団塊の世代のつぶやき

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★中国企業の社債、デフォルトがブーム(?)に

2018年07月01日 | 中国

  中国が何故崩壊しないのか不思議で仕方ありませんが、やはり、習王朝の独裁だからこそ出来ることなのでしょう。

  その中国の凄まじい状況を何時もの宮崎さんが書いてくれています。何時もとちがって長いですが、その凄まじさを実感していただくためにも全文を上げさせて貰います。

  それにしても、独裁というのはここまで無茶苦茶が通るんですね。これが、破裂したら世界への影響はどうなることやら。
  これでも、まだ付いていく国や企業も、どうなることやら。その凄まじい崩壊を是非、この目で見たいものです。

 宮崎正弘の 国際ニュー ス・ 早読みより  平成30年(2018年)6月30日(土曜日) 通巻第5743号 <前日発行>

 中国企業の社債、デフォルトがブーム(?)に
  ドル建て債券、高金利を謳っても応じる海外投資家が不在になった

 中国企業の債務不履行(デフォルト)が異様な速度で急増している。
 2016年度の債務不履行(デフォルト)は通年で6850億円だった。今年は上半期だけで4000億円を軽く超えた。たぶん年内に1兆円を超えるだろう。
 とくに大手国有企業がドル建てで発行した社債が「紙くず」同然となっているため、いまでは中国企業の海外起債は難儀を極め、大きな信用リスクに直面している。

 北朝鮮への制裁で直撃を受けた「丹東港集団」の債務不履行(日本円で841億円)は原因がはっきりしているだけに、違和感はないが、景気がよいはずの産業界でも、資金が枯渇して運転資金を銀行から借りられなくなった。とくに集中しているのが石炭、鉄鋼、火力発電である。

 その典型は中国儲能源化工集団(385億円)、東北特殊鋼(累計1200億円)など、社債不履行の中国企業のリストを網羅し始めると数十頁にも及ぶほどの悲惨な状態だ。
 社債残高はちなみに300兆円、これはイタリアのGDP(288兆円)よりも多い。

 国有企業である発電や石炭、鉄鋼という旗艦産業を習近平政権は救済する意思がないのも、これら企業の多くが旧江沢民派や団派との関連が深いからだろうか。

 また社債をだして数ヶ月も経過しない裡に、経営者が行方不明、失踪したり、突如倒産したり、なかにはドル建ての社債を償還できない企業が頻出し、海外投資家に信用不安をもたらす。このため、対中債券投資も激減してゆく傾向にある。とくに注目されたのが「北京東方園林環境」である。170億円の社債発行を目指し、金利を7%としたが、集まったのは8億5000万円、目標の二十分の一でしかなかった。

 つまり世界中の投資家が中国経済の末期的症状、その破産状態を掌握しているからである。2018年は半期だけで、すでにデフォルト額が4000億円を超え、この雪だるま現象は急坂を転がるごとに膨らんでゆくだろう。

 ドル不足にくわえ、中国は厳重な金融引き締め政策に転じており、国有銀行は資金を市場に出さない。そればかりか中央銀行は国有銀行の預金準備率を2ヶ月の間に1%さげて、通貨供給量を増やすとしながらも、市場に潤いはなかった。

 というのも実態は社債を株式に転換させて銀行が購入という手の込んだ遣り方で、有力企業のパンクを防止し、債務不履行に陥る寸前の対策を講じた。
社債の格付けがAA格以下は不良債権化する怖れが強いために、銀行の担保とならない。だから社債を株に転換させるのだ。見え透いた巧妙な延命策である。

 典型例は中国建設銀行で、たとえば武漢鋼鐵への債権240億元(4000億円)を株式化した。同銀は山東能源集団、山西省能源集団への債権合計460億元(7800億円)も株式に転換し、融資先の国有企業の窮状を救った。

 ▲つぎなるは「理財商品」というゴミの山の解決を先送り

 こうした債務株式化は、4月から6月にかけての弐ヶ月間だけで推計17兆円、このために中国人民銀行は預金準備率を同期間に合計1・5%切り下げ、1兆円の余裕資金を銀行に持たせたのだ。

 金融専門家でなくともこの手品は分かる。
したがって香港の株式市場はすばやく反応して株安に転がり、また米国や日本でも中国との関連の深い企業株は軒並み下落した。

 ついで中国は「陰の銀行」(シャドーバンキング)の規制導入を三年先の2021年に延ばした。ゴミの山の典型が「理財商品」で、その累計残額は500兆円をかるく超えている。
事実上の不良債権である。これを帳簿上、かくすための手口として銀行が活用してきたのだ。

