テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ たったひとりで、塗り変える世界 ~

2020-05-21 23:36:17 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こうのとりくんッ、ぐッじょぶゥでスよゥ!」
「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!打ち上げ成功~!)

 こんにちは、ネーさです。
 H2Bロケットに搭載された補給船『こうのとり』は、
 国際宇宙ステーションへ……!
 次回ミッションにはHTV-XとH-3ロケットが登場するとか?
 ああ、この光景をSF作家・野田昌弘さんにお見せしたかったわ……
 と涙を拭いつつ、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



   ―― カラヴァッジョ《聖マタイの召命》 ――



 著者は宮下規久朗(みやした・きくろう)さん、
 2020年2月に発行されました。
 『一枚の絵で学ぶ美術史』と副題が付されています。

「せかいィじゅうでェ、だァ~いにんきィ!」
「ぐるがるる!」(←訳:天才だよね!)

 そうね、バロックを代表する天才画家
 カラヴァッジョさん――
 本名ミケランジェロ・メリージさん。

 天才などと呼んでしまうと、
 雲の上のおひとのように思われますが、
 御本冒頭の『はじめに』の第一行目で、
 著者・宮下さんは
 私たち読み手の心をいきなり鷲掴みにします。

   『カラヴァッジョの《聖マタイの召命》は、
    1600年、日本で江戸時代が始まった年に
    ローマの教会で公開されました』

 って、どう?
 イマジネーションが沸騰しません?

「むむむゥ! せきがはらッ!」
「ぐるがるるるぐる!」(←訳:天下分け目の決選!)

 そう、戦国時代から江戸へと、
 日本の未来を決する戦いが行われたその年、
 はるかシルクロードのはて、
 西欧文化の中心地・ローマでは、
 美術史の流れを一気に変える絵画が
 出現したのでした。

 《聖マタイの召命》――

 この作品がもたらした衝撃の強さたるや、
 まことに途方もなく、
 カラヴァッジョさんの画風を真似る
 多くの追随者(カラヴァッジェスキ)が
 誕生します。

「ひかりとォ、かげッ!」
「がるぐる!」(←訳:写実主義!)

 ルネサンスでもマニエリスムでもない、
 新しい絵画の時代の幕を
 たったひとりで開けたカラヴァッジョさん。

 彼が、《聖マタイの召命》の中に構築した
 “新しさ”とはどんなものなのか?

 主題である聖マタイは、
 画面のどこに描かれているのか?

 気取らず、やさしく、平明な言葉で、
 そして、柔軟な目線で、
 宮下さんは名画の隅々までを眺め、
 掘り下げてゆきます。

「おだやかァなのにィ~!」
「ぐるるるっる!」(←訳:ドラマチック!)

 天正遣欧少年使節が
 日本に帰着したのは1590年のことでした。
 
 ああ、惜しい!
 もうちょっと帰国が延びていたら、
 カラヴァッジョさんと少年使節が
 ローマで出会うこともあったでしょうに、
 いえ、出会ったに違いないのに!

 などなど、
 楽しく空想が深まってゆくアート評論は、
 歴史マニアさんも
 絵画好きな方々にも激おすすめですよ。
 
 特に、展覧会に行けなくて
 悲しい思いをしている方々は、
 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 
 
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今月の顔は、ピーターくん!

2020-05-20 23:02:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ゆけッ、このとりィ~!」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!昇ろう花道!)

 こんにちは、ネーさです。
 5月21日午前2時31分、
 国際宇宙ステーションへ物資を運ぶ無人補給船
 『こうのとり(HTV)』を搭載したH2Bロケット9号機が
 種子島宇宙センターから打ち上げられます。
 H2Bロケットはこの9号が最終号機、
 そして『こうのとり』も最後の飛行……
 有終の美を飾っておくれと拍手で見送りながら、
 さあ、本日は読書でも展覧会情報でもなく、
 ↓こちらの雑誌でリラックスタイムを、どうぞ~♪
 
  



    ―― MOE 2020年6月号 ――



 絵本好きな活字マニアさんにはお馴染みの
 月刊誌『MOE(モエ)』6月号の特集は、
 《ピーターラビット》!

