あいよっこの旅ログ:::Part2:::

「女性のひとり旅は冒険の始まり!」

天才と博士と数式と ③

2019-08-08 19:32:06 | 天才と博士と数式と

   写真は「2019 東北の桜 宮城県~福島県」

   写真上:相馬の中村神社・城址は国の重要文化財。

       外堀の桜と噴水が強い風に揺れていた

 

  前々回、四本(よつもと)裕子東京大学准教授は「男性の脳と女性の脳は確かに同じではありません…」とも言われています。

 

  あいよっこが思うに、男女で最大の違いと言えば「こどもを妊娠、出産、育児」する身体的・脳的機能でしょう。お母さんは「赤ちゃんの気持ちをわかろうとし、言語で伝える必要」があり、表現能力、言語能力、コミュニケーション力は高くなるだろう、と推察できます。

 

  こどもたちの遊びにも違いがあり、女児は丸くてふわふわに興味津々で、小さいものをお世話したがる傾向があり、とにかくおしゃまでおしゃべりも大好き♥。これは産まれた時からプログラミングされている文系素質なのでしょうか?

 

  だけどどこからどこまでが「脳自体の形態・機能の違い」なのか、あるいは「長い歴史を経て選択され、DNAに書き込まれた違い」なのか、「ジェンダーや環境に適合した結果」なのかを区別することは難しそう。

 

  あいよっこもまた「自己表現に使うのはそりゃ『言語』でしょ」という感覚だったので、人生の半ばで「数字で自己表現するタイプも存在する」ことを知ったのは、いわば青天の霹靂に近かったです。それまで「数字」は質量の大小や計算に使う単なる記号でしかなかったのですから・・・。

 

  さて心理学で最も学生を悩ませるのは「心理統計学」ではないでしょうか?特に文系学生にはやっかいもので、あいよっこも例外ではなかったです。「調査データや実験結果がどのくらい信頼できるのか」を調べる「統計検定法」には各種ありますが、学んでいるとかなりな場面で???に陥るのです。

 

  まあ一番はなんといっても「帰無仮説(きむかせつ:null hypothesis)」でしょうね~。たとえば一般的な「t検定」では、有意水準(誤差の範囲)を5%あるいは10%に設定し、「AとBのデータに(有意)差がない」という「帰無仮説」を立てます。次にこの「帰無仮説を棄却する」、つまり正しくないとすることで、最初の「対立仮説(本来証明したい仮説)が正しい」と結論づけるのです。その他に「自由度」なんかも、自分が期待する結論を得るために設定できたりするのです。

 

  はあ~っ? まず「反対の帰無仮説」を立て、それを棄却(否定)することで元々の「対立仮説が肯定される」。それって「敵の敵は味方」に似てるやん。絶対に正しいと言えるの~?とつっこみたくなります。とはいいながらこのことば、考え方を初めて知り、なぜか気になり、いっとき「ヌル・ハイポセシス」をIDに使ったりしていたんだけどね~。

 

  「統計」と聞くと確かな集計、正しい数字、きちんとした数式に基づいた計算、だとあたりまえに思っていました。実はデータの取り扱いとか集計とか検定方法などにおいて、結構「数字マジック」的なこともあるのかも?とひそかに感じたのです。

 

  すると8/4付け読売新聞・編集手帳では「…米国の警察ドラマのセリフに『うそには3つの種類がある。うそと大うそと統計だ』」といったジョークを紹介しています。ほんまや~!学んだおかげで、厚生労働省の「毎月勤労統計」などで不適切な手法、データ処理が行われたことなども納得できたもんね。

 

    ***続く***

    写真上:数年前訪れた宮城県亘理町「鳥の海の慰霊塔」

        震災で甚大な被害を受けた周辺は大きく様変わりし、

        人家はなく(居住できない)みわたす限りの広さ。

        高い堤防が築いてあり(写真下)いまだクレーン車が動いている。

        「わたり温泉 鳥の海」が再開し、温泉、宿泊施設、レストラン

        が営業している。最上階5階の温泉では太平洋を見ながら

        温泉を楽しめる。

        

    写真上下:塩竃神社の有名な「しおがまやえざくら」

         手毬状に咲く国指定天然記念樹

         遅咲きなのでまだつぼみ

   

  

    写真上下:中村城址と中村神社の桜


天才と博士と数式と ②

2019-07-29 14:07:04 | 天才と博士と数式と

   写真は「2019 東北の桜 宮城県~福島県」

   写真上:白石城にある増岡公園は桜の名所 夕暮れ時に。

 

  今回はちょっとテーマから離れるような?離れないような?

