テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

― 銀色の幻夢 ―

2018-02-08 22:07:29 | ブックス
「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 まけないィでッ、たいわんッ!」
「がるる!ぐるるがーる!」(←訳:虎です!台湾にエール!)

 こんにちは、ネーさです。
 多くの日本の人々が同じ思いを抱いていることでしょうが、
 台湾の地震の報道に心が痛みます。
 私たちにはどうしようもない天災による被害を
 避ける術は、より軽減させる術はないものか……
 悩みながらも、いえ、悩んでばかりじゃいけません。
 生きるヒントを探すべく、
 今日も読書タイム敢行です!
 さあ、本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  



         ―― 裏切りのホワイトカード ――



 著者は石田衣良(いしだ・いら)さん、2017年9月に発行されました。
 《池袋ウエストゲートパークⅩⅢ》とシリーズ巻名が付されています。
 ⅩⅢ、ということは、
 池袋のトラブルシューター・マコトくんの物語も
 もう13冊目になったんですね。

「こんかいもォ、まことくんッ!」
「ぐるるーる!」(←訳:走りまーす!)

 果物屋さんを営む逞しくも優しいお母さん、
 親友・タカシくんとともに
 マコトくんは戦います。

 お店番さん兼雑誌のコラムニストとして、
 そして何より世話好きなお人好しさんとして、
 都市のダークサイドが生み出す数々のトラブルと。

「みすごせェませんッ!」
「がるるるるぐるるる!」(←訳:知らんぷり出来ない!)

 この御本に収録されているのは、

  『滝野川炎上ドライバー』
  『上池袋ドラッグマザー』
  『東池袋スピリチュアル』
  『裏切りのホワイトカード』

 の4編です。
 おすすめは表題作品の『裏切りのホワイトカード』……
 と言いたいところ、なんですけれども。

  『東池袋スピリチュアル』!

 私ネーさの推しは、↑こちらです!

「ふァ?? なぜッ?」
「ぐるるる~?」(←訳:どうして~?)

 『東池袋スピリチュアル』で際立った存在感を放つのは、
 主人公のマコトくんではなく、
 マコトくんにトラブル解決を依頼する友人――
 ゼロワンさんです。

 シリーズ初期から登場しているゼロワンさんは、
 或るファミレスに殆ど居住しているかのような
 天才的手腕を持つハッカーであり、
 マコトくんが頼みにする情報屋さんでもありますが。

 今回は、役割が逆です。

 ゼロワンさんの方が、
 頼みたいことがある、と
 マコトくんを呼び出しました。
 そして、彼が言うには。

   ―― こんな夢を見た ――

「ふァいッ?」
「がるぅ??」

 まるで漱石さんの『夢十夜』のように、
 ゼロワンさんは自身が“視た”不思議な夢のあらましを語り、
 マコトくんに問い掛けます。

  この夢が解けるか?

  いや、解いてくれ、マコト――

「ゆめェさがしィ??」
「ぐるがるるっ?」(←訳:怪談ですかっ?)

 ええ、現代の怪談はどこにあるかと考えるとき、
 それはインターネットの中にある、と
 答える御方もいるでしょう。

 その《夢》は、
 ゼロワンさんがネットの海に幻視した暗い影絵なのか。
 それとも、現実の出来事とリンクしているのか。
 
 半信半疑のマコトさん、
 軽い気持ちで調査にかかりますが……?

「ぜろわんおにいさんッ、いいあじィだしてまスゥ!」
「がるぐるがる!」(←訳:ある意味主役!)

 ゼロワンさんと対を成す、
 もうひとりの“脇役”さんも魅せてくれるこの一篇、
 続編が読みたくなります。
 
 ゼロワンさんの、次の“こんな夢”は、
 いったいどんなものになることやら?

「つづきィ、まッてまスゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:怖くてワクワク!)

 ミステリ好きさん、
 怪談好きな御方も、
 ぜひ、一読を♪
 

 
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《ムットーニ・ワールド》開幕!