 先日は、『MOE』6月号の特別ふろく
 コンドウアキさん著『ゆめぎんこう』を
 御紹介したのですけれど、
 えーと、そのぅ、
 雑誌本体についての説明を省いてしまったので……

「はんせいィでス!」
「ぐるるぅがるぐる!」(←訳:省いちゃダメです!)

 はい、反省しております。
 ピーターくんたちにお詫びしつつ、
 あらためて、いざ、
 楽しくも怖ろし~い
 ビアトリクス・ポターさんの世界へ!

「ふァ? おそろしィ??」
「がるる?」(←訳:怖いの?)

 《大人になってもっと好きになるピーター・ラビット》

 と題された特集の各ページに
 大きく記されている文章は、
 煽情的かつスリリングです。

   『弱肉強食のスリル』
   『さらわれるこどもたち』
   『食う者と食われる者』
   『魅惑のグルメ ねこまきだんご』
   『小動物の受難物語』
   
「ぷふふッ♪」
「ぐるるっ♫」

 さまざまな角度から作品解読を試みた後には、
 作者・ポターさんが影響を受けた書物、
 ポターさんの略伝、
 作品の中に描かれている
 英国の暮らし&文化、
 ティータイムのお菓子なども
 詳しく取り上げられています。

 特に、
 言葉遊びの工夫や、
 ポターさんのビジネスセンスについてのお話は、
 感心させられましたよ。

「せんけんのォめいッ、ありィ!」
「がるる!」(←訳:やるね!)

 また、本文32ページには、
 インテリア好きな方々も必見のニュースが??

「ひゅゥ! わんだふるゥ~!」
「ぐるるがるーる!」(←訳:なんてユニーク!)

 英国のテキスタイルブランド
 『リバティ・ファブリックス』さんより
 《ピーターラビット・コレクション》が発売、
 しかも日本限定で、
 というんですから、
 リバティプリント愛好家さんは、
 放っとけませんよね。
 (詳細はリバティジャパンのHPをご参照ください)

 他にも、
 ピーターラビットグッズのイベント情報はもちろん、
 画集や絵本、映画、
 アートの話題も充実している『MOE』6月号、
 皆さま、ぜひ一読してみてくださいね~♪




    では、週の半ばのオマケ画像も、ここで!
   
    『チロルチョコ』さんの
    《お茶アソート ほうじ茶ラテ&抹茶わらびもち》で、
    おやつタイムですよ♫
    「ほんのりィ、しぶみィ~!」
    「がるるるぐる!」(←訳:おすすめです!)


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~ 《知りすぎた男》、その孤独 ~

2020-05-19 22:36:37 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 あいかわらずゥのォ、もうゥすぴィーどォ!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!目にも留まらぬ!)

 こんにちは、ネーさです。
 朝から雨模様の今日は、
 ツバメくんたちも元気ハツラツ!
 カメラを構えてみたものの、
 尾ッポの影すら捉えられませんでしたよ。
 プロカメラマンさんって凄いのねと
 あらためて敬服しつつ、
 さあ、本日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



      ―― 知りすぎた男 ――



 著者はG・K・チェスタトンさん、
 原著は1922年に、画像の日本語版は2020年5月に発行されました。
 英語原題は『THE MAN WHO KNEW TOO MACH』、
 《ブラウン神父》シリーズの著者として
 ミステリ史にその名を刻むチェスタトンさんによる
 異色の連作短編集です。

「むゥ? しんぷさんッ、でてこないィのでスかッ?」
「ぐるがるるる!」(←訳:名物なのにね!)

 この御本で“探偵役“を務める人物は、
 或る意味では
 ブラウン神父さんとよく似ています。

 神父という聖職者でありながら、
 いえ、
 神父さんであるため、でしょうか、
 《善》とは真逆の《悪》の世界――
 社会の暗黒面をよく識り、
 犯罪者の心の機微に通じているブラウン神父さん。

 対して、
 この物語の探偵さんは、
 『知りすぎた男』の題名の通り、
 物事の何もかも、
 《表》も《裏》も知っている
 ホーン・フィッシャーさん。

「ちしきのォ、かたまりィ?」
「がぅるぐるるる?」(←訳:じゃあ推理力は?)

