琉球小説のテンペストに登場する多嘉良(たから)。
首里城の王宮勤務のための最難関の試験である科試(こうし)。その受験対策のための予備校の一つ破天(はてん)塾で、主人公が出会ったのが、泡盛が大好きで人柄のいい多嘉良。受験に何度も失敗し、妻子もいるオジサンだ。
主人公とは異なり不合格だったが、久慶(きゅうけい)門の門番として採用される。
上の写真は、左から歓会(かんかい)門、久慶門、右掖(うえき)門。
首里城の見学ルートは、写真左下の歓会門から入城し、道なりに右に曲がって、階段を上がり、正殿に向かうが、最後は、北殿から写真右奥の右掖門を抜け、下り坂を進み、写真中央の久慶門から城外に出る一方通行だ。
往時は、歓会門と久慶門が王宮の出入り口で、門番は重要な役割をしていた。
下の写真は、北殿の裏から見たもの。上の写真とは逆方向から写したもので、手前が出口の久慶門、奥が入口の歓会門。
多嘉良は、銭蔵奉行(ぜにくら ぶぎょう)に人事異動する。
銭蔵奉行とは、泡盛を管理する部署。多嘉良は大喜びの配属先だ。
泡盛は王府の管理下で生産され、貴重な税収である。
銭蔵が存在した場所は、久慶門の東側の樹木が生い茂っているところ。表紙の写真では、樹木の下にブルーシートがちょっと見えてます。
遺構の発掘調査をしていたけれど、復元には今のところ根拠資料が不十分なようです。
国営沖縄記念公園 首里城地区 整備計画 p4,5参照
http://www.dc.ogb.go.jp/kouen/shurijo/pdf/%E3%80%8Csyurichikuseibikeikaku%E3%80%8D.pdf#search
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