2018-02-07 21:51:49 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 うひゃッほうゥ♪ かいまくゥ~なのでス!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!今日が初日~!)

 こんにちは、ネーさです。
 はい、週の半ばの水曜日に恒例となっている展覧会情報、
 今回はもう、これよ!これしかないでしょう!な、
 こちらの特別展を、さあ、どうぞ~♪

  



         ―― ムットーニ ワールド ――



 東京・八王子市の八王子市夢美術館にて、
 会期は2018年2月7日~3月27日
 (月曜休館、ただし祝日の場合は開館し、翌火曜日が休館)、
 『からくりシアターⅣ』と副題が付されています。

「ずゥ~ッとォ、まッてましたでス!」
「ぐるるるるる~!」(←訳:お帰りなさい~!)

  

 2009年、2011年、2013年に八王子市夢美術館で開催された
 ムットーニさんこと武藤政彦(むとう・まさひこ)さんによる
 美術展《からくりシアター》、
 その第4弾が今日2月7日から始まりました!

 箱の扉が開けば、
 奏でられる音楽とともに
 自動人形たちが動き出し、
 変化する照明が
 物語を紡いでゆく――

 一度見たら忘れられない《ムットーニ ワールド》、
 大型作品から
 図面作品まで、
 何れも壮観です♪

「しんさくもォ、きましたでスゥ!」
「がぅるるぐるるがる!」(←訳:ファンの方々は必見!)

 2018年制作の新作は、
 『シグナル・メモリー』、
 『シグナル・スカイ』。

 2017年制作の『ヘル・パラダイス』も、
 まだ御覧になっていないファンさんが多いかもしれませんが、
 ええ、ちゃあんと出展されていますよ。
 
  

 そして、
 ムットーニさんファン諸氏にはお馴染みの上演会も
 会期中の土曜日・日曜日・祝日と
 初日・最終日に催行されます
 (各日14:00~/16:00~)。

 私ネーさも、初日の今日、
 上演会に参戦、いえ、お邪魔いたしましたよ♪
 ……とはいっても、
 今日はどうにもバタバタと忙しかったので、
 2度目の上演会の、半分くらいしか
 拝見できなかったのですが。

「でもォ、だいじょうぶゥ!」
「ぐるるーるるるがるる!」(←訳:パスポート券があるよ!)

 購入日から一年間、
 夢美術館に何度でも入館できる年間パスポートは¥1400。
 これを武器に、ふっふっふ、
 週イチ以上のペースで通いたいわ!

「なんどォみてもォ、たのしィ~♪」
「がるるぐる~!」(←訳:こころ躍る~!)

 作品を丁寧に観賞していると
 1時間や2時間ではとても足りそうにありません。
 スケジュールに充分な余裕をもって、
 お出掛けくださいね。

 なお、土曜日は小中学生さんは無料で入館できます。
 親御さん、お友達と連れ立って、
 ぜひ、来館を♪
 
 


    ではここで、オマケ画像も、はいっ!
   
    『コカ・コーラ』さんの
    《紅茶花伝 さくらんぼロイヤルミルクティー》は
    期間限定の御品です。
    「ほッこりィ~♪」
    「ぐるるるるる!」(←訳:サクランボ味!)
    空気が乾燥していますからね、
    皆さま、お肌の保護と同時に
    水分補給も抜かりなく。


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和菓子、津々浦々♪

2018-02-06 22:11:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 はつみみィ、でしたでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!驚きの耳学問!)

 こんにちは、ネーさです。
 節分の日のこと、ラジオを聴いていたら……
 《渡辺さんという姓のお家では、鬼は外、とは言わない》
 ですって??
 知らなかったわ!
 それって鬼退治で知られる四天王・渡辺綱さんと関係がある風習なの?
 全国の渡辺さん宅に言い伝えられているの?
 衝撃がいまも冷めやらぬまま、
 本日の読書タイムは
 鬼討伐にもマストアイテムになりそうな、
 こちらの御本を、どうぞ~♪
 
  


 
      ―― ニッポン全国 和菓子の食べある記 ――



 著者は畑主税(はた・ちから)さん、2017年11月に発行されました。
 『髙島屋・和菓子バイヤーがこっそり教える郷土の和菓子500品』と
 副題が付されています。

「わがしィばいやーさんッ♪」
「ぐるるるがるる!」(←訳:頼もしい肩書き!)