 記者ハロルド・マーチさんが
 ボーン・フィッシャーさんと知り合ったのは、
 とある日の、お昼どき。

 財務大臣とのインタビューだ!
 と張り切るマーチさん、
 目的地へテクテク歩いてゆく途中、
 釣りをしている様子のフィッシャーさんを見つけ、
 和やかにお喋りなどしていると。

「ひゃわわわッ!」
「ぐるる!」(←訳:何あれ!)

 突然の、轟音。

 断崖の上から自動車が飛び出し、
 落下したのです。

「たッ、たいへんッ!」
「がるぐる!」(←訳:事故だあ!)

 事故……
 本当に事故なのでしょうか。

 目の前で起こった惨劇に
 マーチさんは愕然となりましたが、
 フィッシャーさんは慌てず騒がず、
 冷静に観察します。

 惨劇の経緯は、原因は、
 はたしてフィッシャーさんの
 “知るところ“となるのか……?

「こんがらァがッてるゥ!」
「ぐるがるる~」(←訳:複雑だねえ~)

 『標的の顔』
 『消えたプリンス』
 『少年の心』
 『底なしの井戸』
 『塀の穴』
 『釣師のこだわり』
 『一家の馬鹿息子』
 『彫像の復習』 
 
 と、8作品から成る
 《知りすぎた男》の物語の行方は――

「まどわされェまス!」
「がるるぐる!」(←訳:重厚な展開!)

 《ブラウン神父》シリーズとは
 大いに趣向を異にするこの作品では、
 プロ中のプロたるチェスタトンさんの
 腕が冴え渡ります。 

 ミステリ好きさんだけではなく
 サスペンス好きさんにも
 おすすめしたい一冊ですから、
 書店さんで、図書館で、
 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 
 
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~ まわる、まわる、フジモトマサルさんの世界 ~

2020-05-18 23:15:08 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 のぶながさァんッ! がんばッてェ~!」
「がるる!ぐるるるるがる!」(←訳:虎です!ここからが山場!)

 こんにちは、ネーさです。
 NHK大河ドラマ『麒麟がくる』、いい感じです♪
 染谷将太さん演じる信長公の、
 桶狭間の戦いはどう描かれるのかしら?
 俳優さんたちの熱演に拍手を送うりながら、
 さあ、読書タイムですよ。
 本日は、こちらの御本を、どうぞ~!

  



     ―― フジモトマサルの仕事 ――



 編者はコロナ・ブックス編集部の皆さん、
 2020年4月に発行されました。
 発売されるやネット書店さんではたちまち売り切れ、
 再入荷してもまた売り切れ、再々入荷してもまた……と、
 殆ど争奪戦状態になっている大人気作品です。

「ようやッとォ~!」
「ぐるがるるるるるる!」(←訳:手に入れたんだもん!)

 フジモトマサルさん(1968~2014)。

 フジモトさんの御名前を知らぬ方々も、
 その作品を一目見れば、
 必ずや、

  あ! そうか、これって!

 と頷くに違いありません。

「むらかみィさんのォところッ!」
「がるるぐる!」(←訳:あの絵だよ!)

 作家・村上春樹さんが期間限定で解説したウェブサイト
 『村上さんのところ』上でイラストを担当したのが、
 フジモトさん、でした。

 サイトは119日間で1億PVという
 驚異的な閲覧数を記録し、
 反響は特大!

 『村上さんのところ』を訪問したのを機に
 フジモトさんを知った活字マニアさんも
 大勢いらしたことでしょう。

「でもねッでもねッ!」
「ぐるるがるるるる!」(←訳:他にもあるんです!)

 この御本には、
 フジモトさんの代表作&人気作や、
 エッセイ、
 コミック、
 制作風景、
 インタビュー、
 年譜、
 フジモトさんの著作・作品一覧、
 フジモトさんが装丁および装画を担当した作品データなどが
 収録されています。

 私ネーさが好きで堪らないのは、
 画文集『終電車ならとっくに行ってしまった』、
 回文愛好家のバイブル『ダンスがすんだ』、
 そして、
 森見登美彦さん著『聖なる怠け者の冒険』の挿絵!

 あ、それにね、
 限定生産したグッズもステキ極まってるわ!

 マグカップ……欲しい!
 手拭い……かわいい!
 年賀状……額に入れて飾りた~い!

