牧田栄子さんの詩集『春雷』です。
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澪標から2005年に発行されたもの。
「おもいでをありがとう」という詩があります。
←クリック。
震災の記憶が漂っています。切ないですね。
これは「やめた」。
←クリック。
最終行、「くやしいったらありゃしない」のユーモアに拍手。
わたし、詩の中のかすかなユーモアが好きなんです。
そして「予感」。
←クリック。
これは保育所勤務が終りに近づいたころの詩でしょうか。しみじみと読めます。
上記三つの詩は、ページが並んでいます。
どのページを開いてもいい詩が載っているというわけです。
それから私が感心したのは短詩の群れです。鮮やかな手つきで草花に命を与え、しかもユーモアを漂わせて。
牧田さんが「今村さんに読んでほしい」と言われたわけが分かります。
その短詩の中から一篇紹介しましょう。
「ぶどう」
薄い皮
黒紫いろに渋い
重い
ふくらませたのは
太陽か
グルメか
ひとつぶとれば
エントリーぜんぶが
はずれそう
そのまえに
話を聞こうか
一番下のでっかいのから
あ、もう一つ。
「貝のボタン」
裁縫箱の引き出しで
カタコト
あの時代
ネクタイするとき
ひかっていた
玄関を行く姿
いつも
新鮮だった
やわらかな白い麻
似合っていた
引き出し開けるたび
カタコト
この詩集の中で最もわたしが好きな詩です。
『コーヒーカップの耳』おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。
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澪標から2005年に発行されたもの。
「おもいでをありがとう」という詩があります。
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震災の記憶が漂っています。切ないですね。
これは「やめた」。
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最終行、「くやしいったらありゃしない」のユーモアに拍手。
わたし、詩の中のかすかなユーモアが好きなんです。
そして「予感」。
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これは保育所勤務が終りに近づいたころの詩でしょうか。しみじみと読めます。
上記三つの詩は、ページが並んでいます。
どのページを開いてもいい詩が載っているというわけです。
それから私が感心したのは短詩の群れです。鮮やかな手つきで草花に命を与え、しかもユーモアを漂わせて。
牧田さんが「今村さんに読んでほしい」と言われたわけが分かります。
その短詩の中から一篇紹介しましょう。
「ぶどう」
薄い皮
黒紫いろに渋い
重い
ふくらませたのは
太陽か
グルメか
ひとつぶとれば
エントリーぜんぶが
はずれそう
そのまえに
話を聞こうか
一番下のでっかいのから
あ、もう一つ。
「貝のボタン」
裁縫箱の引き出しで
カタコト
あの時代
ネクタイするとき
ひかっていた
玄関を行く姿
いつも
新鮮だった
やわらかな白い麻
似合っていた
引き出し開けるたび
カタコト
この詩集の中で最もわたしが好きな詩です。
『コーヒーカップの耳』おもしろうて、やがて哀しき喫茶店。