女優の樹木希林さんが亡くなられたことを知り、ある学者が「何になりたい?」と聞かれたときに、「風になりたい」といったことを思い出した。その学者の生き方は、現代のような、スピード、合理化、効率化とは程遠く、財力や地位、名誉欲もなく、ただ、ニコニコと科学技術を論じ、ぎすぎすした世間を笑っているような生き方だった。希林さんも全身にがんに侵されても、痛み止めだけで生き抜いた、優しい心の持ち主だった。その時が来たら、仕方あるまい。それまでに、静かに準備しておき、そ~っと、消え去るとの言葉が、印象に残っている。こんな生き方に憧れます。