「あはァ! これもォいいなァ♪」
「がっるる!」(←訳:マッチ箱!)

 本文71ページから77ページには
 『VARIOUS WORK いろいろの仕事』として、
 デザイナーとしてのフジモトさんのお仕事の記録が
 掲載されています。
 
 また、
 御本の冒頭には村上春樹さんの、
 エッセイのパートの中には
 穂村弘さん、糸井重里さん、森見登美彦さん、
 ブルボン小林さん、及川賢治さん、
 北村薫さん、長嶋有さんによる文章もあって、
 そのどれもがすばらしくて……

 どうしようもなく、
 泣いてしまうのです。

「もッとォ、みてみたいィのでス!」
「ぐるるるるるるがるるる!」(←訳:フジモトさんのお仕事を!)

 書物を愛するすべての方々に、
 あらためていま、
 知っていただきたいフジモトさんの世界、
 フジモトさんの創造力。

 休業中の書店さんも多い現在は、
 まだちょこっと入手に手間取るかもしれませんが、
 全活字マニアさんに激おすすめの一冊です。
 どうか皆さま、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 
  
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~ 迷宮真っ向勝負? ~

2020-05-17 22:31:49 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ふゥッ! やッとォ、とれたァのでスゥ!」
「がるる!ぐるるる!」(←訳:虎です!消えたね!)

 こんにちは、ネーさです。
 昨日の“パニック!改造ココア人間誕生!”騒動から
 ようやく復活しました。
 ジーンズやTシャツに付着したココア粉って、
 なかなか落ちなくて苦労しましたが、
 気分爽快となった本日の読書タイムは、
 さあ、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
     ―― ダンジョン飯 9 ――



 著者は九井諒子(くい・りょうこ)さん、
 2020年5月に発行されました。
 『DELICIOUS IN DUNGEON』と英語題名を冠する
 “魔物を食べながら地下迷宮を探検しよう!”シリーズも、
 ついに9巻目に突入です。

「いがいィなことにィ~」
「ぐるるがるるる!」(←訳:迷宮は食材豊富!)

 魔物を、魔物としてではなく、
 ゴハンとして見る。

 そう、もともとは、
 経費削減のためでした。

 剣士ライオスさん、
 迷宮探検中に
 龍に食べられてしまった妹を救い出すべく、
 急ぎ装備を整え直して迷宮深部へ取って返そうとしたのですが、
 ああ~資金がたりない~…!

「うむッ! せつやくゥしようゥ!」
「がるぐる!」(←訳:食費をね!)

 削った食費は
 現地調達で。

 食べられそうなモノを迷宮内部で調達しながら、
 よっしゃ、最深部へGO!

 そして、とうとう、
 地下迷宮の秘密が明かされる時が来ましたよ。

「いきなりィ!」
「ぐっるる!」(←訳:びっくり!)

 まさかこの9巻で物語の核心が?
 いやあ、でも、そうか、
 そういうことだったのね!
 と感心していると……。

「あれッ?」
「がるっ?」

 9巻の後半部分では、
 明かされたはずの核心が
 再び揺らぎ始めます。

 さながら、
 検察側の主張と
 弁護側の主張が
 真っ向からぶつかるように。

「またァ、わきゃらなくゥ~なッてきましたでス!」
「ぐるるるがる??」(←訳:どういうこと??)

 迷宮の本質は、真実は、
 どこにあるのか。
 誰が正しいのか。

 よくお腹こわさないわねえ~…
 胃痛を起こしそうだわぁ~…
 と、私たち読み手をおののかせる
 ライオスさんたちの探検行は、
 どこに“正解“を見出すのか?

「まだまだァ、つづくゥ?」
「がるるぐるるる!」(←訳:お気をつけてね!)

 剣と魔法とグルメを大盛りに、
 涙&笑いも添えた冒険譚、
 コミック好きな御方はもちろん、
 ファンタジー好きな活字マニアさんも、
 ぜひ、一読してみてくださいね♪


 
 
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― プロセスで、魅せるんです ―

2020-05-16 21:55:20 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ……くんくんッ! このォあまいィ~かおりィはァ~」
「がるる!ぐるるがる!」(←訳:虎です!ココアだね!)