 

  最近、特に男性による暴力的で攻撃的な事件の続発に心が痛みます。なんの関係もない不特定多数の方々が被害に遭われるのは、本当に理不尽でことばを失ってしまいます。(合掌)

 

  報道からの情報だけですが、犯人たちの事件への動機も不確かで、自らの不平不満、世の中への怒りをただただぶつけただけのようにも感じられ、感情や状況の表現方法がこれしかなかったのか?こうなる前になんらかの支援・方法がなかったのか?と残念でなりません。

 

  さらに2019/3/29に初めて内閣府が発表した「ひきこもりの高齢化に関する実態調査」では、「40〜64歳までのひきこもり当事者の推計人数が約61万3000人、また40歳未満が約54万人であり、そのおよそ4分の3が男性」という驚きの結果となっています。

 

  40〜64歳といえば親、まあ特に教育ママからは「良い成績、良い学校、良い会社」を求められ、結婚相手からは「3高:高学歴・高収入・高身長」を求められた世代でしょう。すんなり通過できたら良かったね~、ですが大半はなんらか挫折したり、失望したりの経験もあるはず。だけど 団塊ジュニア世代を中心とした、多人数のなかで鍛えられた心身を、なんとか人生に活かしてほしいです。

 

  そして引きこもりについて思うことです。あいよっこも男の子3人の母親だったので(今も?)わかるのですが、友達グループで遊んでいると「相手の気持ちを考える優しいこども」であってほしいと望む一方で、「できれば強くて競争に勝つリーダー的な存在であってほしい」という期待も持つのです。もし私自身が無意識的にそんな二律背反で矛盾した気持ちを押し付けたら、子どもはどっちが本当に求められているのか混乱します。親や社会から「表と裏」「本音と建て前」を同時に要求されるわけですよね。

 

  この状況を心理学では「ダブルバインド(二重拘束)」つまり2つの矛盾した命令で縛られて身動きできない状態、と呼んでいます。そうした状態では、目の前の相手や場面で「この時はどっちが正しいのか?どっちのセンで行くべきか?」の判断が難しくなり、強い緊張や気の遣いすぎなどで疲れ果て、ニッチもサッチモ行かなくなり、最後は自己防衛のために閉じこもってしまう結果になります。

 

  こうした要求の中に当時も今現在も「男性ジェンダー」があります。「男は女の上に立つべき」「男は強く支配する存在」「権力や名誉を手に入れるべき」といった、いわゆる「男らしさ」が、一般に女より強いことが「4分の3が男性」、という要因のひとつかもしれないです。

 

  子どもたちが、「相手との気持ちをどう折り合わせるのか」の感覚を学ぶ最良は、やはり最も適した時期に子ども集団で過ごすことだし、「自らの欲望と社会の要求」を両立させるには、その時々でどうバランスを取っていくのか自分なりの基準や方法が必要となるでしょう。

 

  一時「男性ジェンダー」を考える流れがありましたが、最近はあまり聞かないです。いわば現在は「男性の生き方や幸せ」が難しい時代であり、男性の引きこもり問題は「男性ジェンダー」をふまえた議論が必要になるとおもえてなりません。

  ***続く***

   桜より (おそらく)スマホゲーム?に夢中な若者たち

   本久寺 しだれ桜もきれいだわ~!

   宮城県 塩竃神社参道入口

     神木の腰のひねりがいいよね~

  

     写真下:「梅護寺数珠掛桜(バイゴジジュズカケザクラ)」天然記念物

         親鸞上人が越後流刑の際、去り際に数珠を掛けたと伝わる

         数珠の房のような桜