 前々回記事では美術館ガイド、
 前回記事ではブックガイドエッセイ、
 そして今日は、和菓子のガイドブックに
 御登場ねがったワケですが。

 食いしん坊の私ネーさ、
 以前にも和菓子のガイド本を御紹介しましたけれども、
 情報量の点に於いては
 ほぼイチバン!
 と言えそうなのがこの御本です。

 バッグに入れると、ズシリと重い……!

「だッてェ、ぷろふぇッしょなるゥ~でスからッ!」
「がるるぐるがる!」(←訳:これが基本です!)

 著者・畑さんは、
 副題にもありますように、
 老舗百貨店・髙島屋さんの
 和菓子担当バイヤーさんです。

 担当バイヤーといっても、
 1店舗2店舗じゃないんですよ。
 髙島屋さん全店の和菓子バイヤーとして、
 全国の1000軒以上の和菓子やさんをめぐり、
 10000種類を超える和菓子を食べ、
 これは美味しい!と
 心うたれたお菓子を百貨店店頭で販売する――
 
「かんたんではないィのでス!」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:お菓子は生きもの!)

 上生菓子、
 お団子、餅菓子、お饅頭も。

 できたて、作り立てをお客様に届けるためには、
 朝イチで京都へ行って、
 お菓子を買ってはトンボ返り。
 いえ京都にとどまらず。
 北海道から、東北、北陸、東海、関西、
 四国、九州、沖縄まで。

 もちろん、東京都下の和菓子屋さんも、
 見逃してはなりません。

「こんなにィ~あるんだァ!」
「がるぐるるる!」(←訳:全部食べたい!)

 地方ごと、お店ごと、
 百花百様の、お団子やお饅頭があるならば。

 イヌくんサルくんキジくんが魅せられたのは、
 どんなダンゴであったことか。
 どんな味であったことか――

 また、畑さん御墨付の、
 和菓子500品に加えて、
 目に留めていただきたいのは
 コラムのページです。

 東京や京都の和菓子、
 東北の郷土駄菓子、
 日光の羊羹のお話、
 伊勢街道のお餅についてのお話からは
 日本の食文化、歴史の一面なども
 浮びあがってきます。

「うれしィまめちしきィ~♪」
「ぐるるがる!」(←訳:知識も美味!)

 よく知っているお菓子も、
 初見のお菓子も満載の和菓子ガイド、
 デパ地下好きな食いしん坊さんに、
 地理好きさんにもおすすめです。
 ぜひ、一読を♪
 

 
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本は、ともだち。

2018-02-05 22:06:18 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ひゃッほゥ! まさにィ~はなざかりィ~♪」
「がるる!ぐっるるがっるる!」(←訳:虎です!あっちもこっちも!)

 こんにちは、ネーさです。
 パティスリーやショコラトリーで、
 デパートや駅ビルでも、チョコレート売り場がアツいわ!
 ショコラ好きな私ネーさにとっては嬉しい季節です。
 ココロも軽くお財布も軽く、
 読書タイムも足取り軽く、
 本日はこちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  



         ―― 名作なんか、こわくない ――



 著者は柚木麻子(ゆずき・あさこ)さん、2017年12月に発行されました。
 『ランチのアッコちゃん』に始まる《アッコちゃん》シリーズ、
 『あまからカルテット』『BUTTER』他の作品で人気の、
 著者・柚木さんによる初のエッセイ集……
 と謳われてはおりますが、
 実は、ブックガイド?

「でスねッ!」
「ぐーるるる!」(←訳:テーマは本!)