 こんにちは、ネーさです。
 ココアを作ろうとして袋の口を開けたら、
 そこで、バフッ!ポン!と何かがハジケまして、
 ほぼ全身ココア粉まみれになりました……
 マジか~と自分で自分にツッコミながら、
 さあ、本日は読書をサボり、
 こちらの展覧会情報を、どうぞ~♪
 
  


    
    ―― 絵画、その制作とプロセス ――



 東京・世田谷区の宮本三郎記念美術館にて、
 会期は2020年4月1日~10月4日を予定しておりましたが、
 現在は臨時休館中となっています。
 
「ふむむゥ! ぷろせずゥ、でスかッ」
「ぐるるがるるるるる?」(←訳:普通は見せないよね?)

  

 そうですね、
 美術館での展覧会では、
 作品の下絵や
 ラフスケッチが展示されることもあります。

 けれども、
 作品の制作過程を詳しく公開しちゃう、というのは、
 珍しいんじゃないかしら。

「ここではァ~…」
「がるるぐるるる!」(←訳:見せて魅せます!)

 この展覧会では、
 『Process and Practices』の英語題名が示すように、
 昭和の画壇で活躍した
 宮本三郎(みやもと・さぶろう)さん(1905~1974)の
 作品制作の過程――
 幾度もデッサンを重ねたり、
 同主題でモデルのポーズや構図を変更したり、といった
 普段なら公にされない
 《挑戦の軌跡》に光が当てられます。

  

 東京や神奈川など、
 緊急事態宣言が解除されていない地域以外では、
 今週末からは少しずつ経済が動き出し、
 美術館・博物館も開館する……かと思われます。

 いよいよ待望のアートライフ再開!
 特別展や企画展に即行よ!
 って、それが出来たら嬉しいんですけど……

「まずはァ、ごようじんッ!」
「ぐるるるるる!」(←訳:慌てないでね!)

 パンダ!ペンギン(2羽分ね)!と
 ソーシャルディスタンスを守りながら、
 どうか皆さま、穏やかな休日を。




    では、ここでオマケ画像も~♫
   
    『森永』さんの
    《ピノ 期間限定 ショートケーキアソート》は、
    イチゴ系スイーツ好きな御方におすすめですよ。
   「ちょうどォいいィ~さいずゥ、なのでス!」
   「がるるるるぐるる!」(←訳:ひとくちでパクリ!)
   「もぐゥ!ぱくッ!ぱくくッ!ぱくくくッ!」
   「ぐるがるる~!」(←訳:誰か止めて~!)


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~ 戦国グルマンカタログ ~

2020-05-15 23:44:28 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 こんしゅうゥもォ、みごたえェありそうでス!」
「がるる!ぐるるるるる~!」(←訳:虎です!大盛り上がり~!)

 こんにちは、ネーさです。
 今季は朝ドラ『エール』と、
 大河ドラマ『麒麟がくる』も熱心に視聴しております。
 両作品ともコロナ禍のため
 放送休止が噂されておりますが、
 俳優さん&スタッフさんにエールを送るべく、
 さあ、本日の読書タイムは、
 ↓こちらの御本で“歴史体験“を、どうぞ~♪

  



     ―― 戦国、まずい飯! ――


 
 著者は黒澤はゆま さん、2020年2月に発行されました。
 はい、21世紀の食事情をしばし忘れ、
 ハートをはるかな過去へㇲッ飛ばしてみましょう。
 貴方の今日の夕ご飯は……?

「ううゥ~むゥッ!」
「ぐるるるるがるるる!」(←訳:マズいのはヤダよう!)

 日本の歴史上に燦然と輝く偉人さんたち、
 或いは名もなき一般市民さんたちの、
 食卓にはどのようなお料理が並んでいたのか。

 そんな《食の謎》に
 著者・黒澤さんが惹きつけられたのは、
 1987年に放送された大河ドラマ『独眼竜政宗』が
 きっかけでした。

 渡辺謙さん演じる伊達政宗公が、
 わっしゃわっしゃと掻き込む『湯漬け』。

 あれ食べてみたい、
 と言う黒澤少年の手に、
 お母様は『湯漬け』を作って渡してくれたのですが。

「みずッぽいィ!」
「がるぐるる!」(←訳:味がしない!)

