ねずさんが毎月一回素晴らしい本を紹介してくれています。それは宮崎さんの書評とは違った傾向のものですが、どちらも興味深いものです。
ねずさんが、5日、の「★ 国会議員に読ませたい台湾のコロナ戦」で、取り上げた他に2冊を紹介してくれていましたが、その時は取り上げませんでした。
ところが、何と、それを宮崎さんが書評で取り上げてくれ、何時ものように独自の解説をしてくれています。
今、文科省の教科書検定の売国奴振りがネットでも騒がれていますが、今回の戦前の教科書の復刻版の素晴らしさと比べると日本人が劣化するのも当然と思えます。
戦後の政府や文科省の怠慢に怒りを覚えるというより呆れてしまいます。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和2年(2020)8月5日(水曜日) 通巻第6610号
書評
国民としての矜持、尚武の心、その気風をはぐくむ工夫がなされ
戦前の国語教科書は古事記、英雄伝、国民と精神を教育していた。
復刻版『初等科国語 中学年版』&
復刻版『初等科国語 高学年版』(ハート出版)
戦前の国語教育がいかにまともな、健全な日本人の精神を培う内容であったか。
正義と公平と尚武の精神をさりげなく教え、情操を豊かにすることに重きが置かれた。まともな人間に育て上げることが教育 目的であった。
叙述はくどくなく、あっさりと、しかし平明で力強い語彙に溢れている。GHQは、このような正しい教科書に墨を塗ら せ、あげくには廃棄処分とした。
そして占領下に作られた教科書は、無味乾燥で、道徳を軽視した、要するに日本人の脳幹を破壊する企みが仕掛けられてい た。このため戦後世代は戦前の日本が軍国主義で、間違ってアジアを侵略したと教え込まれ、洗脳された。
その弊害は遅れて効果を運ぶ。戦前の教育をうけてきた教師らは追放され左翼教師らが教育現場に立ち、だから沈潜していた GHQの病原菌が、いまごろになって歴然とその悪影響の効果を顕している。
なにしろ古事記、日本書紀を読まなかった世代が、留学先で日本の歴史を質問されても何も返事が出来ない。「英語が喋れ る」って? 日本語も満足に喋れない人が英語をマスター出来るはずがないではないか。
まず、『初等科国語 中学年版』を見よう。
神話の天の岩戸から始まり、スサノオ、ニニギノミコト、そして聖徳太子がでてくる。戦後教科書が無視した日本の歴史の本 質が、チャンと教えられていた。神話、偉人伝を教え、そして神社のことを説き、尚武の心の大切さを教えている。
この巻の解説を書いた葛城奈海さんはこう言う。
「現代日本人が失ったものの大きさを痛感せざるを得ないであろう。優しさ、尚武の精神、美学。優しいからこそ、強くな ければならなかったし、強いからこそ優しくなれた。平和を守るためには、それが脅かされそうになったときには、最終的に は戦う覚悟が必要だ。その覚悟をもった人間を美しいと感じるのが、日本の美学であった。『平和』を『文化』に置き換えて も、また同じことが言える」。
次いで復刻版『初等科国語 高学年版』を見ると、乃木大将とステッセルの水師営の会見が見事な情景描写、心理描写で描 かれている。満州を縦断した特急亜細亜号、明治神宮、源氏と平家。
『古事記』の項目には、こうある。
「わが国初以来の尊い歴史であり、文学である。殊に大事なことは、こうしてわが国の古伝が、古語のままに残ったことで ある。こごには、わが古代国民の精神がとけ込んでいる。われわれは今日古事記を読んで、国初以来の歴史を知るとともに、 そのことばを通じて古代日本人の精神を、ありありと読むことができるのである」
高学年版は昭和十七年の編集であるため、シンガポール陥落、マレー沖海戦そして、南洋の島々の生活なども出てくる。
ともかく二巻を通読して、一貫した基本姿勢は、「国民としての矜持、尚武の心」、その気風をはぐくむ工夫がなされてい ることなのである。いまの文科省の教科書検定官たちにも是非、読んで欲しいものだ。
この復刻版と今の教科書を直ぐに取り替えるべきでしょう。政府・文科省はなんだかんだと出来ないことを並べるでしょうが、今の日本の教育の劣化にはそんなゴタゴタ言ってる暇はありません。
一番大事な教育の改正に取り組むのが一番大切でしょう。経済なんかその後でも良い。
それにしても、戦前の日本は凄かった!
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