロッズの初売福袋の行列に参ります、
そう言って出掛けてしまったのでした。
またしても、急げや急げ。
フクロウのトビィをロンドン警視庁に向かわせ、
探偵クマ二匹組はベーカー街へ走ります。
大晦日で浮かれる町を、北へ、北へ。
「ふゥ、ひィ、はふゥ~」
おっ! ベーカー街が見えてきました!
「けふけふッ、ごほほッ」
221Bの窓が! 開け放しになった玄関が!
「いたぞォ!」
階段を駆け上がれば、
テディちゃムズのヴァイオリン(ストラディバリ作)を手にした
ケンケン大佐が暖炉の前に!
「むぎゃぽッ!」
「がるるるゥ!」
さあ大変、格闘が始まりました!
「テディちゃムズ、ここはぼくに任せるんだ!
えいやッ、受けてみろ!
聖バーソロミュー病院で開発した外科用縫合糸攻撃~ッ!」
極細ながら堅牢な、手術用の最新型糸をぐるぐると、
さらにぐるりん、ぐるぐるりんと、
ケンケン大佐に巻きつけるユキノジョン・H・ワトソン!
「ぐひゅうッ!」
「おてがらだァ、ユキノジョン・H・ワトソンくんッ!」
「やったね、テディちゃムズ!」
凱歌を上げたその時に、
到着したのはロンドン警視庁のレストレード警部と警官隊。
そしてまた、
彼らに悪漢ケンケン大佐を引き渡したその瞬間。
「わッ、おひさまだァ!」
「初日の出だね、テディちゃムズ!」
新年を寿ぐ鐘がロンドンの、いえ、世界の上に響きゆきます。
良き年よ来たれ!
佳き年であれ!
テディちゃムズとユキノジョン・H・ワトソンは
昇る陽光に大きく手を振って、さあ、合唱!
「はッぴィー にゅゥー いやァーッ!!」
《おしまい》
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