 漫然と、ではなく、
 まっっすぐに、きりりと。

 この御本は、
 “本について”の文章57編で構成されています。

 《フランス文学篇》
 《日本文学篇》
 《イギリス文学篇》
 《アメリカ文学篇》
 
 という4つのパートに分けて
 柚木さんが紹介するのは、
 殆どが、岩波・ちくま・新潮などの文庫に入っているような
 超がつく名作ばかり。

 ただ、それゆえ、かえって――

「しきいィがァ、たかいィ~!」
「がっるるぐるる!」(←訳:とっつきにくい!)

 書店さんに行けば、
 なんとなしに新刊を手に取ってしまうけれど。

 柚木さんの目線は
 文庫の名作コーナーに向かいます。

「なんどもォ、よみかえしちゃゥ~ようなァ」
「ぐるるがるる!」(←訳:名文と名場面!)

 少々とっつきにくい名作の、
 こんなところに読みどころがある、
 生きてゆく上での機微が記されている、
 時代の一面、一瞬が刻まれている――

 スタンダールさんの『赤と黒』には野心が。

 石井桃子さんの『幻の朱い実』には友情の切なさが。

 キャロルさんの『不思議の国のアリス』には居心地の悪さが。

 そして、M・ミッチェルさんの『風とともに去りぬ』には共感と、
 結末を知っているゆえの哀しみが……。

 そう、結末をもう知っているのに、
 それでも何度も何度も読み返してしまう、のが
 名作の名作たるゆえん、なのでしょうね。

「らいねんもォ、さらいねんもッ!」
「がるるるるぐるるるる!」(←訳:本屋さんに並んでます!)

 柚木さんの語りが一際冴えるのは、
 御本の真ん中あたり、
 犬養道子さんの『お嬢さん放浪記』を取り上げた一篇でしょうか。

 名家に生まれたお嬢様・犬養さんの、
 米国&欧州漫遊記ならぬ放浪記への
 凛々しくもあたたかい共鳴は、
 読み手の私たちを励ましてくれるようで、
 おもわず頬がゆるみます。

「げんきィ、でるのでスゥ!」
「ぐるるがるる!」(←訳:気持ち上向き!)

 すぐにも本屋さんへ走りたくなる、
 活字マニアさんのための
 読書ガイド兼エッセイ作品、おすすめです!
 皆さま、ぜひ、一読を♪


 
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探せば、ここにも?

2018-02-04 22:05:19 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでッス!
 りッしゅゥ~んッ! ぷるぷるッ!」
「がるる!ぐるるる!がるるる!」(←訳:虎です!気分は春!プルプル!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、立春ですものね、
 寒さにプルプル震えていても、
 少なくとも気分だけは春の光のように明るく、
 さあ、読書タ~イム!
 本日は、こちらのアート本を、どうぞ~♪
 
  



       ―― 知られざる日本に眠る 若冲 ――



 監修は狩野博幸(かの・ひろゆき)さん、2017年11月に発行されました。
 【完全保存版】と副題?が付されたこの御本は、
 “若冲さんの作品巡礼ガイド本”でもあります。

「おひさしぶりィのォ~!」
「ぐるるるがる~!」(←訳:若冲さん登場~!)

 浮世絵……も良いんですけど、
 大好きなんですけど、
 伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう)さんはやっぱり特別ですね♪

 絢爛たる画題、
 最高級の絵の具。
 画期的な構図と、
 それを支える超一流の技術。

 眺めていて、愉しい――
 眼福とは、まさに若冲さんの画のことだわ!

「ただァ、もんだいィなのはァ~」
「がるぐるるるる~!」(←訳:人気ありすぎて~!)
「みたくてもォ、みられェないィのでス!」

 若冲さんの代表作《動植綵絵》シリーズは
 公開期間がごく限られています。
 およそ2年に1度のペースで、
 展示は2週間程度。

 作品を保護するためなのだから、
 仕方がないことなんだよなぁ~と分かってはいても、
 寂しいものよね。

「ならばァ、さがしましょうゥ!」
「ぐるがるるるぐるる!」(←訳:他の若冲さん作品を!)

