喫茶 輪

コーヒーカップの耳

読了『八月十五日の神話』

2022-05-09 15:48:35 | 本・雑誌
孫のkohから借りている本『八月十五日の神話』(佐藤卓巳著・ちくま学芸文庫)を読了。

ところどころ斜め読みしながらではあったが、読み終えた。
kohは「おもしろい」と言ったが、たしかにある意味おもしろかった。
これまで考えもしなかった視点が示されていて少なからぬ衝撃を受けた。
そうだったのか!と。
これまで日本の終戦記念日を八月十五日と疑うことをしらなかったが、それには大いに疑義があることだと気づかされた。
事実は、
日本は八月十四日にポツダム宣言を受諾して降伏している。
そして明くる十五日は、天皇が国民にラジオでそれを知らした日。
さらに降伏文書に調印したのは九月二日。国際的にはこちらが主役。
さらに、四月二十八日にサンフランシスコ講和条約が発効したので、この日が日本の「主権回復の日」といろいろ難しい。
結論として、著者の佐藤卓巳氏はこう書いておられる。
《ひとまずは戦争責任の議論と戦没者の追悼は、その時空を切り離して行うべきだと考える。そのためには、お盆の「八月十五日の心理」を尊重しつつ、それと同時に夏休み明けの教室で「九月二日の論理」を学ぶべきだろう。》と。
内容の厚い本だった。
知らなかったことを知ったという意味では、kohの言うように非常におもしろい本だった。
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七沖さんのFBより

2022-05-09 08:02:53 | 『恒子抄』
サンマーク出版の元編集長で、現在「株式会社なないち 代表取締役」の鈴木七沖さんのFBからです。
自らを「編集師」と呼んでおられます。

作家のドリアン助川さんのご縁から
詩人・今村欣史さんとご縁がつながったのは
2015年の12月29日。
欣史さんが兵庫県神戸市(ママ)で営まれている
「喫茶 輪」を訪ねたのが最初でした。
笑顔で迎えてくれた欣史さんは、
ご自身が書かれた詩集を開きながら、
喫茶店のカウンター越しに味わった
様々な人間模様を聴かせてくれました。
もう7年半前の出会いです。
先日、久しぶりに欣史さんから封書が届きました。
他の郵便物に紛れていて開封が遅れたのですが、
小さな詩集が同封されていました。
『詩集 恒子抄』
な、なんと! 結婚50周年を記念して、
欣史さんが奥様のために制作した詩集だったのです。
50年も寄り添うなんて、
どんな気持ちなんだろう(お互いに)。
僕なんて、たった6年で死別しちゃったから、
まったく想像もつきません。
全39編(サンキュー?)の詩の中で
思わず胸キュンになった作品がありました。
紹介させてください。

「二人きり」
二人きりの生活になって
もうどれほどになるのだろう
家の中に一ヶ所
きわめて狭い通路がある
恒子がときにそこで用事をしている
通り抜けるには
どうしてもからだがふれあってしまう
そしてわたしは
 (一行省略)
わたし七十八歳
恒子七十四歳
だれだ 笑っているのは。

欣史兄さん、とっても素敵です

2011年、自作のドキュメンタリー映画を広めるために始めたFacebook。ちょうど11年間続けてきて、いちばん感謝しているのは、たくさんの感性豊かな方々とご縁がつながったことです。
有名無名なんて、どーでもいい。「自分の言葉」をお持ちの方々との交流は、ものすごい刺激を僕にプレゼントしてくれました。
欣史兄さんも、その1人。普段、お会いすることはないけれど、存在していてくださるだけで触発されるアーティストです。
『恒子抄』もし読みたい人がいたら、どうすればいいんだろうか? できれば僕と同世代か、もしくは先輩たちの世代にこそ読んでいただきたい!



鈴木さんはこう書いて下さっていますが、『恒子抄』は少部数発行でしたので残念ながらご要望には応えられません。
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