 規制は理財商品の焦げ付きを回避させるために「激変緩和措置」なるものを導入し、同時に投資先の理財商品(投資信託のたぐい)の時価評価方式の導入も先送りした。
 
これは旧規制の理財商品をまた発行して償還資金を捻出することができるという、途方もない借金の引き延ばしであり、理財商品の投資先に対して時価評価を適用しないという、帳簿の誤魔化しの奨励である。

 身近な例をあげて考えてみると、A社はB銀行から1000万円を年利8%で借りた。B銀行はこの債権を「理財商品」として系列のCファイナンスに移し替える。
一年後、利息だけ返したが、元金は返せないので、金利を10%とした。つまり80万円の利息は払い、なおかつ一年後の返済は1100万円となる。そしてまた一年後、こんどは元本どころか、利息も払えないので、金利12%にしてもらい支払い猶予とした。元利合計が1232万円となる。
 そしてまた一年後、返済不能につき金利を14%とした。元利合計1404万強となる。返済は絶望的である。
 
 この1404万円をB銀行の子会社のシャート―・バンキングC社は不良債権であるにもかかわらず時価評価で貸借対照表の「資産の部」に計上する。まさに粉飾決算の手口である。粉飾を国家あげて招請しているというポンチ絵だ。
 いってみれば国有企業、国有銀行の救済を、搦め手で行うのである。

 一方で中国税務当局は企業減税を実施した。
つまり倒産の危機に追いこまれた海航集団(HNA)などの救済が実際の目的である。有利子負債が巨大な海航集団は資産売却などで当座を繕ってきたが、この企業は王岐山の親戚が関係する、いってみれば共産党高官の利権企業だからだ。

 ▲アメリカはまだまだ手を抜かないゾ

 トランプ政権は矢継ぎ早に対中制裁を講じている。緩和する意思はまったくない。
 次の対中制裁は「投資規制だ」とライトハイザーUSTR代表は、すでに6月15日のテレビ番組で語っていた。
「米国の最新鋭技術を企業買収などを通じて、入手しようとする中国の企みを規制し、これによって中国が交渉テーブルにつき、公平な貿易政策に転換することを臨んでいるからだ」と理由づけていた。

 6月28日、トランプはウィスコンシン州のFOXCOM工場の起工式に参加し、鵬海精密工業CEOの郭台銘と並んで、鍬入れ式を行った。
 式場で、トランプは「米国は中国の再建に手を貸した。御礼を言われるべきだが、もはや礼にも及ばない」と冷たい言辞を吐きつつ、中国系企業のアメリカ進出には大歓迎。「これでバランスが是正される。われわれは不公平な貿易慣行を改めよと言っているだけであり双務主義に立ち帰るべきである」と述べた。
 

 ▲鵬海精密工業は本当に米国に大工場を建てた。

 鵬海精密工業(FOXCOM)は、ウィスコンシン州に液晶パネルの大工場を、100億ドルを投資して建設し、フル稼働となれば、1万3000人を雇用すると唱えている。
 トランプは就任前のトランプタワーに、孫正義、アリババの馬雲に遅れて、鵬海の郭台銘が訪問したときも、対米投資に積極的な三人を褒め称えた。その約束を真っ先に果たすのは、製造業の郭となった。

 鵬海精密工業の郭台銘は台湾生まれとはいえ、この会社は中国で往年は100万人を雇用して、急成長し、近年はシャープを買収し、液晶パネルのハイテク化に成功した。また従業員の八割を削減し、ロボットに切り替え、経営効率化を目指している。

 郭台銘は父親が山西省からの移住組、したがって台湾への愛着は薄く、中国共産党とべったりである。

 アリババは米国進出を、金融子会社アント・フィナンシャル社がフィリピン経由で米国企業マネーグラム買収を行い、横合いから國際送金システムの進出を果たそうとしたが、米国側は拒否した。
このためアリペイ(支付宝)は香港の子会社とフィリピンの「Gキャッシュ」でスマホ決済を英国系スタンダード・チャータード銀行を通じて行うことになった。後者の銀行は香港ドルの発券銀行でもある。
 
 またトランプ政権は中国ならびに香港系などの中国のダミー企業が米国のハイテク企業を買収する行為を阻止するために、対米外交投資審査委員会の権限をさらに強め、25%の中国資本の企業が米国ハイテク企業を買収することをすべて禁止する法案を準備中である。
 いずれにせよ、拙著『アメリカの「反中」は本気だ』(ビジネス社)で述べたように米中経済摩擦は、おさまるどころか、ますます激化してゆく方向にある。

  やはり、引導を渡せるのはトランプさんのようですね。どうか初志を貫徹して、世界を救った大統領として歴史に名前を残してください。お願いします。



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