沖縄地方のことばって最初はチンプンカンプンでなじみにくいですよね。でも慣れてくるとどこか共通点もあり、なんとなくわかってきます。するとその呼び名が実にぴったりしてくるのが不思議です。<o:p></o:p>
石畳の坂道(カービラ)を降りたら、思いのほか広い場所が広がっていて、正面の素晴らしい見晴らしが飛び込んできました。段々低くなる緑の田畑や、その先には遠く青い海も見渡せます。
写真:降りたところから左側を見ると手前に女の川、その先奥に男の川が見えます。
名前の由来と区別はその形から?
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山の中腹からは小さな滝が幾筋か流れています。これは大きな木の根元にある泉から湧いているようです。向かって左側上の流れが「イナグンカー(女の川)」で、樋(とい)は小さくて目立たなくてたらたらと流れている感じです。
反対に右側の石製の樋は大きくて豊かな水量を、石垣に囲まれた水場に勢い良く流しています。この下流が「イキガンカー(男の川)」で男が使用するそうです。この樋の横に石の小さな祠があり、水神を祀っています。古くからの井泉もやはりお祈りの場所だったのですね。
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下にできた小さな池はンマガンカー(馬俗川)と呼ぶので、かつて馬を洗っていたのでしょうか。現在ではここで、夏場になると子どもたちが水遊びをするそうです。豊かな水量と、良い景色を見ながらの水浴びはきっと最高。
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水量も豊かですが、水質もとても良好で、環境庁の名水100選の、しかも当初の31件に選定されたのが自慢です。でも先におびただしいタニシやイモリを見たあいよっこは、「味見をする、試飲する」ということが全く脳裏をかすめなかったです。
写真:石つくりの樋(とい)から勢い良く流れる水。後ろのうっそうと茂ったところに泉がある。
神々をお祭りし祈りをささげる聖地である「御嶽」は一般に「ウタキ」と呼びますが、西表島では「ウガン」と呼んでいました。本島で「ウガン」というと「御願」、つまり参拝することや人のこととなります。<o:p></o:p>
基本的にはりっぱな拝殿を設けたところは少なく、石や植物などの自然物を配置しただけのところも多いです。竹富島で見たウタキは香炉などの他はなにもないようでした。だからといって持ち帰るなどはもちろん、勝手に配置を変えたりすることも許されません。だけど必ず必要なのは木や森で、神さまは樹たちと相性が良いのでしょう。<o:p></o:p>
島の文化は外からの影響も受けつつ、その島固有のものを守るところも強く残っているところがまた魅力です。沖縄の島々に惹かれるのは、似ているようでいてそれぞれの島独特の文化・風習や雰囲気が感じられるところにあるのです。
次回はうたきのなかでも最高位である「斎場御嶽(セーファウタキ)」に行きます。