琉球小説テンペストで重要な舞台となる三重城(ミーグスク)。
琉球の役人になるため、主人公が髪を切り、寧温(ねいおん)として生きることを決意した場所(第1話p40)。
薩摩の藩士、浅倉雅博と主人公が出会った場所(第1話p201)。
書類を抱えた主人公が、浅倉の目前でサンゴ礁の海に身を投げた場所(第2話p85)。
表十五人衆に出世し、紫冠の帽子をもらったことを、真鶴や父に報告しに来た場所(第2話p170)。
流人として船で八重山に向かう主人公を、浅倉が見送った場所(第2話p305)。
「おせんみこちゃ拝礼供之勢頭部」に出世した恩戸(うみとう)が、恩人の主人公の無事を祈願した場所(第3話p147)。
聞得大君だった真牛が、進貢船に乗る津波古(つはこ)を見送った場所(第3話p203)。
王国が滅びる日、明治政府の密命を受けた浅倉と主人公が再開する場所(第4話p272)。
琉球王国は、万国津梁の鐘に記されたように、世界の懸け橋となる海洋貿易で栄えた国です。
三重城は、那覇港の入口に位置し、海洋国家である琉球王国において、航海の安全を祈願する聖地です。
琉球の女子は、オナリ神となって、三重城から兄弟の航海安全を祈願します。
首里城の御内原(ウーチバラ)で、正殿2階にあるおせんみこちゃの拝礼を担当する神女である思戸(ウミトウ)が、遠く水平線を見つめ、八重山で暮らす主人公の無事を祈願していました。
現在でも、鹿児島方面へのフェリーの航路となっています。
遠くで暮らす家族の無地を祈るのでしょうか、今でも祈願する方々を見かけます。
断崖に座って、遠くの水平線や、ここから旅立つ船や飛行機を祈りながら見送る方々もいます。
遠くで暮らしている人は、こうして祈っている方々の気持ちや存在を、忘れてはいけないですね。
フェリーが北に向かって進んでいきます。
飛行機も、飛び立っていきます。
無事でありますように。
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