 若冲さんは84歳で没しました。
 江戸中期の御方としては
 長命であった、と申せましょうか。

 すなわち、その長い画家人生の間、
 《動植綵絵》シリーズ以外にも
 多くの名画を生み出していたはずで、
 それらの作品があるのは……?

「ここでェ~スゥ!」
「がるぐる!」(←訳:ここここ!)

 本文では、
 京都の相国寺さんはもちろん、
 愛知県、福岡市、
 東京と京都の国立博物館、
 近年オープンしたMIHO MUSEUMさんや
 箱根の岡田美術館さんなど、
 若冲さんの作品を所蔵する美術館・寺院が
 ずらりと紹介されています。

 箱根に若冲さんの作品を
 複数所有している美術館があるなんて、
 私ネーさ、知りませんでした。
 これはちょっとした驚きです!

「まだまだァ、おどろきィがァ?」
「ぐるるる!」(←訳:あるかも!)

 まだ見ぬ名画を探して。
 もう一度見たい!と熱望する名作を訪ねて。

 あったかくなったら、
 美術館巡りの小旅行をしようかな♪と
 お考えのアート好きさんに、
 美術ガイド&旅ガイド好きな活字マニアさんにも
 おすすめの一冊です。
 ぜひ、探してみてくださいね~♪
 
 
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~ 《夕星》に偲ぶ ~

2018-02-03 22:09:29 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥ! えほうゥまきでェ、おなかァ~いッぱいィでスゥ!」
「がるる!ぐるるるるる!」(←訳:虎です!招福家内安全!)

 こんにちは、ネーさです。
 節分名物・恵方巻きを無言で完食した後は、
 さあ、読書をサボり、
 週末名物の展覧会情報をお送りいたしましょう。
 こちらを、どうぞ~♪
 
  



           ―― 東山魁夷 展 ――



 東京・八王子市の東京富士美術館にて、
 会期は2018年1月2日~3月4日
 (月曜休館、ただし1/8と2/12は開館し、2/13は休館)、
 『長野県信濃美術館 東山魁夷館所蔵品による』と
 副題が付されています。

「あァ~、このォふうけいィはァ~」
「ぐるるるがるー!」(←訳:東山さんだねー!)

  

 今年=2018年は、
 東京の国立近代美術館で
 東山魁夷さん(1908~1999)の生誕110周年を記念して
 大規模な特別展が開催されるそうですが、
 こちらもなかなか内容の濃い企画展となっておりますよ。

 長野県信濃美術館の
 東山魁夷館が所蔵する作品を中心に、
 本制作、
 試作品、
 ドイツや北欧の風景を描いた作品、
 京洛四季、
 白馬の見える風景シリーズなど、
 約80点の作品が展示されています。

「しさくゥひんッ??」
「がるぐるる!」(←訳:それ珍しい!)

 そうね、
 制作の過程を明らかにするスケッチや、
 習作、下絵、といったものが
 東山さんの展覧会で展示されることは
 あまり多くありませんから、
 貴重な機会であると言えそうですね。
 
  

 また、この展覧会では、
 東山さんの絶筆――
 『夕星(ゆうづつ)』(1999)も出展されます。

  

 ↑この美しい作品は、
 なんとしても肉眼で、
 御自身の目で観ていただきたいわ!

「いんさつゥじゃァ、だめェなのでス!」
「ぐるるがるー!」(←訳:本物を見てー!)

 日本画はあんまり好みじゃなくて……という御方にも、
 躊躇なくおすすめできるのが
 東山魁夷さんの作品です。
 ぜひ、お出掛けしてみてくださいね♪
 
 



    では、2月最初のオマケ画像も、ここでハイっ!
   