 正直、食えたもんじゃない。
 そう思いつつも、
 黒澤少年の胸の奥に灯った情熱の灯は消えず、
 むしろ興味は募ったのでした。

 戦国時代の、真の食事情とは、いったい?

「おいしィものォ、ありまスかッ?」
「ぐるるるがっるる?」(←訳:マズいのばっかり?)

 目次の章題を見てみますとね、
 なんとな~く当時流通していた農産物や
 食材、調理法が分かってきます。

 第一章は『赤米』、
 第二章は『糠味噌汁』、
 第三章『芋がら縄』、という具合で。

「なわッ??」
「がるぐるるるる?」(←訳:縄を食べるんだ?)

 芋がら縄とは、
 里芋の茎(ズイキ)をよく干して、
 縄状に結い上げ、
 味噌で味をつけて煮てから
 荷縄にしたもの。

 その縄を刻んで水に入れ、
 火にかけて掻き混ぜれば、
 はい、ズイキ入り味噌汁の出来上がり。

 戦国時代マニアさんには
 よく知られているこの『芋がら縄』、
 黒澤さん、苦労しながらも自作してみたんです。

 2週間かけてやっと完成したそれを、
 少し千切って、そのまま食べてみると。

「……あッ!」
「ぐるる!」(←訳:美味い!)

 縄なんて美味しくないさ!
 と決めつけたのは、間違いだった?
 まずそうなのは名前だけ?
 いやいや、
 そうとも言い切れない?

 ひとくちに、
 戦国時代の人間と言っても、
 侍大将と、
 足軽さんたち雑兵では、
 まったく食べるものが違う。
 調理法や、量も違う。

「それでもォ、しゅつじんッ!」
「がるるるぐるるがるるるるるる!」(←訳:限られた食材で生き延びるんだ!)

 風雲急を告げる時代の、
 食生活や如何に。

 歴史好きな方々、
 食いしん坊を自認する活字マニアさんに、
 激おすすめの一冊です。
 ぜひ、戦国食レポに挑んでみてくださいね~♪
 

 
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~ ミュゼ探検の、予習と復習 ~

2020-05-14 23:42:34 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ちくおんきィ、ほしいィかもッ!」
「がるる!ぐるるがるるる!」(←訳:虎です!手元に置きたい!)

 こんにちは、ネーさです。
 NHK朝ドラ『エール』でたびたび大写しになるのは、
 蓄音機&レコード!
 いいなあ♪ いつか我が家にも1台……って、
 そもそもどこで売ってるのかしら?お高いの?と
 首をヒネったりしながら、
 さあ、本日の読書タイムは
 こちらの御本を、どうぞ~!

  


 
     ―― 東京ミュージアムガイド ――



 編者は朝日新聞出版の皆さん、2020年2月に発行されました。
 『TOKYO MUSEUM GUIDE』と英語題名が付されています。

 ……ええ、分かってるんですのよ。
 前回記事の展覧会情報でもお伝えしましたように、
 今日2020年5月14日現在、
 東京都内の美術館・博物館の扉には
 《休館中》の札が掛けられている……のだとしても。

 《CLOSE》ではなく
 《OPEN》!
 と堂々と表示される日のために出来ることは。

「よしゅうゥ! ふくしゅうゥ!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:知識を蓄えよう!)

 この御本で取り上げられているのは、
 国立や都立の公立美術館から
 民間のアートギャラリーまで、
 大小のミュージアム約100軒。

 そして、トップバッターとして
 本文の冒頭を飾っているのは、
 私ネーさも大々好きな
 『東京都庭園美術館』です。

 かつては朝香宮邸であったアールデコ建築の館には、
 ええ、クラシカルなデザインの
 蓄音機がとてもよく似合いそうな♪

「こッちもォでス!」
「がるるぐるるるる!」(←訳:さらにクラシカル!)

 アールデコよりも時代を遡り、
 19世紀後半のヴィクトリアン様式を体感できるのは、
 東京駅からも程近い丸の内の、
 『三菱一号館美術館』。

 他方、
 目黒の『日本民藝館』は、
 20世紀中頃の“昭和“っぽさが窺えますね。

「ぴかぴかァもォ、ありまスゥ!」
「ぐるぅるがるる!」(←訳:おしゃれモダン!)

