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パキスタン首相がサウジアラビアを電撃訪問

2018年09月24日 | 中国

  中国の一帯一路に組み込まれているパキスタンが、新しい大統領になって動きが激しくなってきているようです。
  どうなることかと、16日、第 6923回の「パ キスタン新政権、はやくもIMF救済回避策に対案なし」などで注目してきました。

  何と、中国やIMFではどうにもならないようで、サウジアラビアを大統領が訪問したようです。
  何時もの宮崎さんが取あげてくれています。一体、どうなるのでしょう。

 宮崎正弘の 国際ニュース・ 早読みより  平成30年(2018年)9月18日(火曜日) 通巻第5834号   

 カーン (パキスタン首相)がサウジアラビアを電撃訪問
  IMF管理を回避するために、金融危機を克服しなければならない

 イムラン・カーン首相は9月17日、イスラマバードを発ってリヤドを訪問する。国王の招待により、二日間の実質的な訪問で 主たる議題は今後の経済援助。とくに金融援助の詰めを行う。

 すでに中国とのCPEC(中国パキスタン経済回廊)プロジェクトは620億ドルという途方もない借金のため、パキスタンは 西南部のグアダル港を43年間、中国の租借地として認めたうえ、追加で20億ドルの緊急融資を受けた。

 他方、バジワ陸軍大将が北京を訪問している。経済援助が表向きのテーマだが、両国は半世紀以上の軍事同盟国であり、国家安 全保障問題、アフガニスタン問題、インド戦略などを話し合ったと見られる。

 このタイミングでカーン首相は就任後初の外国訪問を中国ではなく、サウジアラビアとしたことの意味は重要だろう。サウジと 中国のバランスをはかり、外交の梃子とする企図はありありとしている。

 第一にパキスタンの核兵器開発は、おおむねサウジアラビアの資金援助があってなされた。サウジは万一の危機に遭遇したとき はパキスタンの核を活用する(背後からイランを攻撃できる)

 第二に首都のイスラマバードに聳える世界一巨大なモスクも、サウジアラビアが全額寄付して建てられた(1966年、サウジ 国王ファイサル国王が寄付した)。
それまで首都はカラチだったが、イスラマバードを人工都市として、新しい首都を都市計画に基づいて碁盤の目のような整然とし た都を建設したのだ。筆者も行ってみたことがあるが、パキスタンのあらゆる場所の喧噪、猥雑な風景とは別世界、静かで清潔な 都市である。
隣のラウルピンジには国連の事務所がある。

 『ザ・タイムズ・オブ・インディア』(2018年9月18日)の報道では、パキスタンは「IMF管理体制になることを回避す るために、金融危機を克服しなければならない」として資金援助を要請するが、すでに45億ドルの緊急融資が内定しているとい う。

  中国との動きも宮崎さんが書いてくれています。 

  宮崎正弘の 国際ニュース・ 早読みより  平成30年(2018年)9月17日(月曜、祝日) 通巻第5833号

  中国と パキスタンの「友誼」関係は変化。緊張状況にある
  王毅外相のパキスタン訪問直後、パキスタン陸軍大将が北京を訪問

  このところ、パキスタンへの出入りが激しい。ポンペオ国務長官は、中国主導のシルクロード、すなわちCPEC(中国パキ スタン経済回廊)に対して中国が620億ドルもの巨費を注ぎ込んだ結果、西端のグアダル港は43年間、中国が租借することに なった経過を踏まえ、「IMFの救済は難しい」と述べた。直前にトランプ大統領はパキスタンへの援助を中断した。

 ポンペオのイスラマバード訪問の翌日、中国外相の王毅がイスラマバードを訪問し、イスマン・カーン首相に真意を問いただ し、シルクロードプロジェクト継続の意思を確認したという。

 カーン政権の誕生の後ろ盾はパキスタン軍である。
 その軍の事実上のトップはバジワ陸軍大将である。そのバジワ将軍が9月16日、北京を訪問したのだ。
カーン新政権を背後で操る立場にある陸軍大将の発言には重みがあり、会談内容は公にされていないが、マハティール同様に、借 金の返済が覚束ないことは、パキスタン経済の将来に暗雲を呼ぶ。収支バランスの悪化はパキスタン通貨の暴落を招く。つまりパ キスタンの安全保障に直結する問題だとする認識を表明したという。

 過度の中国傾斜はシャリフ前政権であり、パキスタン国民が中国を快く思っているわけではない。
そのうえ、パキスタン財界は、商都カラチが中心であり、およそ20のファミリーが銀行経営や物流を握っていてパキスタン経済 を牛耳るとされる。

カラチ財界は、ハク政権(ソ連の謀略で暗殺された)、ムシャラフ政権(陸軍のグーでターでシャリフ政権を打倒し、米国と協調 関係を結んだ)という軍事政権を通じて、米国とビジネス関係を深めることで成長した。
 このカラチ財界も、カーン政権の後ろ盾になると想定されており、中国はこうした動きを神経質に捉え直したため、両国は緊張 した状況に陥った。

 ▲CPECなんぞより、水資源確保のダム建設を急げ、とカラチ財界

 カラチはパキスタン最大の都市であり、アラブ諸国の進出が夥しい。国際金融都市でもある。
しかしカラチ市政最大の悩みは、じつは水不足である。
1947年の水供給に比較すると、カラチの水源は6分の1に激減しており、シルクロードなんぞよりダム、浄水場建設が急がれ るべきだというのがカラチの意見である。

 このため9月16日にカーン首相は日帰りでカラチを訪問し、市長などから意見を聞いた。「ダムが必要なことは分かってい る」としたうえでカーン首相は「中国は8万4000ケ所のダムをもち、うち5000は大規模なダムである。インドでも 5000のダムがある。わがパキススタンにダムが不足していることは明らかだが、予算をダム建設に割けるだけの余裕がない」 とした(パキスタンの英字紙『ドーン』、9月17日)。

  完全に八方塞がりですね。こうなるともうどうにもならないでしょう。そこまで追い込んだ中国もトランプさんの攻撃で終わりは見えてきているようですから何の手も打てないでしょう。
  それにしても、習皇帝もここまで追い込まれてもまだしぶとく地位にしがみつくつもりなのでしょうか。こうなると、いよいよ自棄糞の戦争もありそうですね。

まさに、風雲急を告げるです!


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