    『グリコ』さんの
    《ビッテ エクセレント》は
    バレンタインシーズン限定のお味です。
    「ちょこがァ、だぶるゥ??」
    「がるるるぐる!」(←訳:倍増しな感じ!)
    立春が来たらチョコレートも溶け……るどころか、
    もっともっと厳しい寒波が襲来、ですって??
    どうか皆さま、
    し~っかり加湿して
    ホッカイロやニャンコをお腹に抱きしめながら、
    穏やかな休日を♪
    
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雪の夜に……いま、クリスマス本を!

2018-02-02 22:10:38 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 もうふゥ! ゆきかきィづかれェ~!」
「がるる!ぐるるる……!」(←訳:虎です!あ痛たた……!)

 こんにちは、ネーさです。
 おそらく日本中で大勢の方々が
 雪掻き疲れのためヘトヘトになっている今日の読書タイムは、
 “冬のあの行事”をテーマにしている
 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♪
 
  



         ―― クリスマスを探偵と ――



 文は伊坂幸太郎さん、絵はマヌエーレ・フィオールさん、
 2017年10月に発行されました。
 2010年11月に刊行された『文藝別冊 伊坂幸太郎』にて発表された
 短編小説を底本とする、
 絵本作品です。

「うむむゥ? このォいろあいィ~…?」
「ぐるるがる!」(←訳:独特な感じ!)

 この御本を手に取ったとき、
 書店さんの絵本コーナーで見かける他の絵本に比べ、
 どこかしら違和感をおぼえるのは
 絵を担当したフィオールさん独自の
 構図や色調のせいかもしれません。

 イタリアのチェゼーナ生まれのフィオーレさん、
 欧州で活躍する漫画家・イラストレーター・建築家さんで
 バンド・デシネ作家さんとしても
 知られている御方なんです。

「あはァ! それでェ~」
「がるるっるるるる!」(←訳:オトナっぽいんだ!)

 オトナっぽいのは、
 絵だけではありません。

 何も知らずに、
 子どもに贈ろうとクリスマス絵本を探している方々のために
 敢えて言ってしまいますが、
 ストーリーはとても
 “こどむ向け”だとは申せません。

 これは、
 “かつて子どもだったオトナたち”に向けた
 クリスマスストーリーです。

「おとなのォ、くりすますゥすとーりィーがァ?」
「ぐるがる?」(←訳:探偵なの?)

 主人公のカールさんは探偵です。

 依頼に応じて、
 人を見張り、尾行し、調査する。

 そしてカールさん、自分のそんな仕事にウンザリしています。

   クリスマスだってのに、
   浮気男の尾行かよ……
   何やってんだオレ……。

「むぎゅゥ~…それはァ、つらいィでス~」
「がるるぐる~…」(←訳:へこむよね~…)

 尾行の合間、
 川沿いの公園でひと休みしようと
 ベンチに腰かけたカールさん。

 そこで驚愕することになりました。

 ベンチには先客がいて、
 カールさんにこう訊ねたのです。

  ―― 探偵さんか何かですか? ――

「ええッ? ばれたッ?」
「ぐるるるるぅっる!」(←訳:見抜かれちゃった!)

 ずばり自分の職業を言い当てた不思議な人物に、
 いつしかカールさんは
 少年時代の出来事を話し始めます。

 家を飛び出る前の、
 クリスマスの出来事。

 あれには、いったいどんな意味があったのか……?

「なぞをォ、ときあかすゥ!」
「がるるるぐるるがる!」(←訳:その鍵は過去にあり!)

 拙ブログで2016年に御紹介しました
 『クリスマス・ストーリーズ:一年でいちばん奇跡が起こる日』
 に収録されている伊坂さんの短編小説
 『一人では無理がある』を読めば
 カールさんの物語とつながる
 サイドストーリーが見えてくることでしょう。

 そして、探偵さんの正体も?!?

「くりすますのォ、ひみつもッ??」
「ぐるるがるぅるる!」(←訳:見えてきちゃうね!)
 