 『東京都現代美術館』や、
 お台場の
 『森ビルデジタルアートミュージアム:エプソンチームラボボーダレス』、
 神楽坂の『草間彌生美術館』は、
 ヴィクトリアンとは対照的に
 現代的なデザインの美術館です。
 これは、蓄音機よりも
 SONYさんのハイスペックなスピーカーが
 しっくり来そうな内装だわね。

「あーとをォ、たのしんだあとォはァ♫」
「がるぅる!」(←訳:カフェへ!)

 なんてステキな!
 と見入ってしまったのは、
 六本木にある『サントリー美術館』の
 カフェメニューです。

 サントリー美術館は、
 本来でしたらちょうど昨日5月13日から
 リニューアルオープン記念展が始まるはず、でした。
 あらためてオープン日が決まったら、
 行ってみたいですね、
 和風パフェや麩あんみつをいただきに、
 じゃなくて、
 サントリーさん秘蔵の美術品を拝見に。

「ここもォ、おすすめェでスよゥ!」
「ぐるるるるるがるる!」(←訳:山種美術館の和菓子!)

 という具合に、
 各美術館の代表的な所蔵品、
 美術館の建物、
 カフェの名菓やミュージアムグッズなど、
 この御本では
 東京の美術館とギャラリーの見どころ・愉しみどころが
 丁寧に紹介されています。
 
 美術館によっては
 2020年度のスケジュールの一部も掲載されていたり、
 巻末には
 《東京からひと足のばしてアートトリップ》の章があり、
 郊外の美術館へもちゃんと目が配られています。

 2020年後半のアートカレンダーがどうなるのか、
 まだまだ見通しは不明ですけれど、
 アート好きな方々、
 美術館巡りを趣味にしている方々は、
 ぜひ一読してみてくださいね~♪


 
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リッチな小国には、名画がザクザク!

2020-05-13 21:48:54 | ミュゼ
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 ぷふゥ! いちだんとォ~にぎやかァ??」
「がるる!ぐるがるるるぐぅる!」(←訳:虎です!元気ハツラツじゃん!)

 こんにちは、ネーさです。
 ツバメくんたちは今日も我が家の庭を
 歌いながら飛び回っています……が、
 速い! 速すぎる!
 そんなに速く飛んでどうする?
 ブレーキ機能とか姿勢制御とかどうなってるの?
 と、心配になっちゃったりしながら、
 さあ、本日は読書をサボって
 展覧会情報をお送りしますよ。
 こちらを、どうぞ~♪
 
  



 ―― ヨーロッパの宝石箱 リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展 ――



 東京・八王子市の東京富士美術館にて、
 会期は2020年5月2日~7月5日を予定していましたが、
 現在は臨時休館中です。

「はるばるゥ~やッてきてくれたァのにィ!」
「ぐるるがる!」(←訳:悔しいよう!)

  

 そうね、リヒテンシュタイン公国は、
 はるばる、という言葉が相応しいような
 欧州の小国です。

 スイスとオーストリアに挟まれた山岳国家には、
 大きな国際空港は無いので、
 リヒテンシュタインへ行こう!と思ったら、
 陸路を択るしかなくて。

 つまり、交通至便とは
 お世辞にも言えないんですけど。

「うふふッ! じつはァ~…」
「がるるるぐるる!」(←訳:お金持ちなんだ!)

 はい、↑上の画像は、
 代々の侯爵家の居城である
 ファドゥーツ城。

 ディズニー映画のモデルにしたいくらいの
 ロマンティックな外観のこのお城の内部は、
 名画で埋め尽くされているといいます。

  

 ルーベンスさん、ヤン・ブリューゲル(父)さん、
 クラーナハ(父)さん他、
 北方ルネサンスの巨匠さんたち、
 バロックやロココを中心とした絵画作品。
 
 そして、陶磁器――
 ハプスブルク家に庇護されたウィーン窯の作品、
 中国の景徳鎮や
 日本の古伊万里に金属装飾を施した装飾品なども
 この展覧会のために
 来日しているんですよ。

「みられないィのがァ、ますますゥ、くやしィ~でス!」
「ぐるがるぐるる!」(←訳:必ず開幕してね!)
「まッてまスようゥ~!!」

 ただただ、祈ります。
 世界に平穏な日々が復ることを。
 
 


