最初にここを訪れたのは世界遺産に登録された2000年の2~3年後でした。
道路の標識もなく、「さいばおんたけ?はどこですか?」と聞くと、おじさんが一瞬怪訝な顔をした後「ああ、○○○(聞き取れない)ならまっすぐ進んで、郵便局を左に入って・・・」と教えてくれました。
進入路は未舗装のがたがた道で、駐車場が整備されつつありました。読み方も、ましてここがどんなところなのかさえもわかりませんでしたが、ウタキというものが強く印象に残りました。
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今回は情報館である「緑の館・セーファ」も整備され、ここを通って入り口に向かいます。時折小雨がぱらつくお天気のせいもあり、観光客はめっぽう少ないです。入り口近くと出口で会っただけで、途中はまったく1人、かなり孤独でした。
正面の石畳の坂道に、参道の入り口「御門口(ウジョウグチ)」があります。道の右にある6つの香炉は内部の拝所の数を示しています。左側には3体の石つくり。これは可愛いくて風情があります。(写真)
ゆるやかな参道を登っていくと、切石に囲まれた石敷きの広場が現れてきました。この「大庫理(ウフグーイ)」には「大広間」とか「一番座」という意味があり、大切な儀式が行われました。琉球国王と国土を守護する聞得大君(きこえおおきみ)が、初めて就任する儀式が「御新下り(おあらおり)」でした。この際には、岩陰の一段高い場所に神様と枕をともにするための寝室がつくられたのです。この神様との聖婚によって聞得大君は加護を得て、霊力を宿すと考えられました。
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その先で道が左右に分かれているので、順路に従って左にまがると「寄満(ユインチ)」と呼ばれる場所があります。台所という意味ですがその機能はなく、「豊穣に満ちた場所」といった解釈がされています。このあたりの樹々はいっそう深くなり、光は遮断されて薄暗く、石灰岩の迫力あるおどろおどろしい形が迫ってくるように感じます。
写真:ユインチに続く道。ここをどんな人がどんな気持ちで通ったのかな?とつい想像してしまいます。
宗教は「非日常性」と深く結びついていますが、この場所の背景・ロケーションは本当に日常からちょっと外れた感覚、想像力、幻想力(妄想までいっては困る)などを掻き立てるには最適です。実は入り口から進むに従ってなんだか胸騒ぎのような、ざわざわとする感じを覚えていたのも、こんな背景のせいなのでしょうか?
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写真:迫力ある石灰岩の大岩。かなり圧倒されます。
その②に続きます。<o:p></o:p>
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