 かつて子どもだった、ということすら
 もう憶えていない方々には
 必ずしもおすすめできません……が、
 少年少女だった頃の冬の日を
 今もはっきり思い出せる伊坂さんのファンの方々には
 ぜひ!のおすすめです。

 年があらたまり、
 1月が終わって2月になり、
 クリスマスの喧騒も静まった雪の日の夜、
 ゆっくり、一読してみてくださいね♪

 
 
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走りに走る、赤玉魂。

2018-02-01 22:05:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふァいッ! テデイちゃもォ、はわいィ~へェゆきたいでス!」
「がるる!ぐるるるる~!」(←訳:虎です!パラダイス~!)

 こんにちは、ネーさです。
 缶コーヒー『BOSS』のCMで日頃はクールな宇宙人ジョーンズさんが、
 初めて自分の感情をバクハツさせ、
 ハワイでの休暇を夢見るシーンが話題になっていますね。
 ああ、私たちもハワイへ行ってみたい♪……のですけれど、
 本日の読書タイムは、
 ハワイではなく関西方面が舞台のようです。
 さあ、こちらを、どうぞ~♪

  



           ―― 太陽と乙女 ――



 著者は森見登美彦(もりみ・とみひこ)さん、2017年11月に発行されました。
 森見さんがデビューして14年、
 その間に著したエッセイ作品をドスン!と凝縮させたのが
 賑々しくも華やかな表紙画、
 きらめく黄金の題字に彩られたこの御本、なんですよ。
 

「あかだまァわいんッ!」
「ぐるるがるるー!」(←訳:タヌキたぬきー!)

 人気の《有頂天家族》シリーズ、
 『夜は短し歩けよ乙女』、
 『聖なる怠け者の冒険』、
 『夜行』――
 大勢の活字マニアさんから愛される作品を
 せっせせっせと書くかたわら、
 森見さんはどんなことを想っていたのでしょう?
 何をしていたのでしょう?

 その疑問は、
 ページを捲るたび、
 ほろほろと解けてゆきます。

「どくしょォ、したりィ~」
「がるるるぐるる~」(←訳:ぶらぶらしたり~)

 御本冒頭の『まえがき』では、

   《眠る前に読むべき本》
   そんな本を一度作ってみたいとつねづね思ってきた。

   あなたがいま手に取っているのはそういう本である。

 と記しておきながら、
 本文の内容は、
 寝る前にぴったりのゆったりのんびり~♪
 ではありません。

「わらッちゃッたりィ~しんみりィしたりィ~」
「ぐっるるがるるるるる?」(←訳:けっこうスペクタクル?)

 嬉しいことに、
 森見さんもシャーロック・ホームズさんのファンなんだわ!
 と判るのは本文25ページ、
 ホームズさんシリーズの短編
 『オレンジの種五つ』についての文章です。

 一方、
 《有頂天家族》ファンさんを嬉しがらせること必至なのは、
 本文61ページ、
 『すべてのアカダマは昭和へ通ず』。

「なァるほどォ、でスねッ♪」
「がるるるる!」(←訳:赤玉への愛!)

   一度だけ茄子(なす)になったことがある。

 と衝撃の告白が明かされているのは
 本文259ページの
 『茄子への開眼』。

 作品『詭弁 走れメロス』舞台化に際してのコメント、
 再演にあたってのコメントも
 ぷふふっ♪と
 読み手を笑わせてくれます。

「わふッ♪ なすゥ~♪」
「ぐるるぅ~♪」(←訳:茄子かぁ~♪)

 私ネーさ的にグッと来てしまったのは、
 『聖なる怠け者の冒険』について書かれた
 本文123~128ページのふたつの文章でした。

 フジモトマサルさんの挿絵による、
 怪人・ぽんぽこ仮面のものがたり!
 その快走と暴走!

 でも、迷路のような冒険物語の新聞連載が終わった後、
 頑張りぬいた森見さんの気力は……?

「そうゥだッたのでスかァ~…」
「がるぅ~…」(←訳:ふうぅ~…)

 喜びも悲しみも
 たおやかに積み上げられた14年分の
 《エッセイ全集》、
 森見さんのファンの方々は、
 ぜひぜひ、一読してくださいね~!


 

 
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