    
    では、ここでオマケ画像も、ちょこっと♪
   
    我が家のジャングルな庭の一画に、
    アヤメちゃんたちが美しく咲きました。
    夕方に撮ったので、
    赤っぽい色合いになってしまって……
    実際の色味は、もっとクリアな、
    すっきりした青系です。
    ご笑納くださいませ♫




    
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~ ここに機智あり ~

2020-05-12 23:03:12 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 むッ? わほゥ! あのォこえはッ!」
「がるる!ぐるるるがるる~!」(←訳:虎です!ツバメの声だよ~!)

 こんにちは、ネーさです。
 ここ数日、我が家のジャングルな庭で聴こえるのは、
 ツバメくんたちが鳴き交わす
 チッチチッチィという声……
 近くに巣があるのかな?と耳をいっそう澄ませながら、
 さあ、ナイチンゲールさんの誕生日であり、
 看護の日でもある今日5月12日の読書タイムは、
 こちらの御本を、どうぞ~♪

  



     ―― よりぬきウッドハウス 2 ――


 
 著者はペルハム・グレンヴィル・ウッドハウスさん、
 2014年3月に発行されました。
 
 著者・ウッドハウスさんの母国である英国では、
 王室の方々も一般市民さんも
 ウッドハウスさんの作品が大好き!で、
 日本でも上皇陛下が大ファンだと報じられたことから、
 ウッドハウスさんの御名前は
 確実に浸透しつつありますね。
 
「うれしィのでス!」
「ぐっるがるるぐる~!」(←訳:もっと有名になれ~!)

 ウッドハウスさんの代表作、といえば、
 それはもちろん、
 《ジーヴス》シリーズ!

 完全無欠にして大胆不敵、
 才智に長けた
 比類なき名執事・ジーヴスさんと、
 お金持ちの青年・バーティーさんの
 トンチンカンなやり取りが笑いを生み出す
 大人気シリーズですね♫

 けれども、
 ウッドハウスさんの著作は、
 《ジーヴス》ものだけではなかった訳で。
 
「たァ~くさんッ、ありまスゥ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:どれもヘンテコ!)

 『よりぬき』と題されたシリーズで
 紹介されているウッドハウスさんの作品は、
 日本で独自に編まれたアンソロジーで、
 《ジーヴス》もの以外の短編作品が収録されています。

 そして、
 この『よりぬきウッドハウス2』の、
 “ゴルフもの”と呼ばれるシリーズからの2作、
 “マリナー氏“シリーズからの6作、
 他には“ユークリッジ“シリーズなど、
 全13作品の中で、
 私ネーさのイチ推しはと言えば――

 『バトリング・ビルソンのカムバック』。

「ぷふふッ!」
「ぐるるっ!」

 物語は、
 ユークリッジさんとコーキーさんが
 映画についてお喋りしている場面から
 始まります。

 それがいつしか、
 会話のテーマはスポーツに?

 ええ、ゴルフやサッカー(フットボール)、
 ラグビーにポロにクリケット、と
 英国発祥のスポーツは多々ありますが。

 ユークリッジさん、
 ボクシングには特別な思い入れがあるようで、
 その理由っていうのは――

「しッしッ!」
「がるるるぐるがる!」(←訳:ネタバレ回避だよ!)

 むふふ、そうですね、
 これ以上のお喋りは厳禁なんですけれども。

 《ジーヴス》シリーズ好きな御方は、
 この1編を読めば、
 きっとニヤニヤ笑いが止まらなくなるはず。

「おなかのォ~かわがァ~♪」
「ぐるるるぅ!」(←訳:よじれるぅ!)

 英国ならでは?の、
 ヒネくれて、アイロニックで、
 どうしようもなくおバカだったり、
 それでいて、心身をのびのびさせてくれる
 勇気と、機智と、独創力。

 ナイチンゲールさんも(たぶん)にっこりして
 気に入ってくださること必定の、
 愉快でヘンテコなウッドハウスさんの傑作選、
 “笑える本”をお探しの活字マニアさんは、
 ぜひ、手に取ってみてくださいね。
 
 
 
 
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